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4.地下壕(ちかごう)探検
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百番地は三角州の先っぽだったところで、大川と南小川に挟まれている。その二つの川の土手沿いには、何本かの大きなクスノキが植わっている。土手がくずれないように昔の人が植えたらしい。その中で一番大きな一本が、ちょうど三角州の先端に立っている。でんと構えたそのクスノキは横にぐんと枝を広げ、いっぱい葉っぱをつけているから、一本だけでもまるで森のようだ。
百番地の街路樹には、ひょろんと高いポプラの木が多い。海軍の官舎だった時代にはサクラやマツが多かったそうだ。でも進駐軍が来たときに、ほとんどがポプラに植え替えられた。見張り台から見たら、町はずれの巨大なクスノキに向かって、そのひょろっこいポプラ並木が、兵隊みたいに隊列を組んで行進しているように見える。
ポプラの葉っぱは、秋になると濃い黄色になって、やがてすべての葉っぱがバッサリ地面に落ちる。あたり一面が黄色い落ち葉だらけになって、母親たちがいまいましそうに竹ぼうきでかき集める。でも、子どもたちにとってこれほどありがたいおもちゃはない。ポプラの枝は細長くて、ちょうどよくしなっているので、チャンバラにはつごうがいいのだ。
ある日、ユーイチとコウちゃんはポプラの刀を腰に差して、地下壕の探検をした。
地下壕とは、戦争中、空襲にそなえてつくられた避難所だ。百番地にはいくつもの地下壕が残っていて、今はだいたいが物置きに使われている。ほとんどは、進駐軍の人たちが残した空き箱や、新聞、雑誌、空ビンなどの不要品ばかりだ。中に、ローマ字で書かれた絵入りのカードだの、まだ使えそうなピンポン球やラケットやローラースケートなんかもあって、子どもたちには人気の宝探しの場所になっている。
時々、見たことのないおじさんがリヤカーを引いてやってきて、ごっそり積んで持って行く。古具屋といって、人の家の玄関先に置いてあるガラクタを持っていくらしい。おかねになりそうな物なら何でも持って行くんだそうだ。空き家にだって、特に古クギや銅線などの金物を探しに入るらしい。
コウちゃんとユーイチは、この間地下壕の中でガラクタの山をくぐり抜け、その奥に小さな四角い穴を見つけた。その入り口は、窓わくだけが残ってガラスの破片が散乱している。板をはって通れないようにしていたんだろうけど、それも押し破られて何の役にもたたなかったみたいだ。
その四角い穴の先は、子どもなら腹ばいでくぐって通れるくらいの通路になっていた。コウちゃんは用意してきた懐中電灯をつけて、腹ばいで両ひじを動かしながら前に進む。ほふく前進だ。ユーイチも恐る恐るついて行く。周りはセメントで固めた長い長いほら穴だ。少し進むと、腕を伸ばして四つん這いになっても、何とか動ける広さになった。所々に空気穴のような、子どものげんこなら突っ込めそうな、小さな穴が空いていた。そこから外の明かりが入ってくるから、そんなに暗くはない。懐中電灯なんか必要ないくらい、穴の中の様子はよく見えた。ただ、床にチョークの粉のようなものがたくさん積もっていて、ユーイチたちが足を動かすたびに一面に舞い上がる。
もう目の前は真っ白だ。そんな中でコウちゃんが時々「ギャー」とか「ウワッ」とか叫ぶ。ユーイチが「なにっ!えっ、なに?」とおびえた声で返事をする。だからコウちゃんは面白がってたびたび繰り返して叫ぶ。「ギャー」「えっ、なに?」「ワアーッ!」地下壕の中で二人の声が大反響だ。
突然コウちゃんが足を止めた。
「ちょっと待てっ!なんか、ポタッポタッ、音がせんか?」
「うん!ポタッポタッて音がする。水の落ちとるみたいな音じゃ」
はっきり聞こえた。水が落ちている!
