3 / 25
3. 結婚案内所
しおりを挟む
この国には、王立の結婚案内所というとても便利な機関がある。
学院に通ったりして、異性と出会い結婚出来る人がいる一方で、私のように学院に通っていなかったり、通っていても思うように出会いがない人達が頼る場所。
…という事を、この前恵みの森でよく見掛ける、クレールおばさまが『アンリエッタちゃんもそろそろいい歳だろう?当てがないならそういう所を頼るのも手だよ。』と教えてくれたのだ。
弟のクリストファーの入学資金もそろそろ工面しないといけない時期になったので、思い切って朝食の時にその話題をしてみました。
「ねぇお父様。結婚案内所に連れて行ってもらえませんか?」
「なに!?ん!!ごほっげほっ!!」
お、お父様咳き込んでしまったわ。
「あなた!大丈夫?もう!あなたが見繕わないから、アンリエッタがそう言ってくれてるんでしょ?よく知っていたわね。まだまだアンリエッタは子供だと思っていたけれど、家の事をいろいろと考えてくれてるのね。結婚するとなると淋しいけれど、一度行ってきたら?」
「サマンサ…。」
お父様は、私の後押しをしてくれたお母様をみて今にも泣きそうな顔をしているわ。
「お父様。お願いします。」
「アンリエッタ…以前言った事は本気だと言う事だな。」
「はい。私と結婚してくれる人と出会えるのかはわからないけれど、出来ればとてもお金持ちがいいなと思っているの。結婚支度金を頂けたら、それでクリストファーの入学資金も賄えるでしょう?」
「うん?うん…。」
「姉様!僕は、姉様の犠牲の上で学院に通えたとしても嬉しくありません!今まで通り独学で勉強して、必ずや王宮に勤めますから!」
お父様は優しい性格の為、悩んでいる様子です。
その心優しい性格ゆえ、お父様はお知り合いの人の息子と結婚しろなどとは言ってこないのですが、以前相談した時に模索して下されば、案内所へ行かなくても済んだのですのに。
と、そのような恨めしい事も思ってしまいます。
クリストファーもとても優しいので、そのように言いましたが、実の所は学院で学びたいと思っているでしょう。うちにある書物は、古いし初歩的な学びしか出来ないものばかりなのですから。
「相手がすぐに見つかるかどうかは分からないけれど、行ってみたいのです。」
「うむ…そうだな。私も、同僚にうちの娘と結婚しないかと打診する事はどうしても出来なくてな、済まない。」
「それはそうよ。親戚になるわけよ?同僚が親戚になるなんて面倒なだけよ。それに、知り合いじゃない方が、結婚支度金を準備してくれるかもしれないでしょう?ほらほら、今度の休みにでも行って来てちょうだい!アンリエッタの気持ちを無下にしてはいけませんよ。」
「ああ…そうだな。アンリエッタよ、本当に優しいな…とりあえずどんな感じなのか見に行ってみようか。」
「姉様…!」
「お父様、ありがとうございます!クリストファー、そんな顔しないで。だって、いいお相手いないかもしれないもの。ね?だから、いいお相手がいるように祈っていてね!」
私は、クリストファーがこの世の終わりのような悲痛な顔になっていたので、努めて明るく言った。
学院に通ったりして、異性と出会い結婚出来る人がいる一方で、私のように学院に通っていなかったり、通っていても思うように出会いがない人達が頼る場所。
…という事を、この前恵みの森でよく見掛ける、クレールおばさまが『アンリエッタちゃんもそろそろいい歳だろう?当てがないならそういう所を頼るのも手だよ。』と教えてくれたのだ。
弟のクリストファーの入学資金もそろそろ工面しないといけない時期になったので、思い切って朝食の時にその話題をしてみました。
「ねぇお父様。結婚案内所に連れて行ってもらえませんか?」
「なに!?ん!!ごほっげほっ!!」
お、お父様咳き込んでしまったわ。
「あなた!大丈夫?もう!あなたが見繕わないから、アンリエッタがそう言ってくれてるんでしょ?よく知っていたわね。まだまだアンリエッタは子供だと思っていたけれど、家の事をいろいろと考えてくれてるのね。結婚するとなると淋しいけれど、一度行ってきたら?」
「サマンサ…。」
