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偽りの理想
四十九話 転落の果てに
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「王子フェリクス、および前王太子アレクシス……」
玉座の間に響き渡る国王の厳かな声。
そこには、かつて王家の未来を担うはずだった二人の男が、無様な姿で跪いていた。
フェリクス王子は、今や痩せこけ、ぼさぼさの髪を垂らし、まるでただの囚人のような風貌だ。
一方、アレクシス前王太子は以前の威厳を完全に失い、顔色は青ざめ、虚ろな目で床を見つめている。
「……よって、お前たちの罪状をここに申し渡す」
国王は、冷徹な眼差しで彼らを見下ろしながら言葉を続けた。
「フェリクス、お前は国外商会との不正取引、贈賄、および国家機密の漏洩に関与した罪により――王族の身分を剥奪し、辺境の流刑地へと追放する。」
フェリクス王子の顔から、血の気が引いた。
「ち、ちょっと待ってください、父上! 私は……そんな、まさか、王族の身分を剥奪されるなんて……!」
「王族としての責務を果たさず、己の欲のために国家を危険に晒した者に、王族の資格はない」
「そ、そんな……そんなぁ……!」
フェリクスは、絶望に打ちひしがれた顔で地面に崩れ落ちた。
「王族でなければ、私はただの……っ!」
それは、彼にとっての死刑宣告も同然だった。
王族でなくなれば、何の権力も持たない。庇護してくれる貴族も、支援者もいない。
追放された先で待っているのは、過酷な環境と貧困。
かつて王族として贅沢を極めたフェリクスが、それに耐えられるはずもなかった。
「……そして、アレクシス!」
次に、国王の視線がアレクシス前王太子に向けられる。
「お前の罪は重い。王太子としての権威を利用し、不正な取引を行い、国家の秩序を乱した。さらに、それを隠蔽しようとした罪もある」
「……」
アレクシスは何も答えない。ただ、虚ろな目で国王を見上げていた。
もう、全てを諦めたような目だった。
「よって、お前を永久幽閉刑に処す」
――ざわっ。
その場にいた貴族たちが、一斉にざわめいた。
永久幽閉刑――。
それは、死ぬまで外の世界を見ることができない、生ける屍の刑罰。
幽閉されるのは、城の地下にある閉ざされた牢獄。
光の差し込まない暗闇の中、ただ静かに朽ち果てるだけの人生。
「……っ!」
アレクシスの顔が、絶望に染まる。
「ちょ、ちょっと待ってくれ……! それは、あまりにも……!」
「それほどの罪を犯したのだ。お前にはそれ相応の罰が必要だ」
国王は冷たい眼差しを向けるだけだった。
「お前は優秀だったが、その知恵を誤った方向に使った。己の野心のために、この国を食い物にしようとした。その結果が、今の裁きだ」
「嫌だ……嫌だ!! お願いだ、父上!! 私は……私はこんなところで終わる人間じゃない!!」
アレクシスは必死に懇願するが、国王の決定は覆らない。
「……連れて行け」
「やめろ!! 放せ!! 私は……私は未来の国王だったんだ!! こんな結末、認めるわけには――!!」
無情にも、王宮の衛兵たちがアレクシスを拘束し、そのまま城の地下へと引きずっていった。
――そこが、彼の”墓場”となる場所。
***
「ふふっ……まさに痛快な展開ね」
私は、王宮の奥でその一部始終を見届けながら、優雅に微笑んだ。
「フェリクス王子は王族の身分を剥奪され、追放。アレクシス王太子は永久幽閉刑。これ以上のざまぁはないわね」
「いやぁ、最高だな」
隣でリカルドが笑いながら肩をすくめた。
「これで国の未来は安泰だ。腐った貴族も、これを機に整理されるだろう」
「ええ。……でも、これが始まりなのかもしれないわね」
私は静かに呟いた。
玉座の間に響き渡る国王の厳かな声。
そこには、かつて王家の未来を担うはずだった二人の男が、無様な姿で跪いていた。
フェリクス王子は、今や痩せこけ、ぼさぼさの髪を垂らし、まるでただの囚人のような風貌だ。
一方、アレクシス前王太子は以前の威厳を完全に失い、顔色は青ざめ、虚ろな目で床を見つめている。
「……よって、お前たちの罪状をここに申し渡す」
国王は、冷徹な眼差しで彼らを見下ろしながら言葉を続けた。
「フェリクス、お前は国外商会との不正取引、贈賄、および国家機密の漏洩に関与した罪により――王族の身分を剥奪し、辺境の流刑地へと追放する。」
フェリクス王子の顔から、血の気が引いた。
「ち、ちょっと待ってください、父上! 私は……そんな、まさか、王族の身分を剥奪されるなんて……!」
「王族としての責務を果たさず、己の欲のために国家を危険に晒した者に、王族の資格はない」
「そ、そんな……そんなぁ……!」
フェリクスは、絶望に打ちひしがれた顔で地面に崩れ落ちた。
「王族でなければ、私はただの……っ!」
それは、彼にとっての死刑宣告も同然だった。
王族でなくなれば、何の権力も持たない。庇護してくれる貴族も、支援者もいない。
追放された先で待っているのは、過酷な環境と貧困。
かつて王族として贅沢を極めたフェリクスが、それに耐えられるはずもなかった。
「……そして、アレクシス!」
次に、国王の視線がアレクシス前王太子に向けられる。
「お前の罪は重い。王太子としての権威を利用し、不正な取引を行い、国家の秩序を乱した。さらに、それを隠蔽しようとした罪もある」
「……」
アレクシスは何も答えない。ただ、虚ろな目で国王を見上げていた。
もう、全てを諦めたような目だった。
「よって、お前を永久幽閉刑に処す」
――ざわっ。
その場にいた貴族たちが、一斉にざわめいた。
永久幽閉刑――。
それは、死ぬまで外の世界を見ることができない、生ける屍の刑罰。
幽閉されるのは、城の地下にある閉ざされた牢獄。
光の差し込まない暗闇の中、ただ静かに朽ち果てるだけの人生。
「……っ!」
アレクシスの顔が、絶望に染まる。
「ちょ、ちょっと待ってくれ……! それは、あまりにも……!」
「それほどの罪を犯したのだ。お前にはそれ相応の罰が必要だ」
国王は冷たい眼差しを向けるだけだった。
「お前は優秀だったが、その知恵を誤った方向に使った。己の野心のために、この国を食い物にしようとした。その結果が、今の裁きだ」
「嫌だ……嫌だ!! お願いだ、父上!! 私は……私はこんなところで終わる人間じゃない!!」
アレクシスは必死に懇願するが、国王の決定は覆らない。
「……連れて行け」
「やめろ!! 放せ!! 私は……私は未来の国王だったんだ!! こんな結末、認めるわけには――!!」
無情にも、王宮の衛兵たちがアレクシスを拘束し、そのまま城の地下へと引きずっていった。
――そこが、彼の”墓場”となる場所。
***
「ふふっ……まさに痛快な展開ね」
私は、王宮の奥でその一部始終を見届けながら、優雅に微笑んだ。
「フェリクス王子は王族の身分を剥奪され、追放。アレクシス王太子は永久幽閉刑。これ以上のざまぁはないわね」
「いやぁ、最高だな」
隣でリカルドが笑いながら肩をすくめた。
「これで国の未来は安泰だ。腐った貴族も、これを機に整理されるだろう」
「ええ。……でも、これが始まりなのかもしれないわね」
私は静かに呟いた。
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