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3. 結婚案内所
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この国には、王立の結婚案内所というとても便利な機関がある。
学院に通ったりして、異性と出会い結婚出来る人がいる一方で、私のように学院に通っていなかったり、通っていても思うように出会いがない人達が頼る場所。
…という事を、この前恵みの森でよく見掛ける、クレールおばさまが『アンリエッタちゃんもそろそろいい歳だろう?当てがないならそういう所を頼るのも手だよ。』と教えてくれたのだ。
弟のクリストファーの入学資金もそろそろ工面しないといけない時期になったので、思い切って朝食の時にその話題をしてみました。
「ねぇお父様。結婚案内所に連れて行ってもらえませんか?」
「なに!?ん!!ごほっげほっ!!」
お、お父様咳き込んでしまったわ。
「あなた!大丈夫?もう!あなたが見繕わないから、アンリエッタがそう言ってくれてるんでしょ?よく知っていたわね。まだまだアンリエッタは子供だと思っていたけれど、家の事をいろいろと考えてくれてるのね。結婚するとなると淋しいけれど、一度行ってきたら?」
「サマンサ…。」
お父様は、私の後押しをしてくれたお母様をみて今にも泣きそうな顔をしているわ。
「お父様。お願いします。」
「アンリエッタ…以前言った事は本気だと言う事だな。」
「はい。私と結婚してくれる人と出会えるのかはわからないけれど、出来ればとてもお金持ちがいいなと思っているの。結婚支度金を頂けたら、それでクリストファーの入学資金も賄えるでしょう?」
「うん?うん…。」
「姉様!僕は、姉様の犠牲の上で学院に通えたとしても嬉しくありません!今まで通り独学で勉強して、必ずや王宮に勤めますから!」
お父様は優しい性格の為、悩んでいる様子です。
その心優しい性格ゆえ、お父様はお知り合いの人の息子と結婚しろなどとは言ってこないのですが、以前相談した時に模索して下されば、案内所へ行かなくても済んだのですのに。
と、そのような恨めしい事も思ってしまいます。
クリストファーもとても優しいので、そのように言いましたが、実の所は学院で学びたいと思っているでしょう。うちにある書物は、古いし初歩的な学びしか出来ないものばかりなのですから。
「相手がすぐに見つかるかどうかは分からないけれど、行ってみたいのです。」
「うむ…そうだな。私も、同僚にうちの娘と結婚しないかと打診する事はどうしても出来なくてな、済まない。」
「それはそうよ。親戚になるわけよ?同僚が親戚になるなんて面倒なだけよ。それに、知り合いじゃない方が、結婚支度金を準備してくれるかもしれないでしょう?ほらほら、今度の休みにでも行って来てちょうだい!アンリエッタの気持ちを無下にしてはいけませんよ。」
「ああ…そうだな。アンリエッタよ、本当に優しいな…とりあえずどんな感じなのか見に行ってみようか。」
「姉様…!」
「お父様、ありがとうございます!クリストファー、そんな顔しないで。だって、いいお相手いないかもしれないもの。ね?だから、いいお相手がいるように祈っていてね!」
私は、クリストファーがこの世の終わりのような悲痛な顔になっていたので、努めて明るく言った。
学院に通ったりして、異性と出会い結婚出来る人がいる一方で、私のように学院に通っていなかったり、通っていても思うように出会いがない人達が頼る場所。
…という事を、この前恵みの森でよく見掛ける、クレールおばさまが『アンリエッタちゃんもそろそろいい歳だろう?当てがないならそういう所を頼るのも手だよ。』と教えてくれたのだ。
弟のクリストファーの入学資金もそろそろ工面しないといけない時期になったので、思い切って朝食の時にその話題をしてみました。
「ねぇお父様。結婚案内所に連れて行ってもらえませんか?」
「なに!?ん!!ごほっげほっ!!」
お、お父様咳き込んでしまったわ。
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「サマンサ…。」
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「お父様。お願いします。」
「アンリエッタ…以前言った事は本気だと言う事だな。」
「はい。私と結婚してくれる人と出会えるのかはわからないけれど、出来ればとてもお金持ちがいいなと思っているの。結婚支度金を頂けたら、それでクリストファーの入学資金も賄えるでしょう?」
「うん?うん…。」
「姉様!僕は、姉様の犠牲の上で学院に通えたとしても嬉しくありません!今まで通り独学で勉強して、必ずや王宮に勤めますから!」
お父様は優しい性格の為、悩んでいる様子です。
その心優しい性格ゆえ、お父様はお知り合いの人の息子と結婚しろなどとは言ってこないのですが、以前相談した時に模索して下されば、案内所へ行かなくても済んだのですのに。
と、そのような恨めしい事も思ってしまいます。
クリストファーもとても優しいので、そのように言いましたが、実の所は学院で学びたいと思っているでしょう。うちにある書物は、古いし初歩的な学びしか出来ないものばかりなのですから。
「相手がすぐに見つかるかどうかは分からないけれど、行ってみたいのです。」
「うむ…そうだな。私も、同僚にうちの娘と結婚しないかと打診する事はどうしても出来なくてな、済まない。」
「それはそうよ。親戚になるわけよ?同僚が親戚になるなんて面倒なだけよ。それに、知り合いじゃない方が、結婚支度金を準備してくれるかもしれないでしょう?ほらほら、今度の休みにでも行って来てちょうだい!アンリエッタの気持ちを無下にしてはいけませんよ。」
「ああ…そうだな。アンリエッタよ、本当に優しいな…とりあえずどんな感じなのか見に行ってみようか。」
「姉様…!」
「お父様、ありがとうございます!クリストファー、そんな顔しないで。だって、いいお相手いないかもしれないもの。ね?だから、いいお相手がいるように祈っていてね!」
私は、クリストファーがこの世の終わりのような悲痛な顔になっていたので、努めて明るく言った。
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