18 / 31
第二章
18 社交界デビュー
しおりを挟む
私が思っていたアギラカリサ王宮のパーティーは、華やかで明るく、豪奢で美味しそうな料理が並んでいるというイメージだった。
実際は――
「お忙しいレジェス様が、パーティーへいらっしゃるとは珍しい」
「昨晩、王宮ではかなりの血が流れたとか」
「レジェス様が優秀でいらっしゃるから、他の王子から妬まれ……」
「シッ! 聞かれたら、どうなるかわからないぞ」
――ちょ、ちょっと~! 血なまぐさい上に殺伐としすぎでしょ!?
私が期待した登場シーンはこれである。
『おお! なんと可愛らしい姫か!』
『あれがオルテンシア王国のルナリア姫。賢い顔をしていらっしゃる』
レジェスと三人の王子が主役である。
私と同じことを思ったのか、フリアンも苦笑している。
――でも、それも仕方ないわよね。
現在、アギラカリサの王位継承戦は四つの地方を使って行われている。
西方フロレスタ、南方アレナ、東方バージェ、北方ニエベの四つ。
レジェスが治める領地は、小さな集落が点在する荒れ地である。
荒れ地に住んでいるのは、アギラカリサの支配を拒む部族で、常に争いが絶えない。
厳しい領地の南方アレナ。それが、王よりレジェスが与えられた領地だ。
――でも、レジェスが治めるようになってから、大きな争いがなくなったとシモン先生が言っていたわ。
レジェスが有能なのは、誰の目から見ても明らかだ。
それを認めたくない三人の兄たちは、レジェスを殺してしまおうとしている。
「ねえ、レジェス様にエスコートされている少女は誰……?」
「銀髪の可愛らしいご令嬢ですわね」
「エスコートしている金髪の男性も素敵!」
やっと私とフリアンの存在に気づいてくれたようだ。
どこの国の王女と王子かと、私とフリアンの正体を探る声が飛びかう。
「レジェスが自分の婚約者として連れてきた少女だ」
アギラカリサ王――国王陛下が全員の前で告げると、どよめきが起き、好奇の視線が私に向けられた。
――う、うわぁ……。すごく見られてる!
でも、ここで怖じ気づき、十二歳の子供だと、侮られるわけにはいかない。
「レジェス様の婚約者ですって?」
「まだ、ほんの子供ではありませんか」
「どういうことですの!?」
どれだけ騒がれようが、私は王女らしく振る舞うと決めている。
「アギラカリサ王国の皆様、はじめまして。わたくしはオルテンシア王国第二王女ルナリアと申します」
軽く膝を曲げ、笑顔で挨拶をする。
歓迎の拍手が起き、ホッとしたのは一瞬だけで、レジェスの兄たちから容赦のない言葉が浴びせられた。
「レジェスは幼女趣味だからな」
「ははは。本当に愚かな奴だ」
「父上。レジェスは王になる気がないのですよ」
貴族たちは気まずそうな表情で、レジェスの顔色をうかがう。
この場で兄弟同士の争いが起きれば、せっかくのパーティーは台無しである。
レジェスと兄たちの間に、誰かが割って入らなければ、この重苦しい空気を変えられない気がした。
「恐れながら」
私は三人の王子ではなく、国王陛下に向けて言った。
彼らを黙らせることができるのは、父親の国王陛下のみ。
「私がレジェス様に相応しくないと思われたのであれば、国王陛下が私を王宮前で追い返していたでしょう」
私の発言に大広間が静まり返った。
「知らぬ顔をしていればいいのに……」
「可哀想。兄弟同士の争いに巻き込まれるわよ」
貴族令嬢たちの話し声が聞こえてくる。
同情する声が多く、貴族たちは一様に不安そうな表情を浮かべている。
――レジェス以外の王子が、どれだけ彼らに恐怖を与えているかわかるわ。
重苦しい空気を消したのは、国王陛下の一言だった。
「面白い。なかなか度胸がある王女だ」
余裕のある国王陛下だけが声をたてて笑った。
貴族たちもなんとか笑おうとして、ひきつった笑いを浮かべている。
「その通りだ。王である俺が王宮の出入りを許した。お前たちは黙っていろ」
獣のような鋭い瞳が、三人の王子たちを圧倒する。
国王陛下はアギラカリサ王位継承戦を勝ち抜き、即位した王である。
戦いを制しただけあって、その威圧感は普通じゃない。
――これがアギラカリサの王。
「パーティーを楽しめ。オルテンシアの第二王女」
「ルナリアと申します」
「……ふん。まだ名を覚えるほどでもない」
まだ名前を覚えるだけの価値はない――そう言いたいらしい。
「レジェス。お前が連れてくる人間は、いつも面白い人間ばかりだな。マーレア諸島の人間を王宮に招いた時もそうだ。我が国に大きな利益をもらした」
国王陛下は三人の王子が並ぶ席を冷たい目で見た。
「レジェスを見習え。愚息どもが」
反論すらできないらしく、三人の王子は黙った。
それに対して、レジェスは静かに笑い、獰猛な獣のみたいな国王陛下を前にしても余裕があった。
「父上が楽しそうでなによりです」
「お前のおかげで退屈が減る。誰も望んでいないだろうが、長生きできそうだ」
「それはよかった。父上には長生きして、判定者の役目を果たしていただかないと、兄上たちと俺で戦争になりますよ」
二人は声をたてて笑う。
――わ、笑えない~! さすがに、そこまで軽快に笑えるような内容じゃないからっ!
