【完結】私、噂の令息に嫁ぎます!

まりぃべる

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4. 結婚案内所に行くと

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 三日後。
お父様のお休みの日に、王都の一角にある結婚案内所へ一緒に向かいました。

 馬車が無いので、歩いて向かいます。お父様は、毎日家から王宮まで歩いて通っているので迷うこともなく連れて行ってくれました。


「ここ?」

「みたいだな。」

 なんだか、外観はごく普通の家みたいです。
でも、入り口の看板には『結婚案内所。迷っている方もそうでない方も、お喋りに来て下さい。』と書いてあった。

 早速、お父様が入り口の扉を開ける。

 すると、中は結構広く、間仕切りで四つほどスペースが分けられていた。

「いらっしゃいませ!さぁ、こちらへどうぞ。」

 とすぐにお父様より幾分か年上に見える赤い髪の女性が出てきてそう言って、一番奥のスペースに案内してくれた。
スペースには、机と、三人掛けのイスが向かい合わせにあるだけだった。

「今日はどうされました?」

 イスに座ってすぐに、赤い髪の女性はそう言って話し出した。

「ええと、ここは初めてでして…。娘に合う相手がいるかどうか、相談に来たのです。希望がいろいろとあるのですが、果たして、いいお相手がいますかどうか…。」

「そうですか。希望はきっといろいろとありますよね。けれど、それが全部叶うわけではありません。相手にも、希望があるわけですからね。それをふまえて、お聞きしましょうか。まず、お名前からいいですか?書類を作成しますね。私はイシスと申します。あ、こちらでは、秘密にして欲しい事柄は厳守しますから安心して下さいね。」

「はい…。私は、カレル=ボウマンです。娘はアンリエッタです。」

「なるほど。ありがとうございます。では次に、希望があると言われましたがどのようなものでしょうか?」

「お金持ちがいいです!」

「お、おいアンリエッタ!」

「だって…秘密は厳守するって言ってくれたじゃない。はっきりした希望を言わないと、ピッタリの相手がいるか分からないもの。」

「ふふふ。アンリエッタ様、はっきりしていて素晴らしいです。差し支えなければ、なぜお金持ちがいいのか聞いてもよろしいですか?」

「はい。うちは、もうすぐ学院に入学出来る年齢の弟がいるのですが、入学資金を調達するにはお金が要りまして。うちは子爵の爵位を持ってますが、少し難しいのです。ですから結婚準備金として、お金を準備して下さる方がいれば、そのお金を弟の入学資金へ回せるのでそうしたいのです。もっと言うと、それを目当てで相手を探しに来ました。」

「なるほど…。性格とかの希望はありますか?」

「うーん、特にありません。そりゃ、優しい方がいいに決まってますけど、私にも衣食住を提供して下さるのなら、愛人がいる人でも構いません。」

「アンリエッタ!さすがにそれは…!」

「なるほどぉ…。じゃあ、アンリエッタ様。資産がお有りになる方で、とてもピッタリな方がいますよ!」

「本当ですか!?」
「なに!?」

 すごいわ!そんなにすぐ見つかるなんて!いいお相手だといいのだけれど…。
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