幼馴染と仲良くし過ぎている婚約者とは婚約破棄したい!

ルイス

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4話 ヨハン王子殿下 その1

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 リグリット様の幼馴染はアミーナ・ファルス伯爵令嬢だ。

 それと同じように私にも幼馴染と呼べる相手は存在していた。でも、彼は王家の人間だったので、なかなか会えなくなってしまったのだ。でも、こうして……現在こうして、目の前に立っている。

 タイミングなどを考えると、信じられないという思いが強くなっていた。私の幼馴染の相手は、ヨハン・ダイダロス第二王子殿下だ。年齢は私やリグリット様と同じく18歳だった。


「ヨハン王子殿下……」

「久しぶりの幼馴染の顔を忘れてしまったか? それはそれで、ショックなんだが……」


 ヨハン様は私の素っ気ない態度に違和感を覚えたのか、私の顔の前で手を大きく振っている。ヨハン様なりの冗談の動きだ。昔もよく行っていた。


「いえ、覚えております。ただ、こうして再会できたことが信じられなくて」

「同じ王国内に住んでいるんだから、再会することは可能だろう?」

 確かにその通りだ。私はどうかしている。せっかくのヨハン様との再会を、リグリット様とアミーナ様の再会とに掛け合わせてしまうなんて。

「どうしたんだ? 本当に元気がないようだが?」

「いえ、そんなことありません。ヨハン様、お久しぶりでございます。ご成長なされた様子で……エレナはとても嬉しく思っております」

「ははは、面白い挨拶だな。君は私の教育係か?」

「あの頃は教育係的なことをしていたように思いますが?」

「懐かしいな。確かにそんな頃もあったか」

「はい、ありましたね」


 ヨハン様との関係は何年も前に遡る。当時はお互い、得意な分野で教え合いのようなことをしていた。私はその時のことを思い出していたけれど、ヨハン様も覚えているようだ。

 本当に懐かしい日々だ、そして楽しい日々でもあった。リグリット様との一件があったからか、私はより一層その時のことを考えてしまっている。一種の現実逃避なのかもしれない。

「ヨハン王子殿下。屋敷内にお招きしてもよろしいでしょうか? いつまでも入口では失礼に当たるかと存じますので」

「ありがとう、エレナ。それではお言葉に甘えさせてもらおうかな」

「はい、畏まりました。それではお入りくださいませ」

「ああ、失礼する」


 私はきりの良いところで会話を中断させると、ヨハン様をランカスター家の屋敷内に案内することにした。侯爵家の屋敷とはいえ、第二王子殿下を招き入れるなんて、早々あることではない。

 私は幼馴染を招き入れているだけとはいえ、少しだけ緊張をしていた。久しぶりに会ったことが原因かもしれない。
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