たとえるなら、冬眠明けの熊。
うっかり目を合わしたらオシマイ。
それくらい怖いのに、レジェスはのんきなもので、まったく動じてない。
「ルナリア。ダンスは練習したか?」
「えっ!? はい。練習しました!」
私にダンスの授業はなかった。
セレステには多くの教師がいたけれど、私を空気のように扱う両親は、どうでもよかったのだと思う。
たけど、ティアが教えてくれた。
いつか必要になる時がきますと言って、侍女たちも一緒になって盛り上がったダンスの練習。
でも、これは練習じゃなくて、ちゃんとした相手がいるダンス。
それも大国アギラカリサの王宮で踊るなんて、思いもしなかった。
「レジェス。ルナリアが困ってる。挨拶だけでじゅうぶんだ。よく頑張ったよ」
私が恥をかくと思ったのか、フリアンが止めた。
「いいえ、フリアン様。私の仕事はこれからです」
フリアンは驚いた顔で私を見る。
二番目の姫と呼ばれ、控えめにしていた私しか知らないフリアン。
――私がこのままなにもせずにいたら、死ぬかもしれないなんて、誰も知らない。
知っているのは私だけ。
だから、生存するための可能性が、少しでもあるのなら、全力で体当たりするしかない。
「レジェス様。よろしくお願いします!」
「ああ」
気合いを入れた私に、レジェスはなにを思ったのか。頬をつねった。
「れひぇすさま(レジェス様)!?」
「ルナリア。笑え。笑って、今を楽しめ」
私のつねった頬から指を離して、優しく頬をなでた。
「戦うのではなく、楽しむんですか……?」
「そうだ」
今を楽しんでいいのなら、私はレジェスと楽しくダンスを踊りたい。
「よし。緊張してないな?」
「はい」
私の前に差し出された手をとる。
社交界デビューの初めてのダンスをレジェスと踊れるのが嬉しかった。
――本物のお姫様みたい。
音楽隊は私とレジェスを見て微笑み、明るいワルツを奏でた。
「まあ。なんて可愛らしい」
「お人形さんのようね」
「パーティーで、レジェス様が楽しそうにされているのを久しぶりに見ましたわ」
身長が足りなくて、さりげなく背伸びしていると、レジェスが私の体を支え、転ばぬよう上手にリードする。
片手で抱き上げて、くるくる回る。
わぁっと歓声が上がり、大広間が明るくなった。
「レジェス様!」
「ルナリア! しっかり手を握ってないと落ちるぞ!」
無邪気なレジェスに、国王陛下も笑っている。
けれど、私たちがダンスを踊るのを見て、面白くない顔をしていたのはレジェスの兄たちで、こちらに向かって文句を言っていた。
「ふん。子供になにができる」
「小国のオルテンシアなど、我々の道具だ」
その言葉で確信した。
――やっぱり、オルテンシア王国を利用するつもりでいるんだわ!
レジェスが危惧していたように、マーレア諸島の商品を一気に値上げし、オルテンシア王国から、お金を搾り取れるだけ搾り取る算段でいる。
そして、自分たちの領地を潤し、王位継承戦を優位に進める。
――そんなことさせない!