「でもよぉ、今まで地面がぬれたところなんか一つもありゃせんかったよなぁー?」
「エーッ!」
そうだったぞ。確かにそうだぞ。床はカラカラの白い粉だらけだったんだ。
それなら、あの音はいったいなんなのだ?ポタッ、ポタッ、あれは間違いなく水てきの音だ。
ユーイチはますます怖くなってきた。
「水でびしょ濡れのユーレイでもいるんかなあ?」
ひょっとして向こうにため池でもあって、突然カベがくずれてドドッと水があふれだしてくるんじゃなかろうか。
カベには、子どものいたずら書きみたいな絵があちこちに描かれている。マンガに出てきそうなネズミやネコの絵とか、ロボットや宇宙船みたいな絵もある。ローマ字のような文字もあるから、たぶん進駐軍にもユーイチたちと同じような子どもがいて、同じような探検をしたに違いない。
「こりゃあ悪魔の呪文みたいじゃあないか。呪いでもかけたんか?」
読めもしないローマ字をみて、コウちゃんが言った。
「うん、この呪文を読んだら、カベのどこかが開くようになってるのかもしれん。読んでみようか」
ユーイチは知ったかぶりをして、でたらめに呪文を読んでみた。
「コウちゃん、ええか。ガランガラガラポタポタポッタ!」
当たり前だけど、周りのカベは動かない。
「ポタポタポッタァッ!アクリョォータイサーン!」
大きい声で言ったけど、まったく何にもおこらない。
少しずつ動きながら、穴倉の中は二人の奇声の上げあいになった。ふと、前の方が明るくなって、上から人の話し声が聞こえてきた。そこは行き止まりになっていて、上に鉄格子のふたがある。持ち上げてみるとあっけなくはずれた。
穴から地上に生還だ。まぶしくて目がクラクラした。
「わあ、あんたたちどこから出てきたん?」
目の前にケイコちゃんがいた。
「地面の下から変てこな笑い声がすると思うたら」
「地底人でもいるんかなと思ってたらユーイチくんじゃったんね」
トモコちゃんも一緒だった。急に明るい所に出たものだから、二人の顔がまぶしくてよく見えなかった。でも、その後ろには見張り台がよく見えていた。
「目がくらんでなんにも見えん。おまえらこそ光の中の宇宙人じゃ」
地下壕はアイジエンの中庭につながっていたんだ。
「思うたより短い探検じゃったのう」
「体じゅうがほこりだらけじゃないかね!どうやったらこんなに白くなるん?」
トモコちゃんは両手で背中をはたいてくれた。コウちゃんもユーイチもほこりで真っ白けだ。お互いのほこりだらけの姿を見て大笑いした。
「うわあ、ここではたいたら、ウチらまでほこりだらけになるじゃないの!」
ケイコちゃんも文句を言いながら、一緒にはたいてくれる。
「ここの地下にはのォ、恐ろしい顔をしたアクリョーがいっぱいおるんぞオォ!」
コウちゃんがそう言ったら、
「やめてよぉ!今夜から眠れんようになるじゃろ」
と、いつもは気の強いケイコちゃんがぶるぶる震えて怖がった。
コウちゃんもユーイチもトモコちゃんもみんなで大笑いした。
「あらっ、あんたたちどこから入ってきたんかね?」
えん側から園長さんが顔を出した。アイジエンで一番えらい人だ。園長さんは背たけも体重も百番地で一番の大女で、いつも怖い顔をしている。だから、百番地の子どもたちはマジョばあさんと呼んで怖がっている。見たところ大人だって園長さんにはさからえないみたいだ。
何にも言えないでいると、
「この子ら、ここの穴から出てきたんよ。あっちの物置き倉庫から地下を探検してきたんじゃと」
ケイコちゃんが助け船をだしてくれた。
「あの穴をずーっと進んだら地球の裏側まで行けるんじゃないかと思うたんじゃ」
「えっ、コウちゃんそんなこと思うとったんか」
初めて聞いた。ユーイチは宝探しくらいに思ってたんだ。
「そりゃあ、いいね。あの穴からどっか遠くに行けるんじゃったら、うちも入ってみたい」
そう言うケイコちゃんもどこかへ行ってみたいんだ。
「ほうかね。まだつながってたんじゃねえ。もうずっと前に入れんようにしたはずなんじゃが」
園長さんは笑ってそう言った。
「まあまあ、こんなによごれてしもうて、大変なわんぱくじゃねえ。ちょっと待っとりんさい」
いつも怖いマジョばあさんは意外とやさしい人だったのだ。顔以外は・・・
心のやさしいマジョばあさんは、中からお湯でぬらしたタオルを持ってきて、コウちゃんとユーイチの顔や手足を、しっかりぬぐってくれた。それからお菓子皿にいっぱいのせんべいを持ってきて、えん側に座らせて食べさせてくれた。
「いいかね、ケイコちゃんの友だちならいつ来たっていいんよ。でも、必ず玄関で名前を言ってから入ってちょうだいね。地面の下から黙ってよその家に入っちゃいけんのよ」
えん側に座って子どもたちの遊ぶ姿を見ている園長さんは、子どもにやさしいふつうのおばあちゃんだった。
帰りぎわに、たくさんのせんべいを紙に包んで渡してくれた。歩きながらコウちゃんが、
「うちの母ちゃんはあそこに遊びに行っちゃあいかん言うし、このせんべいおまえにやる」
「えっ!うちの母さんも怒るかもしれんし」
「そうじゃ。そこの土管の中で食べてしまおうや」
ユーイチたちは、水道局の土管の中で紙包みを広げて食べることにした。もっとも、そこで出くわした六年生の双子の寛太と健太が、
「おばさんちゅうのは見た目じゃわからん。気のええマジョばあさんやないか」と言いながら、ほとんどを食べてしまった。
コウちゃんがポツンといった。
「何でアイジエンに行っちゃあいかんのじゃろ」
ユーイチにもよく分からない。分からんけど、なんかの都合でそういうことになっとるんじゃろう・・・
アイジエンの向こうの見張り台から赤い光が見えていた。
百番地の街路樹には、ひょろんと高いポプラの木が多い。海軍の官舎だった時代にはサクラやマツが多かったそうだ。でも進駐軍が来たときに、ほとんどがポプラに植え替えられた。見張り台から見たら、町はずれの巨大なクスノキに向かって、そのひょろっこいポプラ並木が、兵隊みたいに隊列を組んで行進しているように見える。
ポプラの葉っぱは、秋になると濃い黄色になって、やがてすべての葉っぱがバッサリ地面に落ちる。あたり一面が黄色い落ち葉だらけになって、母親たちがいまいましそうに竹ぼうきでかき集める。でも、子どもたちにとってこれほどありがたいおもちゃはない。ポプラの枝は細長くて、ちょうどよくしなっているので、チャンバラにはつごうがいいのだ。
ある日、ユーイチとコウちゃんはポプラの刀を腰に差して、地下壕の探検をした。
地下壕とは、戦争中、空襲にそなえてつくられた避難所だ。百番地にはいくつもの地下壕が残っていて、今はだいたいが物置きに使われている。ほとんどは、進駐軍の人たちが残した空き箱や、新聞、雑誌、空ビンなどの不要品ばかりだ。中に、ローマ字で書かれた絵入りのカードだの、まだ使えそうなピンポン球やラケットやローラースケートなんかもあって、子どもたちには人気の宝探しの場所になっている。
時々、見たことのないおじさんがリヤカーを引いてやってきて、ごっそり積んで持って行く。古具屋といって、人の家の玄関先に置いてあるガラクタを持っていくらしい。おかねになりそうな物なら何でも持って行くんだそうだ。空き家にだって、特に古クギや銅線などの金物を探しに入るらしい。
