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第二章「恋愛」
54話
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カチュア姫を守護する水精霊。
アシュラム達を守護する水精霊。
火竜シャーロット。
それぞれが思惑を持って動いている時、東西の大国が動いた。
サライダ王国に多くの密偵を送り込んでいた両大国は、サライダ王国が二分したという情報を手に入れた。
両国とも絶好の機会だと考えた。
同時に相手も同じように考えると分かっていた。
ここからは時間の勝負となった。
東西の大国にとって、サライダ王国は垂涎の獲物だった。
火竜シャーロットと水精霊が争い、水精霊の力が著しく落ちているという。
莫大な財宝を抱えたまま、戦力が十分の一になっている。
サライダ王国を占領して戦力を駐屯させれば、相手の大国を攻め滅ぼす事も可能だと、東西の大国双方の首脳部が考えたのだ。
両大国は国境線の駐屯軍をサライダ王国に侵攻させた。
各地に駐屯する即応部隊もサライダ王国方面に移動させ始めた。
各方面の守備部隊から半数を抽出して、援軍を送れるようにした。
傭兵どころか盗賊団にも賞金を提示して、サライダ王国へ送り込もうとした。
だがそれが両大国には思わぬ落とし穴となった。
「ふふふふ。
ありがたいわ。
栄養を付けたいと思っていたの。
だからと言って、サライダの民を食べるわけにはいかなかったのよ。
他の国の人間なら、いくら食べても大丈夫ね。
むしろ水乙女に感謝されるかもね」
火竜シャーロットは砂漠に立ち、西の大軍を前にドラゴニュートに話しかけた。
返事はなかったが、気にしなかった。
とても機嫌がよかったのだ。
これで食糧問題が解決した。
西の大軍は、将兵だけではなく大量の兵糧も運んでいる。
「さて、この場で食べては駄目よ。
城まで我慢するのよ。
城に着いたら、弱い者から齧っていいからね。
でも殺しては駄目よ。
傷を治して餌を与え、長く食べるんだよ。
さあ、捕まえておいで」
そう言いながらも、シャーロット自身も西の大軍に襲い掛かった。
将兵の中には、ドラゴニュートを斃せる強者が混じっていたのだ。
五人だけではあったが、人間とは思えない強者がいた。
だがそれでも、シャーロットの足許にも及ばない。
シャーロットが捕らえて子種にしてる、勇者英雄達くらいの強さだった。
「ああ、ああ、ああ。
力加減が下手ね。
仕方ないね。
殺したあんたは食べるの禁止よ。
ちゃんと言う通り生け捕りにした子だけ、間違って殺した人間を食べていいよ」
シャーロットがいくら強く言い聞かせても、元の人間が馬鹿で嗜虐心が強いと、力加減が出来なくて、人間を殺して食べようとしてしまう。
そんなドラゴニュートを厳しく叱り付けて、言う通りに生きたまま人間を捕獲したドラゴニュートには、褒美に殺された人間をその場で食べる許可を与えた。
アシュラム達を守護する水精霊。
火竜シャーロット。
それぞれが思惑を持って動いている時、東西の大国が動いた。
サライダ王国に多くの密偵を送り込んでいた両大国は、サライダ王国が二分したという情報を手に入れた。
両国とも絶好の機会だと考えた。
同時に相手も同じように考えると分かっていた。
ここからは時間の勝負となった。
東西の大国にとって、サライダ王国は垂涎の獲物だった。
火竜シャーロットと水精霊が争い、水精霊の力が著しく落ちているという。
莫大な財宝を抱えたまま、戦力が十分の一になっている。
サライダ王国を占領して戦力を駐屯させれば、相手の大国を攻め滅ぼす事も可能だと、東西の大国双方の首脳部が考えたのだ。
両大国は国境線の駐屯軍をサライダ王国に侵攻させた。
各地に駐屯する即応部隊もサライダ王国方面に移動させ始めた。
各方面の守備部隊から半数を抽出して、援軍を送れるようにした。
傭兵どころか盗賊団にも賞金を提示して、サライダ王国へ送り込もうとした。
だがそれが両大国には思わぬ落とし穴となった。
「ふふふふ。
ありがたいわ。
栄養を付けたいと思っていたの。
だからと言って、サライダの民を食べるわけにはいかなかったのよ。
他の国の人間なら、いくら食べても大丈夫ね。
むしろ水乙女に感謝されるかもね」
火竜シャーロットは砂漠に立ち、西の大軍を前にドラゴニュートに話しかけた。
返事はなかったが、気にしなかった。
とても機嫌がよかったのだ。
これで食糧問題が解決した。
西の大軍は、将兵だけではなく大量の兵糧も運んでいる。
「さて、この場で食べては駄目よ。
城まで我慢するのよ。
城に着いたら、弱い者から齧っていいからね。
でも殺しては駄目よ。
傷を治して餌を与え、長く食べるんだよ。
さあ、捕まえておいで」
そう言いながらも、シャーロット自身も西の大軍に襲い掛かった。
将兵の中には、ドラゴニュートを斃せる強者が混じっていたのだ。
五人だけではあったが、人間とは思えない強者がいた。
だがそれでも、シャーロットの足許にも及ばない。
シャーロットが捕らえて子種にしてる、勇者英雄達くらいの強さだった。
「ああ、ああ、ああ。
力加減が下手ね。
仕方ないね。
殺したあんたは食べるの禁止よ。
ちゃんと言う通り生け捕りにした子だけ、間違って殺した人間を食べていいよ」
シャーロットがいくら強く言い聞かせても、元の人間が馬鹿で嗜虐心が強いと、力加減が出来なくて、人間を殺して食べようとしてしまう。
そんなドラゴニュートを厳しく叱り付けて、言う通りに生きたまま人間を捕獲したドラゴニュートには、褒美に殺された人間をその場で食べる許可を与えた。
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