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16.王女殿下への違和感
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「…よく分からなくなってきた」
十数秒の沈黙の後口を開いたのは王太子殿下だった。
「あの日その場にいた2人がそう言っているのなら調べてみる価値はありそうだな。ところで…アシュリンはあんな子だったか?しばらく会わない内に何というか
話が通じなくなった気がする」
「…王女殿下は昔から夢見がちで人の話を聞かない所がありましたがあそこまでではなかったと思います」
やはりアシュリン王女殿下に感じる違和感は私の気のせいではなかったよう。
ヒューゴ様達もそう思っているのだから。
「私はアシュリン王女殿下とお話した事がないのでお2人の違和感について共感する事はできないのですが…
人の性格がいきなり変わったのだとしたらそこに理由があるはずです」
私も王女殿下に違和感抱いてるのは流石に黙っておいた方がいいだろう。
「…レイラとベイリー侯爵家に協力してもらおう王族の不始末に付き合わせるのは申し訳ないがな」
「レイラ様もお帰りになっていらっしゃるのですか?」
彼の婚約者なのだから当たり前だがここには来ていないのでつい聞いてしまった。
「あぁ連絡を受けてレイラと共に急いで戻ってきたんだ。彼女は一旦ベイリー侯爵家に帰っているからここに来なかった
明日、王宮でまた会うからその時に頼むつもりだ」
「そうなのですか…レイラ様によろしくお伝えください」
私の言葉に勿論だと返して視線を下に向ける。
「あの子は…一体どうしたって言うんだ」
呟かれた声は不安を抑えられていなくて王太子としてではなく1人の兄としての呟きだった。
(そうよね王太子殿下にとっては今まで可愛がってきたたった1人の妹そんな妹が急におかしな事をしたんだから不安になるのも当たり前)
私は商会を立て直す為色んな人間と関わってきたが王女殿下と話した記憶はない。
王族に対して商売をしていない訳ではなく単純に彼女がクレマー商会に興味を示さなかったからである。
(だからアシュリン王女殿下の性格の違いについては前世の記憶に頼るしかないのよね…その記憶もだいぶ曖昧で断片的だけど)
「…身内を疑いたくはないが今回ばかりはアシュリンが悪いあの子の事もよく調べよう」
1人の兄としての顔を仕舞い込み王太子としての顔に変わりはっきりとそう宣言した。
「何か協力できる事があれば言ってください当事者なのもそうですが…
幼馴染だろ、アンドレア」
「っ!…あぁそうだなヒューゴ」
ヒューゴ様と王太子殿下が笑い合う。
それは間違いなく友人同士の会話だった。
「そしてイヴァ嬢。貴女に確認しないといけない事がある」
「は、はい!何でしょうか?」
突然話を振られて体がピクッと跳ねる。
「君の噂の件についてだどうやらヒューゴの弟が調べているらしいな」
「えっええそう聞いていますが…何故その事を?」
私の噂についてオーウェン様が調べている事を何故その事を帰ってきたばかりの王太子殿下が知っているのだろうか。
「はぁ…イヴァ嬢この件についても貴女にも謝らないといけないかもしれない」
「あの?それはどういう?」
彼の言っている意味が分からず首を傾げてしまった。
(何故噂の件で王太子殿下が私に謝る必要があるんだろう?)
「貴女とこのクレマー辺境伯家の悪い噂を流している容疑者に
アシュリンの名前が上がっている」
「お、王女殿下が!?」
驚きで令嬢らしからぬ大声を出してしまったが王太子殿下は不快に思った素振りはなく話を続ける。
「まだあくまでも"疑い"の段階だあの子が友人に貴女を悪く言っている事もあったらしい…ただそれは流れている噂を鵜呑みにしただけと言われればそれまでなんだがな」
「つまり…アシュリン王女殿下がイヴァやこのクレマー辺境伯家の悪い噂を流した張本人である可能性とただ単に噂を聞いて更にその噂を広げてしまっているだけの可能性2つあるという事ですね?」
ヒューゴ様の言葉に苦々しい顔をしながら頷いた。
(王族に気を付けるどころかもう犯人説が浮上しちゃったそうなると私達じゃどうしようもない…でも本当にアシュリン王女殿下が犯人なの?