私に聞こえるように、レジェスの兄たちは大きな声で話す。
「よりにもよって、オルテンシア王国の二番目の姫を選ぶとはな」
「美しく賢いのは一番目の姫だと聞いている。レジェスは連れてくる相手を間違えたのではないか?」
――また二番目。
呪いみたいについてまわる『二番目の姫』の肩書き。
レジェスから手を強く握りしめられて、ハッと我に返った。
「レジェス様……」
「ルナリア。よそ見をすると転ぶぞ」
レジェスの私を支える力が心強い。
「はい!」
それから、私とレジェスはちゃんとしたワルツを踊って終わった。
二曲目が始まった。
次のダンスは別の人と踊るのがマナーである。
私を誘う人はいないと思い、戻ろうとした時――
「ルナリア王女。踊っていただけませんか?」
私に手を差し出したのは、黒髪に褐色の肌をしたエキゾチックな男性で、その顔に見覚えがあった。
――昨日、庭園で会ったマーレア諸島クア族のルオン!
「ルナリア。踊ってこい」
レジェスが私を応援するように、背中を優しく押した。
実際は――
「お忙しいレジェス様が、パーティーへいらっしゃるとは珍しい」
「昨晩、王宮ではかなりの血が流れたとか」
「レジェス様が優秀でいらっしゃるから、他の王子から妬まれ……」
「シッ! 聞かれたら、どうなるかわからないぞ」
――ちょ、ちょっと~! 血なまぐさい上に殺伐としすぎでしょ!?
私が期待した登場シーンはこれである。
『おお! なんと可愛らしい姫か!』
『あれがオルテンシア王国のルナリア姫。賢い顔をしていらっしゃる』
レジェスと三人の王子が主役である。
私と同じことを思ったのか、フリアンも苦笑している。
――でも、それも仕方ないわよね。
現在、アギラカリサの王位継承戦は四つの地方を使って行われている。
西方フロレスタ、南方アレナ、東方バージェ、北方ニエベの四つ。
レジェスが治める領地は、小さな集落が点在する荒れ地である。
荒れ地に住んでいるのは、アギラカリサの支配を拒む部族で、常に争いが絶えない。
厳しい領地の南方アレナ。それが、王よりレジェスが与えられた領地だ。
――でも、レジェスが治めるようになってから、大きな争いがなくなったとシモン先生が言っていたわ。
レジェスが有能なのは、誰の目から見ても明らかだ。
それを認めたくない三人の兄たちは、レジェスを殺してしまおうとしている。
「ねえ、レジェス様にエスコートされている少女は誰……?」
「銀髪の可愛らしいご令嬢ですわね」
「エスコートしている金髪の男性も素敵!」
やっと私とフリアンの存在に気づいてくれたようだ。
どこの国の王女と王子かと、私とフリアンの正体を探る声が飛びかう。
「レジェスが自分の婚約者として連れてきた少女だ」
アギラカリサ王――国王陛下が全員の前で告げると、どよめきが起き、好奇の視線が私に向けられた。
――う、うわぁ……。すごく見られてる!
