23 / 36
第23話:イライラが止まらない~オスカー視点~
しおりを挟む
アメリアと事実上の婚約を結んだ後は、全てが順調だった。学院内はもちろん、社交界でも有名なおしどりカップルになった。
そして、婚約を正式に結び直すまで後1ヶ月に迫ったある日。アメリアが陛下に呼ばれたから、週末王宮に行く事になったと言い出した。
陛下と言えば、19歳と言う若さで国王になった人物。21歳になった今も、人望も厚く温厚で王妃を物凄く大切にしていると聞く。そんな陛下が、アメリアに何の用があると言うんだ?
とにかく、心配だから僕も付いて行こう。そう思い、週末アメリアの家に向かった。もちろん、陛下に無礼の無いよう、しっかり正装もしている。
それなのに伯爵から
「今回は私とアメリアが陛下に呼ばれているのだ。オスカーは陛下に呼ばれていないのだから、連れていく事は出来ないよ」
そう言ったのだ。ふざけるな!僕はアメリアの婚約者だ!どうしてアメリアと一緒に行けないんだ。当然納得できる訳がない。
伯爵と言い争っていると、アメリアがやって来た。黄色のドレスに身を包んだアメリアは、見とれてしまう程美しい。やっぱり王宮なんかにアメリアを連れて行きたくない!もし連れて行くにしても、僕の側から離れない様に、しっかり見張らないと!
そんな僕の思いとは裏腹に、伯爵は
「王宮には連れて行けない!」
の一点張りだ。そうは言っても、馬車に乗ってしまえばこちらのものだ!そう思っていたのだが…
父上と兄上がやって来た。また面倒な奴らがやって来たぞ。
「オスカー!お前は何を考えているのだ!すまん、伯爵。このバカは連れて帰るから、早く王宮に向かってくれ」
父上が僕を怒鳴りつけるとともに、伯爵に早く行けと促している。そうはさせるか!アメリアを1人で王宮になんて行かせられない、そんな思いから必死に抵抗するが、護衛騎士4人がかりで馬車へと放り込まれた。
家に着いてすぐ、父上にまた怒鳴られた。
「オスカー、お前は一体何を考えているんだ!今回は陛下から直々に呼ばれているのだぞ。そんなところにお前まで行ったらどうなるかぐらい、お前でも分かるだろう!」
「陛下は温厚な方だから、僕が行っても何も言わないよ!それなのに、父上が邪魔をしたから!アメリアに何かあったらどうするんだ!」
「何かなんてある訳がないだろう!とにかく、お前は今から騎士団の稽古でも行っていろ!テオ、悪いがこのバカを騎士団の稽古場に放り込んできてくれるかい?」
さっきから僕の事をバカバカって、これでも貴族学院には首席で入学しているんだ!本当に失礼な父上だ!それよりもアメリアが心配だ!あの伯爵では、アメリアを守り切れないだろう!
そんな僕の気持ちとは裏腹に、騎士団の稽古場へと連れて来た兄上。僕が途中で抜けださない様に、直々に騎士団長に依頼までしている。兄上め!
「何があったかは知らないが、とにかくテオから頼まれたから、今日は俺が直々にお前に稽古を付けてやるよ!」
なるほど、団長自ら僕に稽古を付ける事で、僕が稽古場を抜け出せない様にするつもりだな。周りからは、同情の眼差しが向けられている。
そう、この団長は厳しいと有名なんだ。でも、気は紛れるかもしれないな。早速団長が僕に稽古を付けてくれた。
それにしても、やっぱり厳しいな…
「どうした?オスカー。もう終わりか?」
「ハーハー、まだ終わりの訳がないでしょう」
「そうだよな。そう来ないとつまらないよな」
再び団長に向かって行くが、とにかくこの男、本当に人間か?と思う程強い。それでも僕も騎士団から期待されている身だ。そもそも、こんな男に負けていては、アメリアを守れない。
とにかく、必死に剣を振るった。
「オスカー、やっぱりお前は強いな。今日は楽しかったよ!さすがに疲れただろう、ゆっくり休めよ」
稽古が終わり、僕にねぎらいの言葉をかけてくれる団長。ゆっくりなんて休んではいられない。急いで家に帰り、汗を洗い流すとすぐにアメリアの家へと向かう準備をする。
「待て、オスカー。私も一緒に行こう」
ゲッ、父上も一緒に来るのか。
「そんなに嫌そうな顔をするな。ほら、行くぞ」
父上に促され、馬車へと乗り込んだ。さすがにもう帰って来ているだろう。そう思ったのだが、まさかのまだ帰ってきていないとの事。
アメリアの奴、こんな時間まで一体王宮で何をしているんだ!とりあえず伯爵家で待たせてもらう事になったが、僕のイライラは時間と共に増していく。もう我慢できない!