どうして腑に落ちないんでしょう)
状況から考えても彼女が犯人なら辻褄は合うけれど何かが足りない気がする。
(まだ思い出してない部分に何かあるのかしら)
「とにかく早急にこの件の全貌を暴かなくてはな…無理を言うようで悪いがこの件に黒幕がいるのならそいつを油断させる為にも今の所2人には動かないでほしいんだ。
まっ案外仲良くやっているようだしデートでもしてくれ」
「デッ!?」「アッアンドレアー!!」
王太子殿下は暗い顔をしつつも私達に笑顔を向けて帰っていった。
十数秒の沈黙の後口を開いたのは王太子殿下だった。
「あの日その場にいた2人がそう言っているのなら調べてみる価値はありそうだな。ところで…アシュリンはあんな子だったか?しばらく会わない内に何というか
話が通じなくなった気がする」
「…王女殿下は昔から夢見がちで人の話を聞かない所がありましたがあそこまでではなかったと思います」
やはりアシュリン王女殿下に感じる違和感は私の気のせいではなかったよう。
ヒューゴ様達もそう思っているのだから。
「私はアシュリン王女殿下とお話した事がないのでお2人の違和感について共感する事はできないのですが…
人の性格がいきなり変わったのだとしたらそこに理由があるはずです」
私も王女殿下に違和感抱いてるのは流石に黙っておいた方がいいだろう。
「…レイラとベイリー侯爵家に協力してもらおう王族の不始末に付き合わせるのは申し訳ないがな」
「レイラ様もお帰りになっていらっしゃるのですか?」
彼の婚約者なのだから当たり前だがここには来ていないのでつい聞いてしまった。
「あぁ連絡を受けてレイラと共に急いで戻ってきたんだ。彼女は一旦ベイリー侯爵家に帰っているからここに来なかった
明日、王宮でまた会うからその時に頼むつもりだ」
「そうなのですか…レイラ様によろしくお伝えください」
私の言葉に勿論だと返して視線を下に向ける。
「あの子は…一体どうしたって言うんだ」
呟かれた声は不安を抑えられていなくて王太子としてではなく1人の兄としての呟きだった。
(そうよね王太子殿下にとっては今まで可愛がってきたたった1人の妹そんな妹が急におかしな事をしたんだから不安になるのも当たり前)
私は商会を立て直す為色んな人間と関わってきたが王女殿下と話した記憶はない。
王族に対して商売をしていない訳ではなく単純に彼女がクレマー商会に興味を示さなかったからである。
(だからアシュリン王女殿下の性格の違いについては前世の記憶に頼るしかないのよね…その記憶もだいぶ曖昧で断片的だけど)
「…身内を疑いたくはないが今回ばかりはアシュリンが悪いあの子の事もよく調べよう」
1人の兄としての顔を仕舞い込み王太子としての顔に変わりはっきりとそう宣言した。
「何か協力できる事があれば言ってください当事者なのもそうですが…
幼馴染だろ、アンドレア」
「っ!…あぁそうだなヒューゴ」
ヒューゴ様と王太子殿下が笑い合う。
それは間違いなく友人同士の会話だった。
「そしてイヴァ嬢。貴女に確認しないといけない事がある」
「は、はい!何でしょうか?」
突然話を振られて体がピクッと跳ねる。
「君の噂の件についてだどうやらヒューゴの弟が調べているらしいな」
「えっええそう聞いていますが…何故その事を?」
私の噂についてオーウェン様が調べている事を何故その事を帰ってきたばかりの王太子殿下が知っているのだろうか。
「はぁ…イヴァ嬢この件についても貴女にも謝らないといけないかもしれない」
「あの?それはどういう?」
彼の言っている意味が分からず首を傾げてしまった。
(何故噂の件で王太子殿下が私に謝る必要があるんだろう?)
「貴女とこのクレマー辺境伯家の悪い噂を流している容疑者に
アシュリンの名前が上がっている」
「お、王女殿下が!?」
驚きで令嬢らしからぬ大声を出してしまったが王太子殿下は不快に思った素振りはなく話を続ける。
「まだあくまでも"疑い"の段階だあの子が友人に貴女を悪く言っている事もあったらしい…ただそれは流れている噂を鵜呑みにしただけと言われればそれまでなんだがな」
「つまり…アシュリン王女殿下がイヴァやこのクレマー辺境伯家の悪い噂を流した張本人である可能性とただ単に噂を聞いて更にその噂を広げてしまっているだけの可能性2つあるという事ですね?」
ヒューゴ様の言葉に苦々しい顔をしながら頷いた。
(王族に気を付けるどころかもう犯人説が浮上しちゃったそうなると私達じゃどうしようもない…でも本当にアシュリン王女殿下が犯人なの?
どうして腑に落ちないんでしょう)
状況から考えても彼女が犯人なら辻褄は合うけれど何かが足りない気がする。
(まだ思い出してない部分に何かあるのかしら)
「とにかく早急にこの件の全貌を暴かなくてはな…無理を言うようで悪いがこの件に黒幕がいるのならそいつを油断させる為にも今の所2人には動かないでほしいんだ。
まっ案外仲良くやっているようだしデートでもしてくれ」
「デッ!?」「アッアンドレアー!!」
王太子殿下は暗い顔をしつつも私達に笑顔を向けて帰っていった。
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