でも、ここで怖じ気づき、十二歳の子供だと、侮られるわけにはいかない。
「レジェス様の婚約者ですって?」
「まだ、ほんの子供ではありませんか」
「どういうことですの!?」
どれだけ騒がれようが、私は王女らしく振る舞うと決めている。
「アギラカリサ王国の皆様、はじめまして。わたくしはオルテンシア王国第二王女ルナリアと申します」
軽く膝を曲げ、笑顔で挨拶をする。
歓迎の拍手が起き、ホッとしたのは一瞬だけで、レジェスの兄たちから容赦のない言葉が浴びせられた。
「レジェスは幼女趣味だからな」
「ははは。本当に愚かな奴だ」
「父上。レジェスは王になる気がないのですよ」
貴族たちは気まずそうな表情で、レジェスの顔色をうかがう。
この場で兄弟同士の争いが起きれば、せっかくのパーティーは台無しである。
レジェスと兄たちの間に、誰かが割って入らなければ、この重苦しい空気を変えられない気がした。
「恐れながら」
私は三人の王子ではなく、国王陛下に向けて言った。
彼らを黙らせることができるのは、父親の国王陛下のみ。
「私がレジェス様に相応しくないと思われたのであれば、国王陛下が私を王宮前で追い返していたでしょう」
私の発言に大広間が静まり返った。
「知らぬ顔をしていればいいのに……」
「可哀想。兄弟同士の争いに巻き込まれるわよ」
貴族令嬢たちの話し声が聞こえてくる。
同情する声が多く、貴族たちは一様に不安そうな表情を浮かべている。
――レジェス以外の王子が、どれだけ彼らに恐怖を与えているかわかるわ。
重苦しい空気を消したのは、国王陛下の一言だった。
「面白い。なかなか度胸がある王女だ」
余裕のある国王陛下だけが声をたてて笑った。
貴族たちもなんとか笑おうとして、ひきつった笑いを浮かべている。
「その通りだ。王である俺が王宮の出入りを許した。お前たちは黙っていろ」
獣のような鋭い瞳が、三人の王子たちを圧倒する。
国王陛下はアギラカリサ王位継承戦を勝ち抜き、即位した王である。
戦いを制しただけあって、その威圧感は普通じゃない。
――これがアギラカリサの王。
「パーティーを楽しめ。オルテンシアの第二王女」
「ルナリアと申します」
「……ふん。まだ名を覚えるほどでもない」
まだ名前を覚えるだけの価値はない――そう言いたいらしい。
「レジェス。お前が連れてくる人間は、いつも面白い人間ばかりだな。マーレア諸島の人間を王宮に招いた時もそうだ。我が国に大きな利益をもらした」
国王陛下は三人の王子が並ぶ席を冷たい目で見た。
「レジェスを見習え。愚息どもが」
反論すらできないらしく、三人の王子は黙った。
それに対して、レジェスは静かに笑い、獰猛な獣のみたいな国王陛下を前にしても余裕があった。
「父上が楽しそうでなによりです」
「お前のおかげで退屈が減る。誰も望んでいないだろうが、長生きできそうだ」
「それはよかった。父上には長生きして、判定者の役目を果たしていただかないと、兄上たちと俺で戦争になりますよ」
二人は声をたてて笑う。
――わ、笑えない~! さすがに、そこまで軽快に笑えるような内容じゃないからっ!
たとえるなら、冬眠明けの熊。
うっかり目を合わしたらオシマイ。
それくらい怖いのに、レジェスはのんきなもので、まったく動じてない。
「ルナリア。ダンスは練習したか?」
「えっ!? はい。練習しました!」
私にダンスの授業はなかった。
セレステには多くの教師がいたけれど、私を空気のように扱う両親は、どうでもよかったのだと思う。
たけど、ティアが教えてくれた。
いつか必要になる時がきますと言って、侍女たちも一緒になって盛り上がったダンスの練習。
でも、これは練習じゃなくて、ちゃんとした相手がいるダンス。
それも大国アギラカリサの王宮で踊るなんて、思いもしなかった。
「レジェス。ルナリアが困ってる。挨拶だけでじゅうぶんだ。よく頑張ったよ」
私が恥をかくと思ったのか、フリアンが止めた。
「いいえ、フリアン様。私の仕事はこれからです」
フリアンは驚いた顔で私を見る。
二番目の姫と呼ばれ、控えめにしていた私しか知らないフリアン。
――私がこのままなにもせずにいたら、死ぬかもしれないなんて、誰も知らない。
知っているのは私だけ。
だから、生存するための可能性が、少しでもあるのなら、全力で体当たりするしかない。
「レジェス様。よろしくお願いします!」
「ああ」
気合いを入れた私に、レジェスはなにを思ったのか。頬をつねった。
「れひぇすさま(レジェス様)!?」
「ルナリア。笑え。笑って、今を楽しめ」
私のつねった頬から指を離して、優しく頬をなでた。
「戦うのではなく、楽しむんですか……?」
「そうだ」
今を楽しんでいいのなら、私はレジェスと楽しくダンスを踊りたい。
「よし。緊張してないな?」
「はい」
私の前に差し出された手をとる。
社交界デビューの初めてのダンスをレジェスと踊れるのが嬉しかった。
――本物のお姫様みたい。
音楽隊は私とレジェスを見て微笑み、明るいワルツを奏でた。
「まあ。なんて可愛らしい」
「お人形さんのようね」
「パーティーで、レジェス様が楽しそうにされているのを久しぶりに見ましたわ」
身長が足りなくて、さりげなく背伸びしていると、レジェスが私の体を支え、転ばぬよう上手にリードする。
片手で抱き上げて、くるくる回る。
わぁっと歓声が上がり、大広間が明るくなった。
「レジェス様!」
「ルナリア! しっかり手を握ってないと落ちるぞ!」
無邪気なレジェスに、国王陛下も笑っている。
けれど、私たちがダンスを踊るのを見て、面白くない顔をしていたのはレジェスの兄たちで、こちらに向かって文句を言っていた。
「ふん。子供になにができる」
「小国のオルテンシアなど、我々の道具だ」
その言葉で確信した。
――やっぱり、オルテンシア王国を利用するつもりでいるんだわ!
