【完結】見えてますよ!

ユユ

文字の大きさ
3 / 30

ふり

しおりを挟む
さっきのメイドに連れられて公爵家の侍医が来て、ひと通り診察を受けた。打身が残った程度だった。

「リリアーナ様、思い出せないとのことでしたが」

そこで閃いた。誤解しているようだから利用して解消しよう!

「ここは?何故ここに?」

「…リリアーナ様、ここはオヌール公爵邸でガーデンパーティーの最中でした。2階のバルコニーから転落なさったのです」

「そうなのですか?」

「2日間、昏睡なさっておられました」

「確かに体が痛くてだるいです。ご迷惑をおかけいたしました。帰りますので馬車を出していただけませんか」

「まだ安静にしてください」

「帰りたいのです」

そう言って起きあがろうとした時、公爵一家が入ってきた。

「リリアーナ!起きては駄目だ!」

「リリちゃん、寝ていなさい」

「先生、リリアーナはどうなんだ」

「打身だけのようですが、記憶に問題があるようです。ここが何処なのか、何故ここにいるのか分からないようで」

「リリアーナ!私の名前は!」

「……初めまして」

「!!」

「リリちゃん、私の名前は?」

「ローザ様です」

「リリアーナ、私の名前は」

「デービッド・オヌール様です」

「リリちゃん!貴女の婚約者のランドルフよ!」

「婚約者? 私は婚約者はおりません。ランドルフ様? どちらの方ですか?」

「リリアーナ…ランドルフは私達の息子だ」

「公爵令息?
私のような者が公爵令息の婚約者だなんて畏れ多いことでございます」

「本当なのよ。リリちゃんは私達の息子ランドルフと8歳の頃から婚約しているの」

「…帰らせていただけますか。
お世話になり、申し訳ございませんが。

何故婚約しているのか分かりませんが、これでは婚約者は務まりません。辞退させていただけませんか」

「婚約は続ける」

「公爵様、何か、我が家との政略的なお約束事があるのでしょうか」

「公爵家と伯爵家にそのようなことはない」

政略じゃないの!?親が親友だから私達は巻き込まれたのね!

「公爵令息様を覚えていない私は足手纏いですわ。
どなたか相応しいご令嬢をお探しください。
オヌール家でしたら、喜ばれますわ」

「…そう思うのならこのままでいいじゃないか」

「公爵令息様、私では釣り合いがとれませんわ」

「リリアーナ!」

「ランドルフ、昏睡から覚めたばかりなのよ。時間が必要よ。

リリちゃん、せめてここで療養してちょうだい」

「帰りたいのです」

「…伯爵家に連絡を入れる。伯爵に判断を委ねよう」

「ありがとうございます」

「父上!!」

「ランドルフ、ここは引け」

「っ!!」




1時間後、兄がメイド2人と迎えに来た。

「お兄様、ありがとうございます」

「いや…

公爵様、リリアーナがお世話になりました。
今後のことは後日、話し合いをしましょう」

「分かった。申し訳なかった」

メイドに支えられ、馬車で帰宅した。

その後1週間の療養をした。痣はまだ残るが大丈夫。

その間毎日公爵家の侍医が往診に来て下さった。



今回の事で驚いたことがある。ランドルフ様の仮面が剥がれたことだ。

何故か分からないけど解消を嫌がっている様だし。

そして私はが見えるようになった。それは日付と人の名前だった。

公爵様の方は22年前の日付でミシェット・カトラから始まり、何人か続いた後に夫人の名前が出てきた。夫人は公爵の名前だけ。

ランドルフ様は出てこない。

メイドは3人、お医者様は2人。

兄様は2年前の日付で婚約者マリエッタの名前が。

これは一体なんなのか。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね

ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。 失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。

婚約者に愛する人が出来たので、身を引く事にしました

Blue
恋愛
 幼い頃から家族ぐるみで仲が良かったサーラとトンマーゾ。彼が学園に通うようになってしばらくして、彼から告白されて婚約者になった。サーラも彼を好きだと自覚してからは、穏やかに付き合いを続けていたのだが、そんな幸せは壊れてしまう事になる。

