11 / 23
11 始まった
しおりを挟む
会場に着いた時は、もう賑やかだった。
「今日、面白いことが起きる。レイの気持ちを確認する前だけど、僕は引かないから」とバラの小道を歩きながらデニスが言った。
「引かないって?」ときくと
「うん、自分に正直ってことかな?クリスティーン嬢とかマイケルとかのように」
「レイ」と名前を呼ばれた。メアリーだ。
「メアリー」と返事をしたが、彼女の目は隣りに向いていた。わからないのね
「メアリー。デニスよ」と言うと
「デニス?え?デニス!」とメアリーが言っている所へ婚約者が飲み物を持って戻って来た。
そこで改めてお互いの連れを紹介しあって、しばし話をするとまた、二人ずつとなって、別れた。
「ちょっと隅に隠れていようか」とデニスは言うと隅にある木陰のベンチに向かった。
こうやって大人の貴族のなかにいるとわたしは目立たなくなった。学院にいる時は目立つマイケルの婚約者だから顔は知られていたし、最近の姉とマイケルのことでヒソヒソされていたけど、こうしていると大勢の中の一人だ。
わたしは彼らがなにをしても気にならないし、彼らもわたしを気にしない。
すごくいい。バラもいい香りだし。
そうしていると、なにやら人がある方向に動き出した。王族がいらしたのかしら?
この園遊会は正式な挨拶はしなくても良い。バラを楽しむことを優先させるのだ。
だが、王族がいるなら、拝見したいのが人情。人がそちらに移動する。
「始まったかな」とデニスは呟くと
「見に行こう」とわたしに手を差し出した。
デニスも王族を見たいのかしらと微笑ましく思いながらわたしはバラに目を止めながらゆっくりと歩いた。
騒ぎと言う程大きな声で話していないが、組み合わせで騒ぎだとわかった。
いや、周りが騒ぎを期待しているのがわかった。
宰相であるアミスト侯爵が、お姉様と話していた。
お姉様は話を切り上げたそうだが、アミスト侯爵はそうさせないようだ。
そしてちらっと見上げたデニスの表情から判断すると、デニスは騒ぎに混じる気充分だとわかった。
わたしはどう、したい?
マイケルはどうしたらいいのか戸惑っているようだ。間抜け面を晒している。
うん?こんな風にマイケルを表するって自分が思ってるより気持ちが離れているんだ。
そうよ。諦めることも、抑えることもしなくていいのよ。怒りの頂点越えを経験したわたしだもの。
そこに次の役者が登場した。間抜けなのか?無垢なのか?主役を張れるか?
騎士団長のダグラス侯爵様だ。
「アミスト閣下。いい日和ですね」と挨拶しながらマイケルとお姉様を見て、違和感を感じたようだが、その正体に気付かなかったようだ。そして
「マイケル、レイチャル嬢はどこだ?」と聞いた。
「ダグラス閣下、レイチャル嬢はマイケル殿の婚約者で間違いないか?」とアミスト閣下が聞いた。
「はい、もちろんです。そしてこちらのクリスティーン嬢は御子息の婚約者ですね」とダグラス閣下は答えたが、居心地が悪そうだ。
そこにわたしの両親、ブラウン伯爵夫妻がやって来た。ふふふ、バージルもいるわ。
「おや、お揃いで」と父が声をかけた。
「おや、いい所に伯爵。説明を聞きたかった」とアミスト閣下が言った。
ここから見ていても、ぞくっとした。
「なにやら、見物人が多いな。天幕を使わせて貰うかな」とアミスト侯爵は言って
「お二人もすまないが来て貰えるかな?」とマイケルに向かって言った。
マイケルは頷いただけのようだった。
「では、ダグラス侯爵、ブラウン伯爵。参りましょう」と歩き出した。
しばらくすると、ダグラス侯爵夫人が天幕に入って行った。
その後、アレクサンダー様が入って行った。帰国なさったのか。
「今日、面白いことが起きる。レイの気持ちを確認する前だけど、僕は引かないから」とバラの小道を歩きながらデニスが言った。
「引かないって?」ときくと
「うん、自分に正直ってことかな?クリスティーン嬢とかマイケルとかのように」
「レイ」と名前を呼ばれた。メアリーだ。
「メアリー」と返事をしたが、彼女の目は隣りに向いていた。わからないのね
「メアリー。デニスよ」と言うと
「デニス?え?デニス!」とメアリーが言っている所へ婚約者が飲み物を持って戻って来た。
そこで改めてお互いの連れを紹介しあって、しばし話をするとまた、二人ずつとなって、別れた。
「ちょっと隅に隠れていようか」とデニスは言うと隅にある木陰のベンチに向かった。
こうやって大人の貴族のなかにいるとわたしは目立たなくなった。学院にいる時は目立つマイケルの婚約者だから顔は知られていたし、最近の姉とマイケルのことでヒソヒソされていたけど、こうしていると大勢の中の一人だ。
わたしは彼らがなにをしても気にならないし、彼らもわたしを気にしない。
すごくいい。バラもいい香りだし。
そうしていると、なにやら人がある方向に動き出した。王族がいらしたのかしら?