父上の制止を振り切って、外で待つことにした。随分と暗くなってきたぞ!こんな時間まで帰ってこないなんて!
その時だった。伯爵家の馬車がこちらに向かって走って来るのが見えた。やっと帰って来た!久しぶりに会うアメリアを、力いっぱいギューギュー抱きしめた。少し強く抱きしめすぎた様で、ぐったりとしてしまったアメリア。しまった、つい力を入れすぎた。
気を取り直し、伯爵に促され玄関に入ったのだが、朝と服が違う事に気が付いた。一体どういう事だ!なんで服が変わっているんだ!体中から怒りが込み上げてきて、ついアメリアに強く問いただしてしまった。
余程僕が怖かったのか、泣き出してしまった。泣いたって、許さないんだからな!そんな僕をなだめ、居間へと連れて行ったのは父上だ。2人でソファに並んで座る。
アメリアの両親とウォルトも加わり、今日なぜアメリアが陛下に呼ばれたのか伯爵が説明していった。
伯爵の話では、なんとアメリアが商船で旅に出た時に出会った男が、実はパッショナル王国の第三王子で、わざわざアメリアに会いに来たとの事。さらに、その王子の案内役をアメリアがする事になったという事。既に今日、2人で街を楽しんだと言う、あまりにもふざけた内容だったのだ。
僕の怒りが一気に爆発した!ふざけるな!どう考えてもその第三王子はアメリアを狙っているじゃないか!そんな男とアメリアを2人きりで街に出すなんて!そもそも、どうしてアメリアは、そいつと2人きりで街に出掛けたんだ!僕という婚約者がいると言うのに。
そう思ったら、自分を押さえる事が出来なくなっていた。そんな僕を、伯爵と父上が必死になだめる。確かに陛下の命令に逆らえなかったというのは理解できる。
頭では分かっていても、どうしても怒りが抑えられないのだ。それでも何とか怒りに震える体を落ち着かせた。これからは二度とこんな事が無いよう、アメリアをもっと厳しく監視しよう!心の中でそう強く誓ったところで、父上が一緒に帰る様促して来た。
とにかく今は1秒だってアメリアと離れたくはない。そんな思いから今日は伯爵家に泊ると伝えたのだが、父上も伯爵も猛反対だ。
挙句の果てに、“ウォルトと寝るならいい”なんて言い出す始末。どうして僕がウォルトなんかと一緒に寝なきゃいけないんだ!気持ち悪い!
結局丸め込まれ、侯爵家に帰る事になったのだが、どうしてもイライラが収まらない。
そのため、帰り際アメリアの耳元で
「今回の事、許した訳じゃないからね。その事は覚えておくんだよ」
そう呟いておいた。
真っ青な顔をして、急いで僕に口付けをするアメリア。やっぱりアメリアは素直で可愛い!でも、まだ許せないけれどね…
その日は大人しく帰ったものの、翌日朝早くに伯爵家へと向かった。少しでも早くアメリアに会いたいからだ。
予想通り“お嬢様はまだお休み中です”と告げるメイド。
「それなら僕が起してあげるよ」
そうメイドに伝えると、真っすぐにアメリアの部屋へと向かった。
「オスカー様、それはいけません!どうか居間でお待ちください」
必死に僕を止めるメイドたち。そんなメイドたちを振り切ってアメリアの部屋に入った。スヤスヤ眠るアメリア。寝顔も可愛いな…
そう言えば、寝顔を見るのはアメリアを森に置いて来た以来だな。
「アメリア、そろそろ起きようか?」
そう声を掛け、唇を塞ぐ。ゆっくりと目を開けるアメリア。
何を思ったのか、悲鳴を上げた。婚約者に向かって悲鳴を上げるなんて、さすがに失礼だぞ!