コウちゃんとユーイチは、この間地下壕の中でガラクタの山をくぐり抜け、その奥に小さな四角い穴を見つけた。その入り口は、窓わくだけが残ってガラスの破片が散乱している。板をはって通れないようにしていたんだろうけど、それも押し破られて何の役にもたたなかったみたいだ。
その四角い穴の先は、子どもなら腹ばいでくぐって通れるくらいの通路になっていた。コウちゃんは用意してきた懐中電灯をつけて、腹ばいで両ひじを動かしながら前に進む。ほふく前進だ。ユーイチも恐る恐るついて行く。周りはセメントで固めた長い長いほら穴だ。少し進むと、腕を伸ばして四つん這いになっても、何とか動ける広さになった。所々に空気穴のような、子どものげんこなら突っ込めそうな、小さな穴が空いていた。そこから外の明かりが入ってくるから、そんなに暗くはない。懐中電灯なんか必要ないくらい、穴の中の様子はよく見えた。ただ、床にチョークの粉のようなものがたくさん積もっていて、ユーイチたちが足を動かすたびに一面に舞い上がる。
もう目の前は真っ白だ。そんな中でコウちゃんが時々「ギャー」とか「ウワッ」とか叫ぶ。ユーイチが「なにっ!えっ、なに?」とおびえた声で返事をする。だからコウちゃんは面白がってたびたび繰り返して叫ぶ。「ギャー」「えっ、なに?」「ワアーッ!」地下壕の中で二人の声が大反響だ。
突然コウちゃんが足を止めた。
「ちょっと待てっ!なんか、ポタッポタッ、音がせんか?」
「うん!ポタッポタッて音がする。水の落ちとるみたいな音じゃ」
はっきり聞こえた。水が落ちている!
「でもよぉ、今まで地面がぬれたところなんか一つもありゃせんかったよなぁー?」
「エーッ!」
そうだったぞ。確かにそうだぞ。床はカラカラの白い粉だらけだったんだ。
それなら、あの音はいったいなんなのだ?ポタッ、ポタッ、あれは間違いなく水てきの音だ。
ユーイチはますます怖くなってきた。
「水でびしょ濡れのユーレイでもいるんかなあ?」
ひょっとして向こうにため池でもあって、突然カベがくずれてドドッと水があふれだしてくるんじゃなかろうか。
カベには、子どものいたずら書きみたいな絵があちこちに描かれている。マンガに出てきそうなネズミやネコの絵とか、ロボットや宇宙船みたいな絵もある。ローマ字のような文字もあるから、たぶん進駐軍にもユーイチたちと同じような子どもがいて、同じような探検をしたに違いない。
「こりゃあ悪魔の呪文みたいじゃあないか。呪いでもかけたんか?」
読めもしないローマ字をみて、コウちゃんが言った。
「うん、この呪文を読んだら、カベのどこかが開くようになってるのかもしれん。読んでみようか」
ユーイチは知ったかぶりをして、でたらめに呪文を読んでみた。
「コウちゃん、ええか。ガランガラガラポタポタポッタ!」
当たり前だけど、周りのカベは動かない。
「ポタポタポッタァッ!アクリョォータイサーン!」
大きい声で言ったけど、まったく何にもおこらない。
少しずつ動きながら、穴倉の中は二人の奇声の上げあいになった。ふと、前の方が明るくなって、上から人の話し声が聞こえてきた。そこは行き止まりになっていて、上に鉄格子のふたがある。持ち上げてみるとあっけなくはずれた。
穴から地上に生還だ。まぶしくて目がクラクラした。
「わあ、あんたたちどこから出てきたん?」
目の前にケイコちゃんがいた。
「地面の下から変てこな笑い声がすると思うたら」
「地底人でもいるんかなと思ってたらユーイチくんじゃったんね」
