18 / 51
18 隣国の魔法使い
しおりを挟む
「第一王女に会う前に、可能であれば第二王女に会いたい。」
と、隣国の魔法使いリュウさんに言われて、私はそれを受け入れた。
******
「急なお願いを聞いていただき、ありがとうございます。俺は、隣国の魔法使い、リュウです。」
「私は…イーレン王国第二王女ブルーナ…です。」
リュウさんは、黒髪の黒色の瞳をしていて日本人っぽい感じがするからか……本人の持つ柔らかい感じのせいか、お姉様が手も足も出ない魔法使いの様には見えない程、“良いおじさん”と言う感じだ。
今、リュウさんと会っている場所は、王太子宮にあるお兄様の執務室。そして、ここに居るのはリュウさんとお兄様と私の3人だけだ。シルヴィは魔獣だから、私の部屋でお留守番をしている。
何を訊かれるのか─と、少し心配したりもしていたけど、私がこれ迄、お姉様にされた事を色々と訊かれただけだった。
何でも、魔法使いと言うのはほぼ無敵に近い存在で、その魔法使いが善良なら問題無いが、そうではない場合──お姉様の様に悪意ある行動をとる魔法使いを、同じ魔法使い同士で見張る、監視するようなルールを作る必要があるのでは?と言う話が、リュウさんを中心に進められていたそうだ。
「魔法使いと言うのは、扱いが難しいところだけど…でも、こうして、ブルーナ様の様な被害者が出たとなると…魔法使いを抱えている国は、もう放っておく事は出来なくなると思う。ブルーナ様も、ヒューゴ様が居たから助かっただけで……運が良かった……。」
リュウさんはニッコリ笑うと、私の頭をポンポンと優しく撫でてくれた。「あ、これは失礼しました。ついつい…クセで……」と、恥ずかしそうに謝りながら、手を離した。
ある程度の質問のやり取りが済むと、リュウさんが少し考えるそぶりをした後「ところで……ブルーナ様は、魔力無し……なんですよね?」と確認するかのように訊かれた。
「はい。魔力無しです。」
「うーん………」
「?」
何故か、リュウさんは、私をじっと見つめたまま腕を組んで呻りだした。あまりにも呻りが長くて……
ーえ?私…何かやらかした?ー
と内心焦りまくっている。嘘なんて…イーレンで療養していたと言う事以外はついていない。日本に居た─なんて事は、バレていない筈どころか、言ったとしても信じてもらえないだろうけど…。
「何だろう……うまく言えないけど……違和感があるんだよなぁ。あー…くっそ……─ルなら…絶対分かるんだろうなぁ……でもなぁ……──オルがなぁ……」
「「?????」」
リュウさんは、今度は何やらぶつぶつ呟きながら悶えだした。お兄様も私も、どうすれば良いのか分からず、そんなリュウさんを見ているだけだ。
「えっと…あの……リュウさん、大丈夫…ですか?その…私が、何かしてしまったんでしょうか?」
「え?あ、違います、すみま────あ?」
「“あ?”?」
と、今度はリュウさんは、私の胸元辺りに視線を向けたまま固まっている。
ー何かある?ー
と、胸元に手を当てると、そこには、服の内側に入れていた筈のセオ君から貰ったネックレスが、服から飛び出してしまっていた。
「あー…そのネックレス………少し……見せてもらっても?」
「これ…ですか?えっと……はい………」
セオ君曰く、この青色の石は、特別高価な物ではないと。いかに、色が瞳の色と似ているかが大事なだけだと。
ーえ?もしかして……物凄く珍しくて高価過ぎて…“プライスレス”的な物だったりする!?ー
首から外すその手が、プルプルと震えているのは気のせいだ。
「あ、それをどうこうする訳じゃないですから。本当に、ただただ、確認と言うか、見たいだけなので!絶対何もしませんから!」
「はい!」
今度は必死に言い訳をするリュウさん。そんな事は疑ってないけど─と思いながら、そのネックレスをリュウさんが差し出した左手に載せると、右手をそのネックレスの上にかざした。
