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14.前世との差異
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「…うっ」目を開けて重い上半身を起こす。
(そうだったあの後夕食を食べて眠ったんだった…じゃああれは夢)
ただの夢ではない事は私が1番よく分かっていた。
ベッドから降りテーブルに向き合う。
夢で見た内容を紙に書いていった。
この世界の名前は【祝福と共にあなたと】であり主人公は神の祝福を持った人間、ヒューゴ様とアシュリン王女殿下の婚約を破棄したのは国王陛下、王女殿下はむしろ婚約破棄を止めようとしていた。
そして「ヒューゴ様とオーウェン様はすれ違ったまま…」
夢に出てきた内容だけでも随分と差異がある。
(…イヴァ・クレマーは小説にちゃんと出てきてはいない)
恐らくモブキャラの中でもかなり薄いキャラであったのだろう。
私はそんなキャラに転生し前世の記憶を持った状態で色々と行動を起こしていた。
その行動が物語の差異を生んでいる。
ただそれは
"転生者が私だけ"だった場合の話。
よく考えてみれば私1人の行動の違いでここまで大きな差異が起きるとは思えない。
(少なくとも私以外に小説の知識を持った人がいれば…起こり得る)
少し思い出す事ができたとはいえ全てではない為それが誰かを特定する事は簡単ではないだろう。
「…嫌な予感しかしないわね」
コンコンコンッ
「イヴァ様~起きてらっしゃいますか?」
「起きてるわ。少し待ってちょうだい」
書いていた物を見られる訳にはいかないので引き出しに仕舞い込み扉を開いた。
「今日こそヒューゴ様の瞳の色を取り入れましょう!」
「…あまり目立たない物なら」
私が受け入れた事にミラはキラキラした目で笑う。
「任せてください!!」
やる気満々になって私の支度を手伝ってくれた。
結果ワインレッドのリボンを髪に巻いてからいつも着ている紫色のドレスを着る。
(確かにこれならすぐには気付かれない…わよね?)
ヒューゴ様の赤色の瞳を思い出した。
彼の瞳はどちらかというとルビーのような赤に見える。
朝食を取るべく食堂へ向かう途中でヒューゴ様に会った。
「おはようイヴァ」
「おはようございます。ヒューゴ様」
挨拶して隣に並び歩く。
「昨日の事、本当にありがとうイヴァ」
「ふふふっそう何度もおっしゃらなくていいですよ」
「何度でも言われてくれ。心の底から感謝しているんだ」
揶揄うように言われてつい笑ってしまった。
彼と穏やかに会話しながら食堂へ入る。
彼の全てを知った訳ではないけれど彼の心の傷が少しだけ癒えた事は分かった。
(…そう言えば今頃アシュリン王女殿下はどうされているんでしょう
もしかしてブライス殿と?)
あの小説は恋愛物だった。
つまり恋愛事が必ず絡んでくるはずだがその王女が小説と違う行動をしているのが気がかり。
もしやブライス殿に恋をして性格が変わってしまったのだろうか。
「ヒューゴ様…こんな事を聞くのは申し訳ないのですがアシュリン王女殿下はまさかブライス殿にその、想いを寄せていらっしゃるとか?だから貴方との婚約を」
「…彼女はなんというか昔から夢見がちな所があったから。神の祝福を与えられた人物が自分の同世代の男だったという事で舞い上がった可能性もあるとは思う」
呆れた表情でそう言う彼に頭の中に疑問が浮かぶ。
(アシュリン王女殿下ってそんな性格だったっけ?なんかおかしいような)
夢で見た内容とは違う部分も引っ張られるように思い出していた。
と言ってもやっぱり曖昧だけど。
アシュリン王女殿下の性格が違うのが強く引っかかっている。
(もしかして…アシュリン王女殿下が私と同じ転生者?)
考えてみれば国王陛下も違う行動をしていた。
その考えに至って一気に王族の人間が疑わしく思えてくる。
(そうなると王族の人間に注意しないといけないわね)
そう決意した数週間後の事。
「突然訪問してしまってすまないなヒューゴはいるだろうか」
この国の王太子であるアンドレア・ハワード第1王子殿下が来た。
(そうだったあの後夕食を食べて眠ったんだった…じゃああれは夢)
ただの夢ではない事は私が1番よく分かっていた。
ベッドから降りテーブルに向き合う。
夢で見た内容を紙に書いていった。
この世界の名前は【祝福と共にあなたと】であり主人公は神の祝福を持った人間、ヒューゴ様とアシュリン王女殿下の婚約を破棄したのは国王陛下、王女殿下はむしろ婚約破棄を止めようとしていた。
そして「ヒューゴ様とオーウェン様はすれ違ったまま…」
夢に出てきた内容だけでも随分と差異がある。
(…イヴァ・クレマーは小説にちゃんと出てきてはいない)
恐らくモブキャラの中でもかなり薄いキャラであったのだろう。
私はそんなキャラに転生し前世の記憶を持った状態で色々と行動を起こしていた。
その行動が物語の差異を生んでいる。
ただそれは
"転生者が私だけ"だった場合の話。
よく考えてみれば私1人の行動の違いでここまで大きな差異が起きるとは思えない。
(少なくとも私以外に小説の知識を持った人がいれば…起こり得る)
少し思い出す事ができたとはいえ全てではない為それが誰かを特定する事は簡単ではないだろう。
「…嫌な予感しかしないわね」
コンコンコンッ
「イヴァ様~起きてらっしゃいますか?」
「起きてるわ。少し待ってちょうだい」
書いていた物を見られる訳にはいかないので引き出しに仕舞い込み扉を開いた。
「今日こそヒューゴ様の瞳の色を取り入れましょう!」
「…あまり目立たない物なら」
私が受け入れた事にミラはキラキラした目で笑う。
「任せてください!!」
やる気満々になって私の支度を手伝ってくれた。
結果ワインレッドのリボンを髪に巻いてからいつも着ている紫色のドレスを着る。
(確かにこれならすぐには気付かれない…わよね?)
ヒューゴ様の赤色の瞳を思い出した。
彼の瞳はどちらかというとルビーのような赤に見える。
朝食を取るべく食堂へ向かう途中でヒューゴ様に会った。
「おはようイヴァ」
「おはようございます。ヒューゴ様」
挨拶して隣に並び歩く。
「昨日の事、本当にありがとうイヴァ」
「ふふふっそう何度もおっしゃらなくていいですよ」
「何度でも言われてくれ。心の底から感謝しているんだ」
揶揄うように言われてつい笑ってしまった。
彼と穏やかに会話しながら食堂へ入る。
彼の全てを知った訳ではないけれど彼の心の傷が少しだけ癒えた事は分かった。
(…そう言えば今頃アシュリン王女殿下はどうされているんでしょう
もしかしてブライス殿と?)
あの小説は恋愛物だった。
つまり恋愛事が必ず絡んでくるはずだがその王女が小説と違う行動をしているのが気がかり。
もしやブライス殿に恋をして性格が変わってしまったのだろうか。
「ヒューゴ様…こんな事を聞くのは申し訳ないのですがアシュリン王女殿下はまさかブライス殿にその、想いを寄せていらっしゃるとか?だから貴方との婚約を」
「…彼女はなんというか昔から夢見がちな所があったから。神の祝福を与えられた人物が自分の同世代の男だったという事で舞い上がった可能性もあるとは思う」
呆れた表情でそう言う彼に頭の中に疑問が浮かぶ。
(アシュリン王女殿下ってそんな性格だったっけ?なんかおかしいような)
夢で見た内容とは違う部分も引っ張られるように思い出していた。
と言ってもやっぱり曖昧だけど。
アシュリン王女殿下の性格が違うのが強く引っかかっている。
(もしかして…アシュリン王女殿下が私と同じ転生者?)
考えてみれば国王陛下も違う行動をしていた。
その考えに至って一気に王族の人間が疑わしく思えてくる。
(そうなると王族の人間に注意しないといけないわね)
そう決意した数週間後の事。
「突然訪問してしまってすまないなヒューゴはいるだろうか」
この国の王太子であるアンドレア・ハワード第1王子殿下が来た。
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