「どうしてオスカー様が、私の部屋にいるのですか?」
そう呟いたアメリアは、かなり動揺している様で、目をかなり大きく見開いている。どうして部屋にいるかって?そんなもの、婚約者だからに決まっているだろう!そうアメリアに伝えた。そうそう、僕がまだ怒っている事も伝えておいた。見る見る顔色が悪くなるアメリア。本当に分かりやすい性格をしているな。
アメリアに再び口付けをしようと思った時、アメリアの両親とウォルトが入って来た。珍しく顔を真っ赤にして怒っている伯爵と口論をしているうちに、またしても父上と兄上がやって来た。
婚約者の部屋に入ったぐらいで、どいつもこいつも騒ぎすぎだ!そう思っていたのだが…
「オスカー、しばらく伯爵家への出入りを禁ずる」
怒り狂った伯爵に、出入り禁止を告げられたのだ!
「ふざけるな!どうして婚約者の部屋に入ったくらいで、出禁にされないといけないんだ!」
「当たり前だ!とにかく、しばらくは我が家に入れないから、そのつもりで」
そうはっきりと告げられた。さらに、婚約を結び直す事も考えるとまで言い出したのだ!こいつら、何を考えているんだ!体中から怒りが込み上げる。そんな僕を、またしても護衛騎士共が馬車へと押し込んだ。
屋敷に着くと、すぐに居間へと連行された。
「オスカー!いい加減にしろ!このままだと本当にアメリアとの婚約が白紙に戻ってしまうぞ!それでもいいのか?」
顔を真っ赤にして怒る父上。その後兄上と一緒にギャーギャーと1時間近く、僕に説教を垂れた。
「今日1日部屋で反省していろ!」
最後には部屋に閉じ込められた。ご丁寧に部屋の外側から鍵まで掛け、さらに外には4人の護衛騎士まで待機している。
僕が出られないなら、アメリアに来てもらうまでだ。早速通信機を使い、アメリアを呼び寄せた。さすがにアメリアが来たとあって、僕も部屋から解放された。
心優しいアメリア、どんなライバルが現れても絶対に渡すつもりは無いからね!
そして、婚約を正式に結び直すまで後1ヶ月に迫ったある日。アメリアが陛下に呼ばれたから、週末王宮に行く事になったと言い出した。
陛下と言えば、19歳と言う若さで国王になった人物。21歳になった今も、人望も厚く温厚で王妃を物凄く大切にしていると聞く。そんな陛下が、アメリアに何の用があると言うんだ?
とにかく、心配だから僕も付いて行こう。そう思い、週末アメリアの家に向かった。もちろん、陛下に無礼の無いよう、しっかり正装もしている。
それなのに伯爵から
「今回は私とアメリアが陛下に呼ばれているのだ。オスカーは陛下に呼ばれていないのだから、連れていく事は出来ないよ」
そう言ったのだ。ふざけるな!僕はアメリアの婚約者だ!どうしてアメリアと一緒に行けないんだ。当然納得できる訳がない。
伯爵と言い争っていると、アメリアがやって来た。黄色のドレスに身を包んだアメリアは、見とれてしまう程美しい。やっぱり王宮なんかにアメリアを連れて行きたくない!もし連れて行くにしても、僕の側から離れない様に、しっかり見張らないと!
そんな僕の思いとは裏腹に、伯爵は
「王宮には連れて行けない!」
の一点張りだ。そうは言っても、馬車に乗ってしまえばこちらのものだ!そう思っていたのだが…
父上と兄上がやって来た。また面倒な奴らがやって来たぞ。
「オスカー!お前は何を考えているのだ!すまん、伯爵。このバカは連れて帰るから、早く王宮に向かってくれ」
父上が僕を怒鳴りつけるとともに、伯爵に早く行けと促している。そうはさせるか!アメリアを1人で王宮になんて行かせられない、そんな思いから必死に抵抗するが、護衛騎士4人がかりで馬車へと放り込まれた。
家に着いてすぐ、父上にまた怒鳴られた。
「オスカー、お前は一体何を考えているんだ!今回は陛下から直々に呼ばれているのだぞ。そんなところにお前まで行ったらどうなるかぐらい、お前でも分かるだろう!」
「陛下は温厚な方だから、僕が行っても何も言わないよ!それなのに、父上が邪魔をしたから!アメリアに何かあったらどうするんだ!」
「何かなんてある訳がないだろう!とにかく、お前は今から騎士団の稽古でも行っていろ!テオ、悪いがこのバカを騎士団の稽古場に放り込んできてくれるかい?」
さっきから僕の事をバカバカって、これでも貴族学院には首席で入学しているんだ!本当に失礼な父上だ!それよりもアメリアが心配だ!あの伯爵では、アメリアを守り切れないだろう!