「────やっぱりかぁ…………よし、これで……理由ができたし、─オも……」
さっきとは一転。今度はパッと明るい笑顔になったリュウさん。何とも…忙しい人だ。
「これ、お返ししますね。大切な物…ですよね?それは、肌身離さず身に着けていた方が良いですよ。」
ーバレてる?ー
私には無い色だから、誰かからの贈り物だと……バレバレなんだろうか…。それはそれで恥ずかしい。
私は、いそいそと、またそのネックレスを首に掛けた。
「ヒューゴ様、申し訳無いが……色々確認したい事があって…俺が誰よりも信頼している人を…呼んでも良いだろうか?その人に…ブルーナ様を視てもらいたいんです。」
「見てもらう?私を?」
「ハッキリとした理由は言えないけど…少し気になる事があって…。でも、無理強いはしません。嫌なら呼びませんから。」
「ブルーナはどうしたい?リュウ殿の言う通り、嫌なら嫌で良いよ。」
何が何だかよく分からないけど…何となく、本当に何となく……それを受け入れた方が良いと言う様な気がして
──
「はい、大丈夫です。」
と、その人に会う事を受け入れた。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
٩(。˃ ᵕ ˂ )و♪
と、隣国の魔法使いリュウさんに言われて、私はそれを受け入れた。
******
「急なお願いを聞いていただき、ありがとうございます。俺は、隣国の魔法使い、リュウです。」
「私は…イーレン王国第二王女ブルーナ…です。」
リュウさんは、黒髪の黒色の瞳をしていて日本人っぽい感じがするからか……本人の持つ柔らかい感じのせいか、お姉様が手も足も出ない魔法使いの様には見えない程、“良いおじさん”と言う感じだ。
今、リュウさんと会っている場所は、王太子宮にあるお兄様の執務室。そして、ここに居るのはリュウさんとお兄様と私の3人だけだ。シルヴィは魔獣だから、私の部屋でお留守番をしている。
何を訊かれるのか─と、少し心配したりもしていたけど、私がこれ迄、お姉様にされた事を色々と訊かれただけだった。
何でも、魔法使いと言うのはほぼ無敵に近い存在で、その魔法使いが善良なら問題無いが、そうではない場合──お姉様の様に悪意ある行動をとる魔法使いを、同じ魔法使い同士で見張る、監視するようなルールを作る必要があるのでは?と言う話が、リュウさんを中心に進められていたそうだ。
「魔法使いと言うのは、扱いが難しいところだけど…でも、こうして、ブルーナ様の様な被害者が出たとなると…魔法使いを抱えている国は、もう放っておく事は出来なくなると思う。ブルーナ様も、ヒューゴ様が居たから助かっただけで……運が良かった……。」
リュウさんはニッコリ笑うと、私の頭をポンポンと優しく撫でてくれた。「あ、これは失礼しました。ついつい…クセで……」と、恥ずかしそうに謝りながら、手を離した。
ある程度の質問のやり取りが済むと、リュウさんが少し考えるそぶりをした後「ところで……ブルーナ様は、魔力無し……なんですよね?」と確認するかのように訊かれた。
「はい。魔力無しです。」
「うーん………」
「?」
何故か、リュウさんは、私をじっと見つめたまま腕を組んで呻りだした。あまりにも呻りが長くて……
ーえ?私…何かやらかした?ー
と内心焦りまくっている。嘘なんて…イーレンで療養していたと言う事以外はついていない。日本に居た─なんて事は、バレていない筈どころか、言ったとしても信じてもらえないだろうけど…。
「何だろう……うまく言えないけど……違和感があるんだよなぁ。あー…くっそ……─ルなら…絶対分かるんだろうなぁ……でもなぁ……──オルがなぁ……」
「「?????」」
リュウさんは、今度は何やらぶつぶつ呟きながら悶えだした。お兄様も私も、どうすれば良いのか分からず、そんなリュウさんを見ているだけだ。
「えっと…あの……リュウさん、大丈夫…ですか?その…私が、何かしてしまったんでしょうか?」