トモコちゃんも一緒だった。急に明るい所に出たものだから、二人の顔がまぶしくてよく見えなかった。でも、その後ろには見張り台がよく見えていた。
「目がくらんでなんにも見えん。おまえらこそ光の中の宇宙人じゃ」
地下壕はアイジエンの中庭につながっていたんだ。
「思うたより短い探検じゃったのう」
「体じゅうがほこりだらけじゃないかね!どうやったらこんなに白くなるん?」
トモコちゃんは両手で背中をはたいてくれた。コウちゃんもユーイチもほこりで真っ白けだ。お互いのほこりだらけの姿を見て大笑いした。
「うわあ、ここではたいたら、ウチらまでほこりだらけになるじゃないの!」
ケイコちゃんも文句を言いながら、一緒にはたいてくれる。
「ここの地下にはのォ、恐ろしい顔をしたアクリョーがいっぱいおるんぞオォ!」
コウちゃんがそう言ったら、
「やめてよぉ!今夜から眠れんようになるじゃろ」
と、いつもは気の強いケイコちゃんがぶるぶる震えて怖がった。
コウちゃんもユーイチもトモコちゃんもみんなで大笑いした。
「あらっ、あんたたちどこから入ってきたんかね?」
えん側から園長さんが顔を出した。アイジエンで一番えらい人だ。園長さんは背たけも体重も百番地で一番の大女で、いつも怖い顔をしている。だから、百番地の子どもたちはマジョばあさんと呼んで怖がっている。見たところ大人だって園長さんにはさからえないみたいだ。
何にも言えないでいると、
「この子ら、ここの穴から出てきたんよ。あっちの物置き倉庫から地下を探検してきたんじゃと」
ケイコちゃんが助け船をだしてくれた。
「あの穴をずーっと進んだら地球の裏側まで行けるんじゃないかと思うたんじゃ」
「えっ、コウちゃんそんなこと思うとったんか」
初めて聞いた。ユーイチは宝探しくらいに思ってたんだ。
「そりゃあ、いいね。あの穴からどっか遠くに行けるんじゃったら、うちも入ってみたい」
そう言うケイコちゃんもどこかへ行ってみたいんだ。
「ほうかね。まだつながってたんじゃねえ。もうずっと前に入れんようにしたはずなんじゃが」
園長さんは笑ってそう言った。
「まあまあ、こんなによごれてしもうて、大変なわんぱくじゃねえ。ちょっと待っとりんさい」
いつも怖いマジョばあさんは意外とやさしい人だったのだ。顔以外は・・・
心のやさしいマジョばあさんは、中からお湯でぬらしたタオルを持ってきて、コウちゃんとユーイチの顔や手足を、しっかりぬぐってくれた。それからお菓子皿にいっぱいのせんべいを持ってきて、えん側に座らせて食べさせてくれた。
「いいかね、ケイコちゃんの友だちならいつ来たっていいんよ。でも、必ず玄関で名前を言ってから入ってちょうだいね。地面の下から黙ってよその家に入っちゃいけんのよ」
えん側に座って子どもたちの遊ぶ姿を見ている園長さんは、子どもにやさしいふつうのおばあちゃんだった。
帰りぎわに、たくさんのせんべいを紙に包んで渡してくれた。歩きながらコウちゃんが、
「うちの母ちゃんはあそこに遊びに行っちゃあいかん言うし、このせんべいおまえにやる」
「えっ!うちの母さんも怒るかもしれんし」
「そうじゃ。そこの土管の中で食べてしまおうや」
ユーイチたちは、水道局の土管の中で紙包みを広げて食べることにした。もっとも、そこで出くわした六年生の双子の寛太と健太が、
「おばさんちゅうのは見た目じゃわからん。気のええマジョばあさんやないか」と言いながら、ほとんどを食べてしまった。
コウちゃんがポツンといった。
「何でアイジエンに行っちゃあいかんのじゃろ」
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