そんな僕の気持ちとは裏腹に、騎士団の稽古場へと連れて来た兄上。僕が途中で抜けださない様に、直々に騎士団長に依頼までしている。兄上め!
「何があったかは知らないが、とにかくテオから頼まれたから、今日は俺が直々にお前に稽古を付けてやるよ!」
なるほど、団長自ら僕に稽古を付ける事で、僕が稽古場を抜け出せない様にするつもりだな。周りからは、同情の眼差しが向けられている。
そう、この団長は厳しいと有名なんだ。でも、気は紛れるかもしれないな。早速団長が僕に稽古を付けてくれた。
それにしても、やっぱり厳しいな…
「どうした?オスカー。もう終わりか?」
「ハーハー、まだ終わりの訳がないでしょう」
「そうだよな。そう来ないとつまらないよな」
再び団長に向かって行くが、とにかくこの男、本当に人間か?と思う程強い。それでも僕も騎士団から期待されている身だ。そもそも、こんな男に負けていては、アメリアを守れない。
とにかく、必死に剣を振るった。
「オスカー、やっぱりお前は強いな。今日は楽しかったよ!さすがに疲れただろう、ゆっくり休めよ」
稽古が終わり、僕にねぎらいの言葉をかけてくれる団長。ゆっくりなんて休んではいられない。急いで家に帰り、汗を洗い流すとすぐにアメリアの家へと向かう準備をする。
「待て、オスカー。私も一緒に行こう」
ゲッ、父上も一緒に来るのか。
「そんなに嫌そうな顔をするな。ほら、行くぞ」
父上に促され、馬車へと乗り込んだ。さすがにもう帰って来ているだろう。そう思ったのだが、まさかのまだ帰ってきていないとの事。
アメリアの奴、こんな時間まで一体王宮で何をしているんだ!とりあえず伯爵家で待たせてもらう事になったが、僕のイライラは時間と共に増していく。もう我慢できない!
父上の制止を振り切って、外で待つことにした。随分と暗くなってきたぞ!こんな時間まで帰ってこないなんて!
その時だった。伯爵家の馬車がこちらに向かって走って来るのが見えた。やっと帰って来た!久しぶりに会うアメリアを、力いっぱいギューギュー抱きしめた。少し強く抱きしめすぎた様で、ぐったりとしてしまったアメリア。しまった、つい力を入れすぎた。
気を取り直し、伯爵に促され玄関に入ったのだが、朝と服が違う事に気が付いた。一体どういう事だ!なんで服が変わっているんだ!体中から怒りが込み上げてきて、ついアメリアに強く問いただしてしまった。
余程僕が怖かったのか、泣き出してしまった。泣いたって、許さないんだからな!そんな僕をなだめ、居間へと連れて行ったのは父上だ。2人でソファに並んで座る。
アメリアの両親とウォルトも加わり、今日なぜアメリアが陛下に呼ばれたのか伯爵が説明していった。
伯爵の話では、なんとアメリアが商船で旅に出た時に出会った男が、実はパッショナル王国の第三王子で、わざわざアメリアに会いに来たとの事。さらに、その王子の案内役をアメリアがする事になったという事。既に今日、2人で街を楽しんだと言う、あまりにもふざけた内容だったのだ。
僕の怒りが一気に爆発した!ふざけるな!どう考えてもその第三王子はアメリアを狙っているじゃないか!そんな男とアメリアを2人きりで街に出すなんて!そもそも、どうしてアメリアは、そいつと2人きりで街に出掛けたんだ!僕という婚約者がいると言うのに。
そう思ったら、自分を押さえる事が出来なくなっていた。そんな僕を、伯爵と父上が必死になだめる。確かに陛下の命令に逆らえなかったというのは理解できる。
頭では分かっていても、どうしても怒りが抑えられないのだ。それでも何とか怒りに震える体を落ち着かせた。これからは二度とこんな事が無いよう、アメリアをもっと厳しく監視しよう!心の中でそう強く誓ったところで、父上が一緒に帰る様促して来た。
とにかく今は1秒だってアメリアと離れたくはない。そんな思いから今日は伯爵家に泊ると伝えたのだが、父上も伯爵も猛反対だ。
挙句の果てに、“ウォルトと寝るならいい”なんて言い出す始末。どうして僕がウォルトなんかと一緒に寝なきゃいけないんだ!気持ち悪い!