この園遊会は正式な挨拶はしなくても良い。バラを楽しむことを優先させるのだ。
だが、王族がいるなら、拝見したいのが人情。人がそちらに移動する。
「始まったかな」とデニスは呟くと
「見に行こう」とわたしに手を差し出した。
デニスも王族を見たいのかしらと微笑ましく思いながらわたしはバラに目を止めながらゆっくりと歩いた。
騒ぎと言う程大きな声で話していないが、組み合わせで騒ぎだとわかった。
いや、周りが騒ぎを期待しているのがわかった。
宰相であるアミスト侯爵が、お姉様と話していた。
お姉様は話を切り上げたそうだが、アミスト侯爵はそうさせないようだ。
そしてちらっと見上げたデニスの表情から判断すると、デニスは騒ぎに混じる気充分だとわかった。
わたしはどう、したい?
マイケルはどうしたらいいのか戸惑っているようだ。間抜け面を晒している。
うん?こんな風にマイケルを表するって自分が思ってるより気持ちが離れているんだ。
そうよ。諦めることも、抑えることもしなくていいのよ。怒りの頂点越えを経験したわたしだもの。
そこに次の役者が登場した。間抜けなのか?無垢なのか?主役を張れるか?
騎士団長のダグラス侯爵様だ。
「アミスト閣下。いい日和ですね」と挨拶しながらマイケルとお姉様を見て、違和感を感じたようだが、その正体に気付かなかったようだ。そして
「マイケル、レイチャル嬢はどこだ?」と聞いた。
「ダグラス閣下、レイチャル嬢はマイケル殿の婚約者で間違いないか?」とアミスト閣下が聞いた。
「はい、もちろんです。そしてこちらのクリスティーン嬢は御子息の婚約者ですね」とダグラス閣下は答えたが、居心地が悪そうだ。
そこにわたしの両親、ブラウン伯爵夫妻がやって来た。ふふふ、バージルもいるわ。
「おや、お揃いで」と父が声をかけた。
「おや、いい所に伯爵。説明を聞きたかった」とアミスト閣下が言った。
ここから見ていても、ぞくっとした。
「なにやら、見物人が多いな。天幕を使わせて貰うかな」とアミスト侯爵は言って
「お二人もすまないが来て貰えるかな?」とマイケルに向かって言った。
マイケルは頷いただけのようだった。
「では、ダグラス侯爵、ブラウン伯爵。参りましょう」と歩き出した。
しばらくすると、ダグラス侯爵夫人が天幕に入って行った。
その後、アレクサンダー様が入って行った。帰国なさったのか。
2,125
あなたにおすすめの小説
愛されヒロインの姉と、眼中外の妹のわたし
香月文香
恋愛
わが国の騎士団の精鋭二人が、治癒士の少女マリアンテを中心とする三角関係を作っているというのは、王宮では当然の常識だった。
治癒士、マリアンテ・リリベルは十八歳。容貌可憐な心優しい少女で、いつもにこやかな笑顔で周囲を癒す人気者。
そんな彼女を巡る男はヨシュア・カレンデュラとハル・シオニア。
二人とも騎士団の「双璧」と呼ばれる優秀な騎士で、ヨシュアは堅物、ハルは軽薄と気質は真逆だったが、女の好みは同じだった。
これは見目麗しい男女の三角関係の物語――ではなく。
そのかたわらで、誰の眼中にも入らない妹のわたしの物語だ。
※他サイトにも投稿しています
妹が私の婚約者と結婚しちゃったもんだから、懲らしめたいの。いいでしょ?
百谷シカ
恋愛
「すまない、シビル。お前が目覚めるとは思わなかったんだ」
あのあと私は、一命を取り留めてから3週間寝ていたらしいのよ。
で、起きたらびっくり。妹のマーシアが私の婚約者と結婚してたの。
そんな話ある?
「我がフォレット家はもう結婚しかないんだ。わかってくれ、シビル」
たしかにうちは没落間近の田舎貴族よ。
あなたもウェイン伯爵令嬢だって打ち明けたら微妙な顔したわよね?
でも、だからって、国のために頑張った私を死んだ事にして結婚する?
「君の妹と、君の婚約者がね」
「そう。薄情でしょう?」
「ああ、由々しき事態だ。私になにをしてほしい?」
「ソーンダイク伯領を落として欲しいの」
イヴォン伯爵令息モーリス・ヨーク。
あのとき私が助けてあげたその命、ぜひ私のために燃やしてちょうだい。
====================
(他「エブリスタ」様に投稿)
これでもう、『恥ずかしくない』だろう?
月白ヤトヒコ
恋愛
俺には、婚約者がいた。
俺の家は傍系ではあるが、王族の流れを汲むもの。相手は、現王室の決めた家の娘だそうだ。一人娘だというのに、俺の家に嫁入りするという。
婚約者は一人娘なのに後継に選ばれない不出来な娘なのだと解釈した。そして、そんな不出来な娘を俺の婚約者にした王室に腹が立った。
顔を見る度に、なぜこんな女が俺の婚約者なんだ……と思いつつ、一応婚約者なのだからとそれなりの対応をしてやっていた。
学園に入学して、俺はそこで彼女と出逢った。つい最近、貴族に引き取られたばかりの元平民の令嬢。
婚約者とは全然違う無邪気な笑顔。気安い態度、優しい言葉。そんな彼女に好意を抱いたのは、俺だけではなかったようで……今は友人だが、いずれ俺の側近になる予定の二人も彼女に好意を抱いているらしい。そして、婚約者の義弟も。
ある日、婚約者が彼女に絡んで来たので少し言い合いになった。
「こんな女が、義理とは言え姉だなんて僕は恥ずかしいですよっ! いい加減にしてくださいっ!!」
婚約者の義弟の言葉に同意した。
「全くだ。こんな女が婚約者だなんて、わたしも恥ずかしい。できるものなら、今すぐに婚約破棄してやりたい程に忌々しい」
それが、こんなことになるとは思わなかったんだ。俺達が、周囲からどう思われていたか……
それを思い知らされたとき、絶望した。
【だって、『恥ずかしい』のでしょう?】と、
【なにを言う。『恥ずかしい』のだろう?】の続編。元婚約者視点の話。
一応前の話を読んでなくても大丈夫……に、したつもりです。
設定はふわっと。
【完結】妹の代わりなんて、もううんざりです
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
私アイラと妹マリンは、いわゆる双子だった。一卵性で同じ格好をしてしまえば、見分けがつかないほど姿かたちも声もすべて似ていた。
しかし病弱な妹は私よりも人に愛される術にたけていた。だから気づけば両親の愛も、周りの人たちの評判もすべて妹が独占してしまう。
それでも私には、自分を理解してくれる唯一の味方である婚約者のリオンがいる。それだけを支えに生きてきた。
しかしある日、彼はこう告げた。「君よりも妹の方を愛してしまったと」
そこから全てが狂い出す。私の婚約者だった彼は、妹の婚約者となった。そして私の大切なものが全てなくなった瞬間、妹はすべて自分の計画通りだと私をあざ笑った。
許せない、どうしても。復讐をしてしまいたいと思った瞬間、妹はあっけなく死んでしまった。どんどんと狂い出すは歯車に私は――
私を棄てて選んだその妹ですが、継母の私生児なので持参金ないんです。今更ぐだぐだ言われても、私、他人なので。
百谷シカ
恋愛
「やったわ! 私がお姉様に勝てるなんて奇跡よ!!」
妹のパンジーに悪気はない。この子は継母の連れ子。父親が誰かはわからない。
でも、父はそれでいいと思っていた。
母は早くに病死してしまったし、今ここに愛があれば、パンジーの出自は問わないと。
同等の教育、平等の愛。私たちは、血は繋がらずとも、まあ悪くない姉妹だった。
この日までは。
「すまないね、ラモーナ。僕はパンジーを愛してしまったんだ」
婚約者ジェフリーに棄てられた。
父はパンジーの結婚を許した。但し、心を凍らせて。
「どういう事だい!? なぜ持参金が出ないんだよ!!」
「その子はお父様の実子ではないと、あなたも承知の上でしょう?」
「なんて無礼なんだ! 君たち親子は破滅だ!!」
2ヶ月後、私は王立図書館でひとりの男性と出会った。
王様より科学の研究を任された侯爵令息シオドリック・ダッシュウッド博士。
「ラモーナ・スコールズ。私の妻になってほしい」
運命の恋だった。
=================================
(他エブリスタ様に投稿・エブリスタ様にて佳作受賞作品)
【完結】妹に全部奪われたので、公爵令息は私がもらってもいいですよね。
曽根原ツタ
恋愛
ルサレテには完璧な妹ペトロニラがいた。彼女は勉強ができて刺繍も上手。美しくて、優しい、皆からの人気者だった。
ある日、ルサレテが公爵令息と話しただけで彼女の嫉妬を買い、階段から突き落とされる。咄嗟にペトロニラの腕を掴んだため、ふたり一緒に転落した。
その後ペトロニラは、階段から突き落とそうとしたのはルサレテだと嘘をつき、婚約者と家族を奪い、意地悪な姉に仕立てた。
ルサレテは、妹に全てを奪われたが、妹が慕う公爵令息を味方にすることを決意して……?
妹に婚約者を奪われたけど、婚約者の兄に拾われて幸せになる
ワールド
恋愛
妹のリリアナは私より可愛い。それに才色兼備で姉である私は公爵家の中で落ちこぼれだった。
でも、愛する婚約者マルナールがいるからリリアナや家族からの視線に耐えられた。
しかし、ある日リリアナに婚約者を奪われてしまう。
「すまん、別れてくれ」
「私の方が好きなんですって? お姉さま」
「お前はもういらない」
様々な人からの裏切りと告白で私は公爵家を追放された。
それは終わりであり始まりだった。
路頭に迷っていると、とても爽やかな顔立ちをした公爵に。
「なんだ? この可愛い……女性は?」
私は拾われた。そして、ここから逆襲が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる