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第二章
第39話:決意
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「皇太子殿下、ここは一旦軍を引いて目の治療を致しましょう。
このままでは本当に視力を失ってしまいます。
直ぐに治療すれば視力が戻るかもしれません」
皇太子の守護騎士と側近達は無力感と絶望感に囚われていた。
自分達の力が及ばなかったせいで皇太子殿下が失明してしまったのだ。
もし自分の目を差し出して皇太子の失明が治るのなら、この場で両目をえぐり出して差し出していただろう。
それほどの後悔と申し訳なさで胸が一杯だった。
「何をバカな事を言っている。
我々は何のためにここまで遠征してきたのだ。
我々は私利私欲のために遠征してきたのではないのだぞ。
色々とこの機会を利用したのは確かだが、一番の理由は民の為だぞ。
邪神が復活して民を害する事がないように、ここまで来たのではないか。
一番の敵を斃さずして撤退などできるか。
私を早く皇都に戻したいのなら、一日でも早く邪神教徒を討伐せよ」
皇太子の激を受けて騎士も徒士も戦士の誇りを取り戻した。
三魔と貴族軍と戦い、多くの死傷者を出し疲れ果てていたが、その場に座り込むのではなく、死力を尽くして立ち上がった。
三魔を失い王都魔法陣を破壊された邪神教徒だったが、リトラスト以下の幹部は邪神に奉納する力を横領していた。
普通騎士など一撃で斃せるほどの力を得ていた。
だが今回は相手が悪すぎた。
今回の相手は皇太子が視力を失った事に自責の念を感じていた守護騎士だった。
守護騎士達は皇太子の側を離れる事を拒んだが、皇太子が命令したのだ。
「私の前に邪神教徒の首を持ってこい」と。
「邪神教徒の首を前にしたら、目が見えるようになるかもしれない」と。
明らかな嘘であり挑発だった。
皇太子は今回の件で邪神教徒を強く警戒するようになっていた。
予測していた邪神教徒の力を大きく上方修正して戦術戦略を練り直していた。
普通に騎士や徒士に討伐させたら、とんでもない損害を受けると考えていた。
だが同時に、三魔を斃した守護騎士達なら勝てるだろうとも思っていた。
だから挑発するような事を口にして尖兵としたのだ。
守護騎士達にしても皇太子殿下の考えは分かっていた。
だから今度こそ護らなければいけない責任感から側を離れたくなかった。
だがわずかに、本当にわずかにだが、希望も持っていた。
皇太子殿下の失明が邪神教徒による呪いであった場合だ。
もし本当に呪いの所為で皇太子殿下が失明しているのなら、邪神教徒を皆殺しにしたら視力が回復するかもしれないという希望があった。
王城や王宮のどこかにある魔法陣を破壊したら、呪いが解けて皇太子殿下の視力が回復するかもしれないという、本当にわずかな希望に縋りつくことになったのだ。
だがマチルダ嬢は希望に縋るほど非現実的な性格ではなかった。
このままでは本当に視力を失ってしまいます。
直ぐに治療すれば視力が戻るかもしれません」
皇太子の守護騎士と側近達は無力感と絶望感に囚われていた。
自分達の力が及ばなかったせいで皇太子殿下が失明してしまったのだ。
もし自分の目を差し出して皇太子の失明が治るのなら、この場で両目をえぐり出して差し出していただろう。
それほどの後悔と申し訳なさで胸が一杯だった。
「何をバカな事を言っている。
我々は何のためにここまで遠征してきたのだ。
我々は私利私欲のために遠征してきたのではないのだぞ。
色々とこの機会を利用したのは確かだが、一番の理由は民の為だぞ。
邪神が復活して民を害する事がないように、ここまで来たのではないか。
一番の敵を斃さずして撤退などできるか。
私を早く皇都に戻したいのなら、一日でも早く邪神教徒を討伐せよ」
皇太子の激を受けて騎士も徒士も戦士の誇りを取り戻した。
三魔と貴族軍と戦い、多くの死傷者を出し疲れ果てていたが、その場に座り込むのではなく、死力を尽くして立ち上がった。
三魔を失い王都魔法陣を破壊された邪神教徒だったが、リトラスト以下の幹部は邪神に奉納する力を横領していた。
普通騎士など一撃で斃せるほどの力を得ていた。
だが今回は相手が悪すぎた。
今回の相手は皇太子が視力を失った事に自責の念を感じていた守護騎士だった。
守護騎士達は皇太子の側を離れる事を拒んだが、皇太子が命令したのだ。
「私の前に邪神教徒の首を持ってこい」と。
「邪神教徒の首を前にしたら、目が見えるようになるかもしれない」と。
明らかな嘘であり挑発だった。
皇太子は今回の件で邪神教徒を強く警戒するようになっていた。
予測していた邪神教徒の力を大きく上方修正して戦術戦略を練り直していた。
普通に騎士や徒士に討伐させたら、とんでもない損害を受けると考えていた。
だが同時に、三魔を斃した守護騎士達なら勝てるだろうとも思っていた。
だから挑発するような事を口にして尖兵としたのだ。
守護騎士達にしても皇太子殿下の考えは分かっていた。
だから今度こそ護らなければいけない責任感から側を離れたくなかった。
だがわずかに、本当にわずかにだが、希望も持っていた。
皇太子殿下の失明が邪神教徒による呪いであった場合だ。
もし本当に呪いの所為で皇太子殿下が失明しているのなら、邪神教徒を皆殺しにしたら視力が回復するかもしれないという希望があった。
王城や王宮のどこかにある魔法陣を破壊したら、呪いが解けて皇太子殿下の視力が回復するかもしれないという、本当にわずかな希望に縋りつくことになったのだ。
だがマチルダ嬢は希望に縋るほど非現実的な性格ではなかった。
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