大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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悪漢の村3

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「魔法をかけておきましょう」
「え、これは」
「万が一の為です」
 ガビが娘に認識妨害の魔法をかけた。
 宿屋の店主は娘が見えなくなって驚いている。
 ここはちゃんと説明しておいた方がいいな。
「娘が俺達と一緒にいる所を見られたら、店主が殺されるかもしれん」
「それは覚悟の上です」
「パパ死んじゃ嫌」
 娘が何か言っているが、店主には何も聞こえていないだろう。
 ガビが最高の力を籠めてかけた認識妨害だから、余とガビ以外には全く認識できない。
「よく聞くのだ。あんたが死んだら、娘の心が傷つくぞ」
「それは……でも今誤魔化しても、直ぐにばれます」
「それは俺達に任しておけばいい。上手く誤魔化してやるよ」
「……宜しく御願いします」
「おねがい。パパを助けて」
 店主は、娘の為に俺達が嘘をついていると思っているようだ。
 まあ、当然だろう。
 実際に娘がいなくなるのだから、ごまかしようなどない。
 だが、娘が傷つかないように、俺達の嘘を飲み込もうとしている。
 嘘をついてるいのは確かだが、全く別の嘘だ。
「私はこの子を抱いていますから、雑魚の相手は任します」
「仕方ないね」
「パパ。パパ。パパ」
「おお、元気で暮らすのだよ」
「パパ。嫌。パパと一緒がいい」
「はやく連れて行ってください。御願いします」
 ガビが、認識妨害の魔法に穴を開けて、親子の別れが出来るようにした。
 本当に規格外の能力だよ。
 この世界の理から外れ過ぎている。
 まあ、余が言うのは問題だとは思うが。
「おい、その不逞奴らはまだ宿にいるんだろうな」
「それは……」
「ちぃ。御前達は村の出入り口を固めろ」
「「「「「へい」」」」」
 ゴロツキが余達を探してウロウロしている。
 俺達も娘を連れて村の中をうろついていた。
 娘はガビが抱いているので、何の心配もない。
 店主の横には、娘に擬態させた魔晶石使い魔を配置した。
 これで店主がどうこうされることはないだろう。
「グアッ」
「ギャフッ」
「馬鹿が、俺達はここだ」
「女郎が、舐めやがって」
 ゴロツキ達が実力差に怖気づかないように、手加減して攻撃する。
 本当は一瞬で全員皆殺しに出来るのだが、一度に二人ずつ叩き伏せる。
 戦線復帰されると面倒なので、キッチリと腕と脚を叩き折る。
 回復が使える魔法使いがいると面倒だが、ボスや幹部は自分達が回復魔法を使う場合も考えて、チンピラ共に貴重な回復魔法を使うとは思えない。
「グアッ」
「ギャフッ」
「どうした、たった二人に大人数でかかってきて、今更臆病風に吹かれたか」
「なにを、この男女が」
「死にやがれ」
 次々と余に仲間が叩き伏せられるのを見て、徐々にかかってくる人間が減ってきたので、軽く挑発したら、簡単に乗ってきた。
 馬鹿は扱い易くて助かる。
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