お父様は、私の後押しをしてくれたお母様をみて今にも泣きそうな顔をしているわ。
「お父様。お願いします。」
「アンリエッタ…以前言った事は本気だと言う事だな。」
「はい。私と結婚してくれる人と出会えるのかはわからないけれど、出来ればとてもお金持ちがいいなと思っているの。結婚支度金を頂けたら、それでクリストファーの入学資金も賄えるでしょう?」
「うん?うん…。」
「姉様!僕は、姉様の犠牲の上で学院に通えたとしても嬉しくありません!今まで通り独学で勉強して、必ずや王宮に勤めますから!」
お父様は優しい性格の為、悩んでいる様子です。
その心優しい性格ゆえ、お父様はお知り合いの人の息子と結婚しろなどとは言ってこないのですが、以前相談した時に模索して下されば、案内所へ行かなくても済んだのですのに。
と、そのような恨めしい事も思ってしまいます。
クリストファーもとても優しいので、そのように言いましたが、実の所は学院で学びたいと思っているでしょう。うちにある書物は、古いし初歩的な学びしか出来ないものばかりなのですから。
「相手がすぐに見つかるかどうかは分からないけれど、行ってみたいのです。」
「うむ…そうだな。私も、同僚にうちの娘と結婚しないかと打診する事はどうしても出来なくてな、済まない。」
「それはそうよ。親戚になるわけよ?同僚が親戚になるなんて面倒なだけよ。それに、知り合いじゃない方が、結婚支度金を準備してくれるかもしれないでしょう?ほらほら、今度の休みにでも行って来てちょうだい!アンリエッタの気持ちを無下にしてはいけませんよ。」
「ああ…そうだな。アンリエッタよ、本当に優しいな…とりあえずどんな感じなのか見に行ってみようか。」
「姉様…!」
「お父様、ありがとうございます!クリストファー、そんな顔しないで。だって、いいお相手いないかもしれないもの。ね?だから、いいお相手がいるように祈っていてね!」
私は、クリストファーがこの世の終わりのような悲痛な顔になっていたので、努めて明るく言った。
26
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので田舎で猫と暮らします
たくわん
恋愛
社交界の華と謳われた伯爵令嬢セレスティアは、王太子から「完璧すぎて息が詰まる」と婚約破棄を告げられる。傷心のまま逃げるように向かったのは、亡き祖母が遺した田舎の小さな屋敷だった。
荒れ果てた屋敷、慣れない一人暮らし、そして庭に住みついた五匹の野良猫たち。途方に暮れるセレスティアの隣には、無愛想で人嫌いな青年医師・ノアが暮らしていた。
「この猫に構うな。人間嫌いだから」
冷たく突き放すノアだが、捨て猫を保護し、傷ついた動物を治療する彼の本当の姿を知るうちに、セレスティアの心は少しずつ惹かれていく。
猫の世話を通じて近づく二人。やがて明かされるノアの過去と、王都から届く縁談の催促。「完璧な令嬢」を脱ぎ捨てた先に待つ、本当の自分と本当の恋——。
ざまぁに失敗したけど辺境伯に溺愛されています
木漏れ日
恋愛
天才魔術師セディが自分の番である『異界渡りの姫』を召喚したとき、16歳の少女奈緒はそれに巻き込まれて、壁外という身分を持たない人々が住む場所に落ちました。
少女は自分を異世界トリップに巻き込んだ『異界渡り姫』に復讐しようとして失敗。なぜかロビン辺境伯は少女も『異界渡りの姫』だと言って溺愛するのですが……
陰陽の姫シリーズ『図書館の幽霊って私のことですか?』と連動しています。
どちらからお読み頂いても話は通じます。
冷徹公爵閣下は、書庫の片隅で私に求婚なさった ~理由不明の政略結婚のはずが、なぜか溺愛されています~
白桃
恋愛
「お前を私の妻にする」――王宮書庫で働く地味な子爵令嬢エレノアは、ある日突然、<氷龍公爵>と恐れられる冷徹なヴァレリウス公爵から理由も告げられず求婚された。政略結婚だと割り切り、孤独と不安を抱えて嫁いだ先は、まるで氷の城のような公爵邸。しかし、彼女が唯一安らぎを見出したのは、埃まみれの広大な書庫だった。ひたすら書物と向き合う彼女の姿が、感情がないはずの公爵の心を少しずつ溶かし始め…?