結局丸め込まれ、侯爵家に帰る事になったのだが、どうしてもイライラが収まらない。
そのため、帰り際アメリアの耳元で
「今回の事、許した訳じゃないからね。その事は覚えておくんだよ」
そう呟いておいた。
真っ青な顔をして、急いで僕に口付けをするアメリア。やっぱりアメリアは素直で可愛い!でも、まだ許せないけれどね…
その日は大人しく帰ったものの、翌日朝早くに伯爵家へと向かった。少しでも早くアメリアに会いたいからだ。
予想通り“お嬢様はまだお休み中です”と告げるメイド。
「それなら僕が起してあげるよ」
そうメイドに伝えると、真っすぐにアメリアの部屋へと向かった。
「オスカー様、それはいけません!どうか居間でお待ちください」
必死に僕を止めるメイドたち。そんなメイドたちを振り切ってアメリアの部屋に入った。スヤスヤ眠るアメリア。寝顔も可愛いな…
そう言えば、寝顔を見るのはアメリアを森に置いて来た以来だな。
「アメリア、そろそろ起きようか?」
そう声を掛け、唇を塞ぐ。ゆっくりと目を開けるアメリア。
何を思ったのか、悲鳴を上げた。婚約者に向かって悲鳴を上げるなんて、さすがに失礼だぞ!
「どうしてオスカー様が、私の部屋にいるのですか?」
そう呟いたアメリアは、かなり動揺している様で、目をかなり大きく見開いている。どうして部屋にいるかって?そんなもの、婚約者だからに決まっているだろう!そうアメリアに伝えた。そうそう、僕がまだ怒っている事も伝えておいた。見る見る顔色が悪くなるアメリア。本当に分かりやすい性格をしているな。
アメリアに再び口付けをしようと思った時、アメリアの両親とウォルトが入って来た。珍しく顔を真っ赤にして怒っている伯爵と口論をしているうちに、またしても父上と兄上がやって来た。
婚約者の部屋に入ったぐらいで、どいつもこいつも騒ぎすぎだ!そう思っていたのだが…
「オスカー、しばらく伯爵家への出入りを禁ずる」
怒り狂った伯爵に、出入り禁止を告げられたのだ!
「ふざけるな!どうして婚約者の部屋に入ったくらいで、出禁にされないといけないんだ!」
「当たり前だ!とにかく、しばらくは我が家に入れないから、そのつもりで」
そうはっきりと告げられた。さらに、婚約を結び直す事も考えるとまで言い出したのだ!こいつら、何を考えているんだ!体中から怒りが込み上げる。そんな僕を、またしても護衛騎士共が馬車へと押し込んだ。
屋敷に着くと、すぐに居間へと連行された。
「オスカー!いい加減にしろ!このままだと本当にアメリアとの婚約が白紙に戻ってしまうぞ!それでもいいのか?」
顔を真っ赤にして怒る父上。その後兄上と一緒にギャーギャーと1時間近く、僕に説教を垂れた。
「今日1日部屋で反省していろ!」
最後には部屋に閉じ込められた。ご丁寧に部屋の外側から鍵まで掛け、さらに外には4人の護衛騎士まで待機している。
僕が出られないなら、アメリアに来てもらうまでだ。早速通信機を使い、アメリアを呼び寄せた。さすがにアメリアが来たとあって、僕も部屋から解放された。
心優しいアメリア、どんなライバルが現れても絶対に渡すつもりは無いからね!