婚約破棄したその場から、ざまぁは始まっていました

ふわふわ
恋愛
王国随一の名門、アルファルド公爵家の令嬢シャウラは、 ある日、第一王子アセルスから一方的に婚約を破棄される。 理由はただ一つ―― 「平民出身の聖女と婚約するため」。 だが、その“婚約破棄したその場”で、ざまぁはすでに始まっていた。 シャウラは泣かず、怒らず、抗議もしない。 ただ静かに席を立っただけ。 それだけで―― 王国最大派閥アルファルド派は王子への支持を撤回し、 王国最大の商会は資金提供を打ち切り、 王太子候補だったアセルスは、政治と経済の両方を失っていく。 一方シャウラは、何もしていない。 復讐もしない。断罪もしない。 平穏な日常を送りながら、無自覚のまま派閥の結束を保ち続ける。 そして王国は、 “王太子を立てない”という前代未聞の選択をし、 聡明な第一王女マリーが女王として即位する――。 誰かを裁くことなく、 誰かを蹴落とすことなく、 ただ「席を立った」者だけが、最後まで穏やかでいられた。 これは、 婚約破棄から始まる―― 静かで、上品で、取り返しのつかないざまぁの物語。 「私は何もしていませんわ」 それが、最強の勝利だった。

「いらない」と捨てられた令嬢、実は全属性持ちの聖女でした

ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・エヴァンス。お前との婚約は破棄する。もう用済み そう言い放ったのは、五年間想い続けた婚約者――王太子アレクシスさま。 広間に響く冷たい声。貴族たちの視線が一斉に私へ突き刺さる。 「アレクシスさま……どういう、ことでしょうか……?」 震える声で問い返すと、彼は心底嫌そうに眉を顰めた。 「言葉の意味が理解できないのか? ――お前は“無属性”だ。魔法の才能もなければ、聖女の資質もない。王太子妃として役不足だ」 「無……属性?」

初耳なのですが…、本当ですか?

あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た! でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。

私の頑張りは、とんだ無駄骨だったようです

風見ゆうみ
恋愛
私、リディア・トゥーラル男爵令嬢にはジッシー・アンダーソンという婚約者がいた。ある日、学園の中庭で彼が女子生徒に告白され、その生徒と抱き合っているシーンを大勢の生徒と一緒に見てしまった上に、その場で婚約破棄を要求されてしまう。 婚約破棄を要求されてすぐに、ミラン・ミーグス公爵令息から求婚され、ひそかに彼に思いを寄せていた私は、彼の申し出を受けるか迷ったけれど、彼の両親から身を引く様にお願いされ、ミランを諦める事に決める。 そんな私は、学園を辞めて遠くの街に引っ越し、平民として新しい生活を始めてみたんだけど、ん? 誰かからストーカーされてる? それだけじゃなく、ミランが私を見つけ出してしまい…!? え、これじゃあ、私、何のために引っ越したの!? ※恋愛メインで書くつもりですが、ざまぁ必要のご意見があれば、微々たるものになりますが、ざまぁを入れるつもりです。 ※ざまぁ希望をいただきましたので、タグを「ざまぁ」に変更いたしました。 ※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。

【完結】私を捨てた国のその後を見守ってみた。

satomi
恋愛
侯爵令嬢のレナは公然の場でというか、卒業パーティーで王太子殿下イズライールに婚約破棄をされた挙句、王太子殿下は男爵令嬢のラーラと婚約を宣言。 殿下は陛下や王妃様がいないときを狙ったんでしょうね。 レナの父はアルロジラ王国の宰相です。実家にはレナの兄が4名いますがみんなそろいもそろって優秀。 長男は領地経営、次男は貿易商、3男は情報屋、4男は…オカマバー経営。 レナは殿下に愛想をつかして、アルロジラ王国の行く末を見守ろうと決意するのです。 次男監修により、国交の断絶しているエミューダ帝国にて。

居候と婚約者が手を組んでいた!

すみ 小桜(sumitan)
恋愛
 グリンマトル伯爵家の一人娘のレネットは、前世の記憶を持っていた。前世は体が弱く入院しそのまま亡くなった。その為、病気に苦しむ人を助けたいと思い薬師になる事に。幸いの事に、家業は薬師だったので、いざ学校へ。本来は17歳から通う学校へ7歳から行く事に。ほらそこは、転生者だから!  って、王都の学校だったので寮生活で、数年後に帰ってみると居候がいるではないですか!  父親の妹家族のウルミーシュ子爵家だった。同じ年の従姉妹アンナがこれまたわがまま。  アンアの母親で父親の妹のエルダがこれまたくせ者で。  最悪な事態が起き、レネットの思い描いていた未来は消え去った。家族と末永く幸せと願った未来が――。

処理中です...