「え?あ、違います、すみま────あ?」
「“あ?”?」
と、今度はリュウさんは、私の胸元辺りに視線を向けたまま固まっている。
ー何かある?ー
と、胸元に手を当てると、そこには、服の内側に入れていた筈のセオ君から貰ったネックレスが、服から飛び出してしまっていた。
「あー…そのネックレス………少し……見せてもらっても?」
「これ…ですか?えっと……はい………」
セオ君曰く、この青色の石は、特別高価な物ではないと。いかに、色が瞳の色と似ているかが大事なだけだと。
ーえ?もしかして……物凄く珍しくて高価過ぎて…“プライスレス”的な物だったりする!?ー
首から外すその手が、プルプルと震えているのは気のせいだ。
「あ、それをどうこうする訳じゃないですから。本当に、ただただ、確認と言うか、見たいだけなので!絶対何もしませんから!」
「はい!」
今度は必死に言い訳をするリュウさん。そんな事は疑ってないけど─と思いながら、そのネックレスをリュウさんが差し出した左手に載せると、右手をそのネックレスの上にかざした。
「────やっぱりかぁ…………よし、これで……理由ができたし、─オも……」
さっきとは一転。今度はパッと明るい笑顔になったリュウさん。何とも…忙しい人だ。
「これ、お返ししますね。大切な物…ですよね?それは、肌身離さず身に着けていた方が良いですよ。」
ーバレてる?ー
私には無い色だから、誰かからの贈り物だと……バレバレなんだろうか…。それはそれで恥ずかしい。
私は、いそいそと、またそのネックレスを首に掛けた。
「ヒューゴ様、申し訳無いが……色々確認したい事があって…俺が誰よりも信頼している人を…呼んでも良いだろうか?その人に…ブルーナ様を視てもらいたいんです。」
「見てもらう?私を?」
「ハッキリとした理由は言えないけど…少し気になる事があって…。でも、無理強いはしません。嫌なら呼びませんから。」
「ブルーナはどうしたい?リュウ殿の言う通り、嫌なら嫌で良いよ。」
何が何だかよく分からないけど…何となく、本当に何となく……それを受け入れた方が良いと言う様な気がして
──
「はい、大丈夫です。」
と、その人に会う事を受け入れた。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
٩(。˃ ᵕ ˂ )و♪
127
あなたにおすすめの小説
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
母を亡くした公爵令嬢は、虐げられないが、今日も願いが叶わない
春風由実
恋愛
「何故お前が生きた?」
それは怪我をして長く眠っていたエルリカが、目覚めた直後に父親である公爵から掛けられた言葉だった。
「お前こそが、女神の元に行くべきだった!」
父親から強い口調で詰られたエルリカ。
普通の令嬢は、ここで泣くか、その後立ち直れなくなるという。
けれどエルリカは違った。
「あなたこそ、何をのうのうと元気にしているのですか?」
そうしてこの日父娘は、それぞれに絶縁を宣言した。
以来、母方の祖父母に引き取られ、侯爵領で過ごしてきたエルリカ。
ところが公爵は、いつまでもエルリカを除籍する手続きを実行しなかった。
おかげで名ばかりの公爵令嬢のまま、エルリカが王都へと戻る日がやって来てしまう──。
そんな世界なら滅んでしまえ
キマイラ
恋愛
魔王を倒す勇者パーティーの聖女に選ばれた私は前世の記憶を取り戻した。貞操観念の厳しいこの世界でパーティーの全員と交合せよだなんてありえないことを言われてしまったが絶対お断りである。私が役目をほうきしたくらいで滅ぶ世界なら滅んでしまえばよいのでは?
そんなわけで私は魔王に庇護を求めるべく魔界へと旅立った。
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる