【完結】婿入り予定の婚約者は恋人と結婚したいらしい 〜そのひと爵位継げなくなるけどそんなに欲しいなら譲ります〜

早奈恵

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本編

17.本音を言っても良いかしら?①

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 私は盛大なため息をいて気を落ち着かせデニスに問いかける。


「世の中には好きと嫌いしか無いの?」

「……そんなことは言ってないだろ」

「私の中でデニスは、完全に親戚の一人よ。嫌いではないけど、好きでもないわ」

「なんで……? だったら、前は? 婚約者の時は、好きだったんだろ?」

「前は……」



 本当の私の気持ちを言ったら、デニスが傷ついちゃわないかしら?

 私はちょっと躊躇ためらって、ブラッドを見た。

 彼は私の気持ちも言いたいことも分かってくれているようで、困ったように首を傾げる。

 ブラッドの気持ちとしては、ここでハッキリ言ってしまえば良いと思っていると思う。

 でも、私がデニスを親戚の一人として扱っているから、私の気持ちを優先させようとして『どっちでも良いよ。好きにして良いんだよ』って言ってくれてるんだ。

 ブラッドの気持ちが嬉しくて、熱いものが湧き上がってくる。



「ブラッドリーの前で言いにくいかもしれないけど、ハッキリ言ってくれて良いんだ。ステファニーの気持ちを正直に言ってくれ」



 ブラッドの優しさに感動してるのを台無だいなしにされて、さすがの私もイラッときた。

 デニスから見たらもしかして、ブラッドを捨てるのがかわいそうで言えないようにでも見えたのかしら?

 よろしい。

 私の正直な気持ちが聞きたいのなら、存分に聞かせてあげようではないか。



「デニス。私、子供のころからずーっと思ってたんだけど……」

「そんなに前から……俺のことを?」

「えぇ。なんなら歩き始めたころから……かもしれないけど」

「なんだよ。それならそうと言ってくれてたら、俺だってもっと前にステファニーと婚約したのに」

「あなたのこと、出来の悪いくらいにしか思ってなかったわ」

「はあ? ステファニー?」



 いままでにこやかに笑っていたデニスの顔が一瞬でゆがんだ。

 今や真っ赤になって頭から湯気が出そうな様相ようそうである。

 だからって追撃をめたりしない。
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