私を棄てて選んだその妹ですが、継母の私生児なので持参金ないんです。今更ぐだぐだ言われても、私、他人なので。

「やったわ! 私がお姉様に勝てるなんて奇跡よ!!」

妹のパンジーに悪気はない。この子は継母の連れ子。父親が誰かはわからない。

でも、父はそれでいいと思っていた。
母は早くに病死してしまったし、今ここに愛があれば、パンジーの出自は問わないと。

同等の教育、平等の愛。私たちは、血は繋がらずとも、まあ悪くない姉妹だった。
この日までは。

「すまないね、ラモーナ。僕はパンジーを愛してしまったんだ」

婚約者ジェフリーに棄てられた。
父はパンジーの結婚を許した。但し、心を凍らせて。

「どういう事だい!? なぜ持参金が出ないんだよ!!」
「その子はお父様の実子ではないと、あなたも承知の上でしょう?」
「なんて無礼なんだ! 君たち親子は破滅だ!!」

2ヶ月後、私は王立図書館でひとりの男性と出会った。
王様より科学の研究を任された侯爵令息シオドリック・ダッシュウッド博士。

「ラモーナ・スコールズ。私の妻になってほしい」

運命の恋だった。


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(他エブリスタ様に投稿・エブリスタ様にて佳作受賞作品)
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