レジェスが危惧していたように、マーレア諸島の商品を一気に値上げし、オルテンシア王国から、お金を搾り取れるだけ搾り取る算段でいる。
そして、自分たちの領地を潤し、王位継承戦を優位に進める。
――そんなことさせない!
私に聞こえるように、レジェスの兄たちは大きな声で話す。
「よりにもよって、オルテンシア王国の二番目の姫を選ぶとはな」
「美しく賢いのは一番目の姫だと聞いている。レジェスは連れてくる相手を間違えたのではないか?」
――また二番目。
呪いみたいについてまわる『二番目の姫』の肩書き。
レジェスから手を強く握りしめられて、ハッと我に返った。
「レジェス様……」
「ルナリア。よそ見をすると転ぶぞ」
レジェスの私を支える力が心強い。
「はい!」
それから、私とレジェスはちゃんとしたワルツを踊って終わった。
二曲目が始まった。
次のダンスは別の人と踊るのがマナーである。
私を誘う人はいないと思い、戻ろうとした時――
「ルナリア王女。踊っていただけませんか?」
私に手を差し出したのは、黒髪に褐色の肌をしたエキゾチックな男性で、その顔に見覚えがあった。
――昨日、庭園で会ったマーレア諸島クア族のルオン!
「ルナリア。踊ってこい」
レジェスが私を応援するように、背中を優しく押した。
2,304
あなたにおすすめの小説
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
[完結]裏切りの果てに……
青空一夏
恋愛
王都に本邸を構える大商会、アルマード男爵家の一人娘リリアは、父の勧めで王立近衛騎士団から引き抜かれた青年カイルと婚約する。
彼は公爵家の分家筋の出身で、政争で没落したものの、誇り高く優秀な騎士だった。
穏やかで誠実な彼に惹かれていくリリア。
だが、学園の同級生レオンのささやいた一言が、彼女の心を揺らす。
「カイルは優しい人なんだろ? 君が望めば、何でもしてくれるはずさ。
でも、それは――仕事だからだよ。結婚も仕事のうちさ。
だって、雇い主の命令に逆らえないでしょ?
君に好意がなくても、義務でそうするんだ」
その言葉が頭から離れないリリアは、カイルの同僚たちに聞き込み、彼に病気の家族がいると知った。「治療費のために自分と結婚するの?」 そう思い込んだリリアに、父母がそろって事故死するという不幸が襲う。
レオンはリリアを惑わし、孤立させ、莫大な持参金を持って自分の元へ嫁ぐように仕向けるのだった。
だが、待っていたのは愛ではなく、孤独と裏切り。
日差しの差さない部屋に閉じ込められ、心身を衰弱させていくリリア。
「……カイル、助けて……」
そう呟いたとき。動き出したのは、かつて彼女を守ると誓った男――カイル・グランベルだった。そしてリリアも自らここを抜けだし、レオンを懲らしめてやろうと決意するようになり……
今、失われた愛と誇りを取り戻す物語が始まる。
(完結)夫と姉(継母の連れ子)に罪を着せられた侯爵令嬢の二度目の人生ー『復讐』よりも『長生き』したい!