全7話です。
差し出された毒杯
しろねこ。
恋愛
深い森の中。
一人のお姫様が王妃より毒杯を授けられる。
「あなたのその表情が見たかった」
毒を飲んだことにより、少女の顔は苦悶に満ちた表情となる。
王妃は少女の美しさが妬ましかった。
そこで命を落としたとされる少女を助けるは一人の王子。
スラリとした体型の美しい王子、ではなく、体格の良い少し脳筋気味な王子。
お供をするは、吊り目で小柄な見た目も中身も猫のように気まぐれな従者。
か○みよ、○がみ…ではないけれど、毒と美しさに翻弄される女性と立ち向かうお姫様なお話。
ハピエン大好き、自己満、ご都合主義な作者による作品です。
同名キャラで複数の作品を書いています。
立場やシチュエーションがちょっと違ったり、サブキャラがメインとなるストーリーをなどを書いています。
ところどころリンクもしています。
※小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿しています!
婚約破棄?結構ですわ。公爵令嬢は今日も優雅に生きております
鍛高譚
恋愛
婚約破棄された直後、階段から転げ落ちて前世の記憶が蘇った公爵令嬢レイラ・フォン・アーデルハイド。
彼女の前世は、ブラック企業で心身をすり減らして働いていたOLだった。――けれど、今は違う!
「復讐? 見返す? そんな面倒くさいこと、やってられませんわ」
「婚約破棄? そんなの大したことじゃありません。むしろ、自由になって最高ですわ!」
貴族の婚姻は家同士の結びつき――つまりビジネス。恋愛感情など二の次なのだから、破談になったところで何のダメージもなし。
それよりも、レイラにはやりたいことがたくさんある。ぶどう園の品種改良、ワインの販路拡大、新商品の開発、そして優雅なティータイム!
そう、彼女はただ「貴族令嬢としての特権をフル活用して、人生を楽しむ」ことを決めたのだ。
ところが、彼女の自由気ままな行動が、なぜか周囲をざわつかせていく。
婚約破棄した王太子はなぜか複雑な顔をし、貴族たちは彼女の事業に注目し始める。
そして、彼女が手がけた最高級ワインはプレミア化し、ついには王室から直々に取引の申し出が……!?
「はぁ……復讐しないのに、勝手に“ざまぁ”になってしまいましたわ」
復讐も愛憎劇も不要!
ただひたすらに自分の幸せを追求するだけの公爵令嬢が、気づけば最強の貴族になっていた!?
優雅で自由気ままな貴族ライフ、ここに開幕!
虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜
ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」
あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。
「セレス様、行きましょう」
「ありがとう、リリ」
私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。
ある日精霊たちはいった。
「あの方が迎えに来る」
カクヨム/なろう様でも連載させていただいております
捨てられた私は遠くで幸せになります
高坂ナツキ
恋愛
ペルヴィス子爵家の娘であるマリー・ド・ペルヴィスは来る日も来る日もポーションづくりに明け暮れている。
父親であるペルヴィス子爵はマリーの作ったポーションや美容品を王都の貴族に売りつけて大金を稼いでいるからだ。
そんな苦しい生活をしていたマリーは、義家族の企みによって家から追い出されることに。
本当に家から出られるの? だったら、この機会を逃すわけにはいかない!
これは強制的にポーションを作らせられていた少女が、家族から逃げて幸せを探す物語。
8/9~11は7:00と17:00の2回投稿。8/12~26は毎日7:00に投稿。全21話予約投稿済みです。
美醜聖女は、老辺境伯の寡黙な溺愛に癒やされて、真の力を解き放つ
秋津冴
恋愛
彼は結婚するときこう言った。
「わしはお前を愛することはないだろう」
八十を越えた彼が最期を迎える。五番目の妻としてその死を見届けたイザベラは十六歳。二人はもともと、契約結婚だった。
左目のまぶたが蜂に刺されたように腫れあがった彼女は左右非対称で、美しい右側と比較して「美醜令嬢」と侮蔑され、聖女候補の優秀な双子の妹ジェシカと、常に比較されて虐げられる日々。
だがある時、女神がその身に降臨したはイザベラは、さまざまな奇跡を起こせるようになる。
けれども、妹の成功を願う優しい姉は、誰にもそのことを知らせないできた。
彼女の秘めた実力に気づいた北の辺境伯ブレイクは、経営が破綻した神殿の借金を肩代わりする条件として、イザベラを求め嫁ぐことに。
結界を巡る魔族との戦いや幾つもの試練をくぐり抜け、その身に宿した女神の力に導かれて、やがてイザベラは本当の自分を解放する。
その陰には、どんなことでも無言のうちに認めてくれる、老いた辺境伯の優しさに満ちた環境があった。
イザベラは亡き夫の前で、女神にとある願いを捧げる。
他の投稿サイトでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる