【完結】私、噂の令息に嫁ぎます!

まりぃべる

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1. ボウマン子爵家

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 私は、アンリエッタ=ボウマンと申します。
今年、十六歳になりました。
容姿は、この国の一般的な、茶色い髪で腰までまっすぐに伸ばしています。
髪型を整えるのが楽なので、出来る事なら肩くらいまでの長さにしたいのですが、私も一応貴族の端くれですので、決まりがいろいろあってそれは難しいのです。

 お父様は、カレル=ボウマン子爵です。王宮で大臣を勤めています。
子爵と言っても、今は、体裁を取り繕うだけで精一杯の、貧乏子爵ですわ。


 この国は、十三歳になると男女貴族平民の区別なく行きたい子は王立学院に通います。
そこで、さまざまな事を習い、将来に役立てるのです。
けれど、授業料はそれなりにするので払える子しか通えません。
分割、という方法もあったのですが、私は通いませんでした。

 お父様には、早々に『私は王立学院には通いません。その分、弟の費用に充てて下さい。』と伝えていたのです。

 そりゃあ、通えるものだったら通いたかったわ、お友達も出来るでしょうし。
でも、私が通う為に、今の生活をもっと切り詰めてもらうのは、嫌だったのよね。

 それでも、三歳下の弟のクリストファーには通って欲しかった。

 弟は幼い頃からうちの小さな書斎にある書物を片っ端から読んでいて、それはもう優秀だったから、将来の為に、入学しておいて損はないでしょうからね!

 でも、お祖父様の代で領地も手放してしまったので収入はお父様が王宮で働いた分だけ。

 お父様も、弟の入学費を工面するのに頭を悩ませていたわ。
だから、お父様に言ってみたの。

「お父様。私ももう十六歳。どこか裕福な方の元へ嫁ぐ事で、お相手から資金の工面などしてもらえないのでしょうか。」

 お父様は、目が飛び出んばかりに驚いていたわ。私がそんな事考えているなんて思ってもみなかったのね。

 でも、私は本気よ。

 私が結婚する事で、相手方から資金提供してもらえるなら安いものだわ。
どんなお相手でも、日々の生活さえ約束して下さるのなら我慢するわ。たとえ、愛人がいる人とかでもね。
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