178
あなたにおすすめの小説
〖完結〗旦那様が愛していたのは、私ではありませんでした……
藍川みいな
恋愛
「アナベル、俺と結婚して欲しい。」
大好きだったエルビン様に結婚を申し込まれ、私達は結婚しました。優しくて大好きなエルビン様と、幸せな日々を過ごしていたのですが……
ある日、お姉様とエルビン様が密会しているのを見てしまいました。
「アナベルと結婚したら、こうして君に会うことが出来ると思ったんだ。俺達は家族だから、怪しまれる心配なくこの邸に出入り出来るだろ?」
エルビン様はお姉様にそう言った後、愛してると囁いた。私は1度も、エルビン様に愛してると言われたことがありませんでした。
エルビン様は私ではなくお姉様を愛していたと知っても、私はエルビン様のことを愛していたのですが、ある事件がきっかけで、私の心はエルビン様から離れていく。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
かなり気分が悪い展開のお話が2話あるのですが、読まなくても本編の内容に影響ありません。(36話37話)
全44話で完結になります。
〖完結〗時戻りしたので、運命を変えることにします。
藍川みいな
恋愛
愛するグレッグ様と結婚して、幸せな日々を過ごしていた。
ある日、カフェでお茶をしていると、暴走した馬車が突っ込んで来た。とっさに彼を庇った私は、視力を失ってしまう。
目が見えなくなってしまった私の目の前で、彼は使用人とキスを交わしていた。その使用人は、私の親友だった。
気付かれていないと思った二人の行為はエスカレートしていき、私の前で、私のベッドで愛し合うようになっていった。
それでもいつか、彼は戻って来てくれると信じて生きて来たのに、親友に毒を盛られて死んでしまう。
……と思ったら、なぜか事故に会う前に時が戻っていた。
絶対に同じ間違いはしない。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全四話で完結になります。
聖女になりたいのでしたら、どうぞどうぞ
しゃーりん
恋愛
聖女が代替わりするとき、魔力の多い年頃の令嬢十人の中から一人選ばれる。
選ばれる基準は定かではなく、伝聞もない。
ひと月の間、毎日のように聖堂に通い、祈りを捧げたり、奉仕活動をしたり。
十人の中の一人に選ばれたラヴェンナは聖女になりたくなかった。
不真面目に見えるラヴェンナに腹を立てる聖女候補がいたり、聖女にならなければ婚約解消だと言われる聖女候補がいたり。
「聖女になりたいならどうぞ?」と言いたいけれど聖女を決めるのは聖女様。
そしていよいよ次期聖女が決まったが、ラヴェンナは自分ではなくてホッとする。
ラヴェンナは聖堂を去る前に、聖女様からこの国に聖女が誕生した秘話を聞かされるというお話です。
私の手からこぼれ落ちるもの
アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。
優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。
でもそれは偽りだった。
お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。
お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。
心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。
私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。
こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら…
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。
❈ ざまぁはありません。
戻る場所がなくなったようなので別人として生きます
しゃーりん
恋愛
医療院で目が覚めて、新聞を見ると自分が死んだ記事が載っていた。
子爵令嬢だったリアンヌは公爵令息ジョーダンから猛アプローチを受け、結婚していた。
しかし、結婚生活は幸せではなかった。嫌がらせを受ける日々。子供に会えない日々。
そしてとうとう攫われ、襲われ、森に捨てられたらしい。
見つかったという遺体が自分に似ていて死んだと思われたのか、別人とわかっていて死んだことにされたのか。
でももう夫の元に戻る必要はない。そのことにホッとした。
リアンヌは別人として新しい人生を生きることにするというお話です。
夢を現実にしないための正しいマニュアル
しゃーりん
恋愛
娘が処刑される夢を見た。
現在、娘はまだ6歳。それは本当に9年後に起こる出来事?
処刑される未来を変えるため、過去にも起きた夢の出来事を参考にして、変えてはいけないことと変えるべきことを調べ始める。
婚約者になる王子の周囲を変え、貴族の平民に対する接し方のマニュアルを作り、娘の未来のために頑張るお話。
婚約者に愛する人が出来たので、身を引く事にしました
Blue
恋愛
幼い頃から家族ぐるみで仲が良かったサーラとトンマーゾ。彼が学園に通うようになってしばらくして、彼から告白されて婚約者になった。サーラも彼を好きだと自覚してからは、穏やかに付き合いを続けていたのだが、そんな幸せは壊れてしまう事になる。
振られたから諦めるつもりだったのに…
しゃーりん
恋愛
伯爵令嬢ヴィッテは公爵令息ディートに告白して振られた。
自分の意に沿わない婚約を結ぶ前のダメ元での告白だった。
その後、相手しか得のない婚約を結ぶことになった。
一方、ディートは告白からヴィッテを目で追うようになって…
婚約を解消したいヴィッテとヴィッテが気になりだしたディートのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる