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第22話 囁く声と、揺れる視線の先に
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王宮の謁見の間に、張りつめた緊張が満ちていた。
大理石の床に反射する光の筋、その中央を、悠然と歩いてきたのは――
ランベル国の第2王子。背を正し、堂々とした振る舞いでハイランド国王の前に進み出る。
「ハイランド国王陛下。貴国のご厚意に、心より感謝申し上げます。」
その挨拶と礼により、謁見は正式に開始された。
同時に、周囲の空気は一段と引き締まる。
これから王族間の会談、そして“あの一件”――突如現れた第4王子の引き渡しに関する協議が行われるのだ。
そんな場面の中。
会場の片隅で、ひときわ落ち着いた気配を纏う少女がいた。
控えめな灰青色のドレスに身を包んだセリーヌ。
シモン外務大臣の目配せを受け、小さく頷くと、彼女は歩を進めた。
「ランベル国の皆様、長旅でお疲れのことと存じます。殿方はこのあと少しお話がございますので……わたくし達は、女性だけでお茶を楽しみませんか? 茶会のご用意がございます。どうぞ、こちらへ。」
穏やかな、けれど確かな響き。
それは流れるようなランベル国語だった。
「まあ……あなた、ランベル語を?」
妃や側室たちがざわめいた。
驚きと好奇の入り混じった視線が、セリーヌに向けられる。
「お上手ですのね。どなたに習われたの?」
問いかけに、セリーヌは微笑を浮かべたまま、頭を傾げる。
「お褒めいただき、光栄です。……実は、独学なのです。皆様に通じるか不安でしたが……そう言っていただけて、ほっといたしました。」
「独学で……? なぜ?」と、正妃が不思議そうに訊ねる。
「ふふ。それは、ランベル国のタペストリーに心惹かれたからですわ。書物で拝見し、その織りの美しさに感動しましたの。そのお話はまた、お茶の席でゆっくりと。……今はまず、皆様の旅の疲れを癒すことが、わたくしの役目ですから。」
セリーヌは微笑を崩さずに、優雅にお辞儀をした。
柔らかな空気が、さざ波のように彼女の周囲に広がっていく。
――その様子を、遠くから一人の青年が驚愕して見ていた。
(……まさか)
ライナルトは、場違いなものを見るように、セリーヌの姿を凝視していた。
その所作、その言葉、その立ち居振る舞い――どれも見慣れた彼女だが、同じ光景をライナルトは知っていた。過去に戻る前の17才のセリーヌがモーラル国の対応をしていた光景と同じだった。
けれど、どうしてこんな場所に彼女が?
(……何故だ。どうして、ここに……)
頭の中に次々と疑問が浮かび、答えを探すより早く、背後から声が飛んだ。
「お前、知らなかったのか?」
隣にいたジークが、眉をひそめて言った。
「セリーヌ嬢は今、外務大臣からの要望で、外務官室の補佐をしている。社会見学の一環としてな。学園の試験休暇もあって、かなり助けられているらしい。」
「……!」
「婚約者であるお前が知らないのはどうかと思うが……まあ、ああして頑張ってる。お前も職務に集中しろ」
そう言って、ジークは軽く肩を叩いて去っていった。
ライナルトは、ただ立ち尽くしていた。
思考の渦に飲まれたまま、視界からセリーヌの姿が消えるまで、ただ――見送っていた。
――
その後、会談は順調に進行し、無事に第4王子の引き渡しが決まった。
外交関係にとっても、大きな進展となる一件だった。
一方で、セリーヌが案内した茶会も、穏やかに、そして華やかに幕を開けていた。
話題は徐々に盛り上がり、滞在期間中にまた話を聞かせてほしい――と、妃たちから誘われるほどに。
セリーヌは、茶会の終わり際に、ひとつの“おもてなし”を差し出した。
「ハイランドで人気のある小物や化粧品です。お土産として、皆様にお持ち帰りいただければと。」
小さな瓶に詰められた化粧水や、手のひらサイズのリボン付きポーチ、香るリップバーム。
どれも、彼女の友人ナリスティア――リュモン子爵家が扱うオリジナルブランドだった。
「もし気に入っていただけましたら、リュモン子爵家にお申し付けいただければ、すぐにご用意致しますわ」
その微笑みに、妃や側室たちはすっかり心をつかまれた。
こうして、突発的に始まった外交は、思いがけない形で実を結ぶ。
リュモン子爵家には、後日ランベル国からの問い合わせが殺到し、商品の売上は急上昇。
その数日後。
「ねえ、セリーヌ」
ナリスティアが、書類の束を抱えながら笑って訪ねてきた。
「本当にありがとう。おかげでリュモンの品が一気に注目されちゃった。でも……ひとつだけ気になってて。どうして、最初から“お土産”として配ったの? 王宮に招いてくれれば、私たちが商品を持って行ったのに」
セリーヌは、くすっと笑った。
「お土産って、“贈られた”ものだからこそ、特別なのよ。小さな化粧品や小物は、お友達には渡せないわ。だって、少ないんですもの。ただ、見せるだけ。見せられた方々がそれが“手に入りにくい異国の物”なら、試したくなるでしょ?」
「うん……確かに」
「それに、あの国は乾燥が強くて、お肌には過酷な環境。だからこそ、保湿重視のリュモン子爵家のオリジナル化粧品は重宝されるはずよ。わたくし達にとっての“当たり前”が、あちらでは“特別”。お土産にすることで希少性も演出できるし……女性って、そういうの、弱いでしょう?」
そう言って、セリーヌはニヤリと口角を上げた。
ナリスティアは数秒の沈黙のあと、ぷっと噴き出した。
「ふふっ、意外と策士ね、セリーヌってば。でも、見事に当たったわ。……ありがとう、本当に!」
勢いよく抱きついてきたナリスティアに、セリーヌも思わず笑いながら応じる。
「リュモン子爵家のお役に立てて良かったわ。喜ぶのは、まだ早いかもしれませんわ。これから、もっと注文が来るはずよ。」
笑い声が響く午後の陽だまりの中、セリーヌの中に、違う道が見えた瞬間だった。
――外交とは、ただ交渉するだけじゃない。
言葉、文化、贈り物、気遣い――すべてが国と国を繋ぐ“糸”になる。
大理石の床に反射する光の筋、その中央を、悠然と歩いてきたのは――
ランベル国の第2王子。背を正し、堂々とした振る舞いでハイランド国王の前に進み出る。
「ハイランド国王陛下。貴国のご厚意に、心より感謝申し上げます。」
その挨拶と礼により、謁見は正式に開始された。
同時に、周囲の空気は一段と引き締まる。
これから王族間の会談、そして“あの一件”――突如現れた第4王子の引き渡しに関する協議が行われるのだ。
そんな場面の中。
会場の片隅で、ひときわ落ち着いた気配を纏う少女がいた。
控えめな灰青色のドレスに身を包んだセリーヌ。
シモン外務大臣の目配せを受け、小さく頷くと、彼女は歩を進めた。
「ランベル国の皆様、長旅でお疲れのことと存じます。殿方はこのあと少しお話がございますので……わたくし達は、女性だけでお茶を楽しみませんか? 茶会のご用意がございます。どうぞ、こちらへ。」
穏やかな、けれど確かな響き。
それは流れるようなランベル国語だった。
「まあ……あなた、ランベル語を?」
妃や側室たちがざわめいた。
驚きと好奇の入り混じった視線が、セリーヌに向けられる。
「お上手ですのね。どなたに習われたの?」
問いかけに、セリーヌは微笑を浮かべたまま、頭を傾げる。
「お褒めいただき、光栄です。……実は、独学なのです。皆様に通じるか不安でしたが……そう言っていただけて、ほっといたしました。」
「独学で……? なぜ?」と、正妃が不思議そうに訊ねる。
「ふふ。それは、ランベル国のタペストリーに心惹かれたからですわ。書物で拝見し、その織りの美しさに感動しましたの。そのお話はまた、お茶の席でゆっくりと。……今はまず、皆様の旅の疲れを癒すことが、わたくしの役目ですから。」
セリーヌは微笑を崩さずに、優雅にお辞儀をした。
柔らかな空気が、さざ波のように彼女の周囲に広がっていく。
――その様子を、遠くから一人の青年が驚愕して見ていた。
(……まさか)
ライナルトは、場違いなものを見るように、セリーヌの姿を凝視していた。
その所作、その言葉、その立ち居振る舞い――どれも見慣れた彼女だが、同じ光景をライナルトは知っていた。過去に戻る前の17才のセリーヌがモーラル国の対応をしていた光景と同じだった。
けれど、どうしてこんな場所に彼女が?
(……何故だ。どうして、ここに……)
頭の中に次々と疑問が浮かび、答えを探すより早く、背後から声が飛んだ。
「お前、知らなかったのか?」
隣にいたジークが、眉をひそめて言った。
「セリーヌ嬢は今、外務大臣からの要望で、外務官室の補佐をしている。社会見学の一環としてな。学園の試験休暇もあって、かなり助けられているらしい。」
「……!」
「婚約者であるお前が知らないのはどうかと思うが……まあ、ああして頑張ってる。お前も職務に集中しろ」
そう言って、ジークは軽く肩を叩いて去っていった。
ライナルトは、ただ立ち尽くしていた。
思考の渦に飲まれたまま、視界からセリーヌの姿が消えるまで、ただ――見送っていた。
――
その後、会談は順調に進行し、無事に第4王子の引き渡しが決まった。
外交関係にとっても、大きな進展となる一件だった。
一方で、セリーヌが案内した茶会も、穏やかに、そして華やかに幕を開けていた。
話題は徐々に盛り上がり、滞在期間中にまた話を聞かせてほしい――と、妃たちから誘われるほどに。
セリーヌは、茶会の終わり際に、ひとつの“おもてなし”を差し出した。
「ハイランドで人気のある小物や化粧品です。お土産として、皆様にお持ち帰りいただければと。」
小さな瓶に詰められた化粧水や、手のひらサイズのリボン付きポーチ、香るリップバーム。
どれも、彼女の友人ナリスティア――リュモン子爵家が扱うオリジナルブランドだった。
「もし気に入っていただけましたら、リュモン子爵家にお申し付けいただければ、すぐにご用意致しますわ」
その微笑みに、妃や側室たちはすっかり心をつかまれた。
こうして、突発的に始まった外交は、思いがけない形で実を結ぶ。
リュモン子爵家には、後日ランベル国からの問い合わせが殺到し、商品の売上は急上昇。
その数日後。
「ねえ、セリーヌ」
ナリスティアが、書類の束を抱えながら笑って訪ねてきた。
「本当にありがとう。おかげでリュモンの品が一気に注目されちゃった。でも……ひとつだけ気になってて。どうして、最初から“お土産”として配ったの? 王宮に招いてくれれば、私たちが商品を持って行ったのに」
セリーヌは、くすっと笑った。
「お土産って、“贈られた”ものだからこそ、特別なのよ。小さな化粧品や小物は、お友達には渡せないわ。だって、少ないんですもの。ただ、見せるだけ。見せられた方々がそれが“手に入りにくい異国の物”なら、試したくなるでしょ?」
「うん……確かに」
「それに、あの国は乾燥が強くて、お肌には過酷な環境。だからこそ、保湿重視のリュモン子爵家のオリジナル化粧品は重宝されるはずよ。わたくし達にとっての“当たり前”が、あちらでは“特別”。お土産にすることで希少性も演出できるし……女性って、そういうの、弱いでしょう?」
そう言って、セリーヌはニヤリと口角を上げた。
ナリスティアは数秒の沈黙のあと、ぷっと噴き出した。
「ふふっ、意外と策士ね、セリーヌってば。でも、見事に当たったわ。……ありがとう、本当に!」
勢いよく抱きついてきたナリスティアに、セリーヌも思わず笑いながら応じる。
「リュモン子爵家のお役に立てて良かったわ。喜ぶのは、まだ早いかもしれませんわ。これから、もっと注文が来るはずよ。」
笑い声が響く午後の陽だまりの中、セリーヌの中に、違う道が見えた瞬間だった。
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