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5. お相手の希望
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「その方はとってもいい人でしてね。私共にもほら、このブラウス、見て下さいな。生地がシルクでとてもいいものなのですよ。これをここで働いている皆に下さいましてね。ちょっと何度もここでお世話している方なのですけど、お顔もハンサムだし、性格も優しくていい人なのですよ。」
そのブラウスは、長袖で胸元にポケットまでついていてとても上質な素材に見えた。
「何度も?」
「ええ…。彼はとてもいい方なのですけど、なぜか彼と結婚してご一緒に住まれると、お相手が離婚して来るのですよ。それでかれこれ…十回目かしらね。」
「…暴力とか?」
「とんでもない!彼はとても穏やかな方で、ちょっと優しすぎるほどですわ。ただ…破談理由は皆様『私には無理です』しか言ってくれませんから、それ以上分からないのです。彼も、『僕が至らないからいけないみたいだ。』と言われてましてねぇ。とってもいい方なのですよ。私共でも相手をお勧めするのが商売ですから、変な人を紹介は出来ません。だから、酒癖、ギャンブル癖、暴力癖、女癖がある方はお断りしているんです。その点は大丈夫ですから、一度、お会いしてみませんか?」
「止めよう。」
「お願いします!」
「アンリエッタ!?」
「だってお父様。私が言った、お金持ちの条件にはあてはまりそうよ。優しい人らしいし。会ってみなければ、どんな人柄か分からないわ!」
「しかしな…今回で十回目とは、何か性格に問題があるやもしれん。」
「確かにそうね。あの、その人は条件って言ってきてるのですか?」
お父様の言う事も一理あるけれど、お勧めしてくれた人、どういう人なのかしら。十回もここでお世話になっているって逆に興味が湧いてきたわ。
「条件は、初めの内はありましたが、もう何度も離婚していますからね。穏やかに生活をしてくれる人ならどんな方でもいいそうですよ。あ!すみません…一つ言い忘れてました。彼、年齢が三十歳なのですけれど、よろしいでしょうか。年の差婚ですけれど。」
「三十歳!?私のが年齢が近いではないか!無理だ!無理無理!!帰るぞ、アンリエッタ!」
「お父様、少し落ち着いて下さいな。三十歳でも、四十歳でも大丈夫ですわ。お優しい方なのでしょう?私は、最低でも衣食住を提供して下さればそれで充分です。あ、あと弟の入学資金や、学院に掛かる費用を賄ってくれると助かるのです。暴力はないと言いますから。」
「そんなアンリエッタ…!結婚は、いいものなんだよ。私だって、サマンサといてとても幸せなのだから。だから、アンリエッタには幸せになって欲しいんだよ。」
「充分理解しているわ。お父様とお母様を見ているとそうなりたいとは思うわよ。でもね、理想と現実って、かけ離れているものなのよ。」
「ボウマン子爵様。先ほども申し上げた通り彼は、とてもいい方なのです。ですから、相性さえ合えば、とても幸せな結婚生活を送れると思いますよ。では、お会いされるなら、お名前をお教えしますよ。よろしいですか?個人情報をお伝えしますと、急に取り止める事は出来なくなります。もし一度考えたいのでしたら、今日はここまでという事にしましょうか。」
「いいえ!次来る時にその方がまだいらっしゃるかはわかりませんもの。是非ともよろしくお願いします!」
自分でも少し鼻息荒いような気もしたけれど、これを逃してはならないとイシスさんに前のめりにお願いした。
そのブラウスは、長袖で胸元にポケットまでついていてとても上質な素材に見えた。
「何度も?」
「ええ…。彼はとてもいい方なのですけど、なぜか彼と結婚してご一緒に住まれると、お相手が離婚して来るのですよ。それでかれこれ…十回目かしらね。」
「…暴力とか?」
「とんでもない!彼はとても穏やかな方で、ちょっと優しすぎるほどですわ。ただ…破談理由は皆様『私には無理です』しか言ってくれませんから、それ以上分からないのです。彼も、『僕が至らないからいけないみたいだ。』と言われてましてねぇ。とってもいい方なのですよ。私共でも相手をお勧めするのが商売ですから、変な人を紹介は出来ません。だから、酒癖、ギャンブル癖、暴力癖、女癖がある方はお断りしているんです。その点は大丈夫ですから、一度、お会いしてみませんか?」
「止めよう。」
「お願いします!」
「アンリエッタ!?」
「だってお父様。私が言った、お金持ちの条件にはあてはまりそうよ。優しい人らしいし。会ってみなければ、どんな人柄か分からないわ!」
「しかしな…今回で十回目とは、何か性格に問題があるやもしれん。」
「確かにそうね。あの、その人は条件って言ってきてるのですか?」
お父様の言う事も一理あるけれど、お勧めしてくれた人、どういう人なのかしら。十回もここでお世話になっているって逆に興味が湧いてきたわ。
「条件は、初めの内はありましたが、もう何度も離婚していますからね。穏やかに生活をしてくれる人ならどんな方でもいいそうですよ。あ!すみません…一つ言い忘れてました。彼、年齢が三十歳なのですけれど、よろしいでしょうか。年の差婚ですけれど。」
「三十歳!?私のが年齢が近いではないか!無理だ!無理無理!!帰るぞ、アンリエッタ!」
「お父様、少し落ち着いて下さいな。三十歳でも、四十歳でも大丈夫ですわ。お優しい方なのでしょう?私は、最低でも衣食住を提供して下さればそれで充分です。あ、あと弟の入学資金や、学院に掛かる費用を賄ってくれると助かるのです。暴力はないと言いますから。」
「そんなアンリエッタ…!結婚は、いいものなんだよ。私だって、サマンサといてとても幸せなのだから。だから、アンリエッタには幸せになって欲しいんだよ。」
「充分理解しているわ。お父様とお母様を見ているとそうなりたいとは思うわよ。でもね、理想と現実って、かけ離れているものなのよ。」
「ボウマン子爵様。先ほども申し上げた通り彼は、とてもいい方なのです。ですから、相性さえ合えば、とても幸せな結婚生活を送れると思いますよ。では、お会いされるなら、お名前をお教えしますよ。よろしいですか?個人情報をお伝えしますと、急に取り止める事は出来なくなります。もし一度考えたいのでしたら、今日はここまでという事にしましょうか。」
「いいえ!次来る時にその方がまだいらっしゃるかはわかりませんもの。是非ともよろしくお願いします!」
自分でも少し鼻息荒いような気もしたけれど、これを逃してはならないとイシスさんに前のめりにお願いした。
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