青空一夏
恋愛
私はカッシング侯爵家のアナスターシア。カッシング侯爵家の跡継ぎ娘であり、お母様の実家マッキンタイヤー公爵家の跡継ぎでもある立場なの。なんでって? 亡きお母様のお兄様(マッキンタイヤー公爵)が将軍職をまっとうするため、独身を貫いてきたからよ。ちなみにマッキンタイヤー公爵の初代はユーフェミア王女で聖女様でもあったのよ。私はその血も引いているわ。
お母様は私が5歳の頃に病で亡くなったわ。でも、まもなくお父様はサリナお母様と再婚したの。最初は嫌な気持ちがしたけれど、サリナお母様はとても優しかったからすぐに仲良くなれた。サリナお母様には娘がいて、私より年上だった。ローズリンお姉様のことよ。ローズリンお姉様も良い方で、私はとても幸せだった。
チェルシー王妃主催のお茶会で知り合ったハーランド第二王子殿下も優しくて、私を甘やかしてくれる味方なの。でも、お母様のお兄様であるマッキンタイヤー公爵は厳しくて、会うたびにお説教を言ってくるから嫌い。なるべく、伯父様(マッキンタイヤー公爵)に関わらないようにしていたいわ。そうすれば、私は幸せに気楽に生きることができる。ところが・・・・・・
この物語は夫となったハーランド第二王子の裏切りとローズリンの嘘で罪を着せられたアナスターシアが、毒杯を飲ませられるところで奇跡を起こし、二度目の人生をやり直すお話しです。アナスターシアが積極的に復讐していくお話ではなく、ハーランド第二王子やローズリンが自業自得で自滅していくお話しです。アナスターシアの恋もちりばめた恋愛小説になっています。
※この物語は現実ではない異世界のお話しですから、歴史的や時代背景的におかしな部分が多々あると思いますので、ご了承ください。誤字・脱字多いかもしれませんが、脳内で変換していただけるか、教えていただけると嬉しいです💦
聖女や聖獣などのファンタジー要素あり。
※完結保証。すでに執筆が終わっておりますので、途中で連載がとまることはありません。安心してお読みくださいませ。
あなたが捨てた花冠と后の愛
小鳥遊 れいら
恋愛
幼き頃から皇后になるために育てられた公爵令嬢のリリィは婚約者であるレオナルド皇太子と相思相愛であった。
順調に愛を育み合った2人は結婚したが、なかなか子宝に恵まれなかった。。。
そんなある日、隣国から王女であるルチア様が側妃として嫁いでくることを相談なしに伝えられる。
リリィは強引に話をしてくるレオナルドに嫌悪感を抱くようになる。追い打ちをかけるような出来事が起き、愛ではなく未来の皇后として国を守っていくことに自分の人生をかけることをしていく。
そのためにリリィが取った行動とは何なのか。
リリィの心が離れてしまったレオナルドはどうしていくのか。
2人の未来はいかに···
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
[完結]だってあなたが望んだことでしょう?
青空一夏
恋愛
マールバラ王国には王家の血をひくオルグレーン公爵家の二人の姉妹がいる。幼いころから、妹マデリーンは姉アンジェリーナのドレスにわざとジュースをこぼして汚したり、意地悪をされたと嘘をついて両親に小言を言わせて楽しんでいた。
アンジェリーナの生真面目な性格をけなし、勤勉で努力家な姉を本の虫とからかう。妹は金髪碧眼の愛らしい容姿。天使のような無邪気な微笑みで親を味方につけるのが得意だった。姉は栗色の髪と緑の瞳で一見すると妹よりは派手ではないが清楚で繊細な美しさをもち、知性あふれる美貌だ。
やがて、マールバラ王国の王太子妃に二人が候補にあがり、天使のような愛らしい自分がふさわしいと、妹は自分がなると主張。しかし、膨大な王太子妃教育に我慢ができず、姉に代わってと頼むのだがーー
男装の騎士に心を奪われる予定の婚約者がいる私の憂鬱
鍋
恋愛
私は10歳の時にファンタジー小説のライバル令嬢だと気付いた。
婚約者の王太子殿下は男装の騎士に心を奪われ私との婚約を解消する予定だ。
前世も辛い失恋経験のある私は自信が無いから王太子から逃げたい。
だって、二人のラブラブなんて想像するのも辛いもの。
私は今世も勉強を頑張ります。だって知識は裏切らないから。
傷付くのが怖くて臆病なヒロインが、傷付く前にヒーローを避けようと頑張る物語です。
王道ありがちストーリー。ご都合主義満載。
ハッピーエンドは確実です。
※ヒーローはヒロインを振り向かせようと一生懸命なのですが、悲しいことに避けられてしまいます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる