【完結】私、噂の令息に嫁ぎます!

まりぃべる

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2. ボウマン子爵家の日常

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 ボウマン子爵家は、王都でも一番端にあり、近くには恵みの森がある。
恵みの森は、植物や生き物が豊富に自生しており、誰でも採取してもよい事になっている。しかも、みな、食べられるのだ。
もちろん、大きな野生動物などは乱獲してはいけないため、決められた日にしか取りに行ってはいけない。

 その恵みの森は、生活が苦しくなったうちの経済状況にとって、無くてはならない場所で、毎日欠かさず行く場所となった。

 なぜか?食料調達のためである。

 調達は、今はアンリエッタの仕事です。昔は、十数人の使用人がいたが、それも少なくなり今は自分の事は自分達でやっているのです。

 初めの頃は、何が何やらわからなかったけれど、そこへ採集しに来ていた人に聞きながらどうにかやっている。
美味しい素材と、どのように料理したら美味しく出来るかを聞く人皆、快く教えてくれた。

 特に、クレールおばさまは、会うと親身になっていろんな世間話をしながら一緒に採集をする仲にまでなった。


 ボウマン子爵家は、昔は野菜の収穫が財源であった。領地もそれなりにあり、社交界に参加する為のドレスなどを新調出来るほど収入もかなりあった。

 しかし、長雨や度重なる嵐の影響で、ひい祖父様の代で領地経営が傾き始め、お祖父様の代でもう立て直しは無理だと諦め領地を国へ返上した。

 農業のノウハウを生かし王宮で役人として働けた為、貴族の爵位までは返上し無くて済んだらしい。

 …今思えば、爵位も返上しておけば体裁を取り繕わなくて済んだんじゃないかしら?

 そう思わないでもいられないほど、貴族生活は大変なのです。


 社交界は、一般的に十六歳になったらデビューする。
そして、お茶会や夜会などで貴族同士の交流を深め、ゆくゆくは結婚相手を見つける。

 私は、それをしていなかった。

 デビューをしないのは珍しくもないので、いいのです。お友達もいないので、行きたいとも思いません。
毎回同じドレスを着るわけにはいかないので、新調しないといけないため、お金がとてもかかりますし。
…しいていえば、綺麗なドレスを、一生に一度くらいは着て素敵な男性とダンスをしてみたいとは思いますが、相手もいないしそもそもダンスの踊り方も知らないのです。

 夢のまた夢ね。



 今日も、恵みの森で食べ物を見つける。
ここは本当に、助かるわ。
石畳の道が真っ直ぐ伸びているので、そこを目印にすれば迷うこともない。
あまり奥に行くと、大型の野生動物がいる恐れもあるので、私は手前の辺りをいつもうろうろとしている。

 美味しい植物や昆虫を採集する。
もちろん、食べる分だけ調達させてもらう。あるものみな食べられるとは言っても、料理の仕方で美味しくない場合もあるし、素材自体味がしないものもあるのだ。

 私の他にも、取りに来ている人達をよく見掛けるが、さすが恵みの森。毎日来ても、植物も生き物も生み出されているのか溢れるほどあるわ。

 私はよだれを垂らさないように気をつけながら、今日の食事は何にしようかと考えながら日課の採集をしていた。
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