今更困りますわね、廃妃の私に戻ってきて欲しいだなんて

nanahi

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5 第一のモンスター

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牢獄に駆けつけると、モンスターが牢の中に侵入しようとしていた。
大勢の兵士がいくら銃を撃っても、モンスターには効かない。
剣で切りつけてもあっさりとはじき飛ばされてしまう。
人の何倍もある黒光りする体に鋭い牙…カーラの足がすくむ。


「わたくしが参ります」


宰相が決意の表情で剣を抜き、モンスターに向かっていった。


わたくしを頼って迎えに来てくれたのに、このまま何もできないまま、わたくしは──


絶望に飲まれそうになった時、ふたばとこよみの声が脳裏をよぎった。


“きっとカーラちゃんの役に立つと思うんだ”


「そうですわ…まだ、あきらめませんわ!!」



気づくとカーラはモンスターの眼前に躍り出ていた。


「カーラ様、危険です!お下がりください!!」


宰相が驚いて叫ぶ。
突然現れた元王妃の姿に、兵士一同、驚愕する。


「カーラ様だと??」

「異界へ追放されたはずでは!?」


モンスターがふと興味深げにカーラに視線を移す。


「わたくしにも武器がありますのよ!」


“便利クッズ”…そうわかば達が言っていた。
きっと戦うための武器を入れてくれたのだ。
そう信じてリュックに手を突っ込み、ある物を取り出した。


「カーラ様、それは一体…???」


たまたま手に掴んだものを自信満々に掲げてみたものの、これは一体何だろう?


筒形の鉄の塊に記されている文字。
短期間で少し覚えた難解な日本語だが読んでみる。


「フモ…キラー?殺…虫…」


モンスターが時間切れとばかりに、カーラに襲いかかってきた。


「カーラ様!!」

「ええい!!!」


一度異世界に捨てられた身。
いまさら自分を守る理由はない。


カーラは直感的に筒の端についているスイッチを力一杯押した。




シューーーーーーーー!!!!




勢いよく発射された白い煙にモンスターが打ち悶えた。


なぜかわからないけど、効いてる!?


数秒後、地響きとともにモンスターは倒れ、そのまま息絶えた。


「何だ!?何が起こった!?」


誰もが呆気に取られている中、兵士の一人が呟いた。


「カーラ様のお力だ…」


そして「そうだ、カーラ様だ」と、一斉に喜びの声をあげはじめた。


「なんという力だ!!」

「さすが聖女のお血筋!」


理屈はわからないが、どうやら異世界日本の“便利グッズ”は、この世界のモンスターに絶大な力を及ぼしたようだった。
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