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10 園遊会へ
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こんな話をした翌日、ウィルソン・デキンス様とマイケルが剣術の時間に揉めたと聞いた。
なんでも、素振りをしている時、マイケルが振り間違えて木剣がデニスに当たりそうになって、それをウィルソン・デキンス様が木剣で止めたそうだ。
良かったって思ったが、そうではなくてマイケルがわざとやったとウィルソン・デキンス様は言って、マイケルはうっかりだと言ったそうだ。
そりゃそうだろう。そんな危ないことはいくらなんでもしないよ。マイケルは悪人じゃない。
まぁその争いは、教師が介入してマイケルが不注意を詫びることで終わりになったそうだ。
そして、園遊会の二日前にデニスから、ドレスが届いた。
「レイ、ドレスが届いたんですって」とお姉様が部屋に来た。
「見せて」と言われて
「お姉様のを見たいです。マイケルと色を合わせたのでしょ」と言いながらぐいぐい押して部屋から追い出して、姉の部屋に行こうとしたら
「いえ、それは当日まで見せたくないわ」
「どうしてですか?婚約者とお揃いですよ。見たいに決まってます」と騒いだ。
するとそこに刺客要員のバージルが走って来た。
「だめですよ。レイ姉様はお姉様に近づいてはいけないのですよ」と言った。
「そうでした。妹の婚約者とお揃いの衣裳は両家の意向で作ったものですものね。わたしのような部外者が見てはいけないわ」と言うとバージルが
「そうですよ。上のお姉様とマイケルは両家の意向?」と首をかしげたので
「意向っていうのは同じ考えってこと」と言うと
「両家が同じ考えでお揃いを作ったのですから」
「そうよ。間違えたらだめよ。マイケルとお姉様がお揃いの衣裳なのは両家がそうなって欲しいと思っているからなのよ」と言うと
「そうですよ。僕だってわかります。揃いの衣装の意味くらい。両家の願いです」とバージルが得意顔をした。
「バージルがわかるのにわたしは情けないわね。戻ります。お姉様もわたしの部屋に来てはいけませんよ」と言うとバージルが鼻をふくらませて
「上のお姉様。僕が守りますよ。レイ姉さまの部屋に近づけません」と言った。
「お願いね。バージル」と言うとわたしは、笑いを抑えて自分の部屋に戻った。
さて、園遊会当日、わたしはドレスに着替えた。何種類か試して一番似合うと思った形に髪を結い上げて貰った。やっぱり、侍女に恵まれている。
迎えの馬車が来たが、マイケルの馬車じゃないからデニス?
思ったより豪華ねと失礼なことを思いながら階段を降りた。
誰?ってデニス?
「あぁよく似合う」デニスの声だけど・・・王子様じゃないの!
「デニス?いらっしゃい・・・」
「レイ」と王子様が答えた。
自分の魅力を知っているんだ。デニスめ!
「びっくりした?」といつもの調子で言った。笑顔はいつものデニスの口元だ。
「した、した!凄くした!」とわたしもいつものように答えてしまった。
「レイ、その方は?」と気取った声がした。
お姉様が最高に淑やかで可愛い顔で立っていた。
「ご存知デニスです」とデニスが冷たい声で言った。
そしてわたしのほうを見るとにっこり笑って
「マイケルが来ると面倒だからすぐに出ましょう」と言った。
その時、馬車が入って来た。マイケルの馬車だ。
デニスはわたしの手を取るとドアに急いだ。執事がマイケルを出迎えようとドアを開けるとわたしたちはするりと外に出た。
「待ちなさい。レイ」とお姉様が言ったが無視した。
なんでも、素振りをしている時、マイケルが振り間違えて木剣がデニスに当たりそうになって、それをウィルソン・デキンス様が木剣で止めたそうだ。
良かったって思ったが、そうではなくてマイケルがわざとやったとウィルソン・デキンス様は言って、マイケルはうっかりだと言ったそうだ。
そりゃそうだろう。そんな危ないことはいくらなんでもしないよ。マイケルは悪人じゃない。
まぁその争いは、教師が介入してマイケルが不注意を詫びることで終わりになったそうだ。
そして、園遊会の二日前にデニスから、ドレスが届いた。
「レイ、ドレスが届いたんですって」とお姉様が部屋に来た。
「見せて」と言われて
「お姉様のを見たいです。マイケルと色を合わせたのでしょ」と言いながらぐいぐい押して部屋から追い出して、姉の部屋に行こうとしたら
「いえ、それは当日まで見せたくないわ」
「どうしてですか?婚約者とお揃いですよ。見たいに決まってます」と騒いだ。
するとそこに刺客要員のバージルが走って来た。
「だめですよ。レイ姉様はお姉様に近づいてはいけないのですよ」と言った。
「そうでした。妹の婚約者とお揃いの衣裳は両家の意向で作ったものですものね。わたしのような部外者が見てはいけないわ」と言うとバージルが
「そうですよ。上のお姉様とマイケルは両家の意向?」と首をかしげたので
「意向っていうのは同じ考えってこと」と言うと
「両家が同じ考えでお揃いを作ったのですから」
「そうよ。間違えたらだめよ。マイケルとお姉様がお揃いの衣裳なのは両家がそうなって欲しいと思っているからなのよ」と言うと
「そうですよ。僕だってわかります。揃いの衣装の意味くらい。両家の願いです」とバージルが得意顔をした。
「バージルがわかるのにわたしは情けないわね。戻ります。お姉様もわたしの部屋に来てはいけませんよ」と言うとバージルが鼻をふくらませて
「上のお姉様。僕が守りますよ。レイ姉さまの部屋に近づけません」と言った。
「お願いね。バージル」と言うとわたしは、笑いを抑えて自分の部屋に戻った。
さて、園遊会当日、わたしはドレスに着替えた。何種類か試して一番似合うと思った形に髪を結い上げて貰った。やっぱり、侍女に恵まれている。
迎えの馬車が来たが、マイケルの馬車じゃないからデニス?
思ったより豪華ねと失礼なことを思いながら階段を降りた。
誰?ってデニス?
「あぁよく似合う」デニスの声だけど・・・王子様じゃないの!
「デニス?いらっしゃい・・・」
「レイ」と王子様が答えた。
自分の魅力を知っているんだ。デニスめ!
「びっくりした?」といつもの調子で言った。笑顔はいつものデニスの口元だ。
「した、した!凄くした!」とわたしもいつものように答えてしまった。
「レイ、その方は?」と気取った声がした。
お姉様が最高に淑やかで可愛い顔で立っていた。
「ご存知デニスです」とデニスが冷たい声で言った。
そしてわたしのほうを見るとにっこり笑って
「マイケルが来ると面倒だからすぐに出ましょう」と言った。
その時、馬車が入って来た。マイケルの馬車だ。
デニスはわたしの手を取るとドアに急いだ。執事がマイケルを出迎えようとドアを開けるとわたしたちはするりと外に出た。
「待ちなさい。レイ」とお姉様が言ったが無視した。
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