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しおりを挟む「ロベリア!!」
バンっとロベリアとエルムがいるであろう別邸の扉を力強く開く
「リリスお義姉さま?」
私の突然の登場にキョトンとしているロベリアと無表情のエルムがソファに座ってお茶を飲んでいた
「エルム。ロベリアを借りるわよ」
「急にどうしたんだい?今までロベリアと関わろうとしなかったのに」
「……それは今関係ないでしょ。姉として話したいことがあるのよ」
「こんな時だけ姉面か」
嫌味を重ねるエルムをギロリと睨みつける
私の睨みにも動じず、変わらず無表情にカップを口に運ぶエルムは憎たらしいほど落ち着いている
「エルム様っ、リリスお義姉様も喧嘩しないでください。私は問題ないので、リリスお義姉様、いきましょう」
私とエルムの間にばちばちと光る火花はロベリアの仲介で霧散する
私はロベリアに視線を向けてにこりと笑いながら私の部屋に行くことを提案した
ーー
「ねえ、ロベリア。私聞きたいことがあるの」
「なんですか?」
「あなたは今、幸せなの?」
私の自室に連れてきたロベリアに早速話しかける
私の言葉にロベリアはヒュッと喉を鳴らして驚いた表情を浮かべていた
「急に、どうしたんですか」
「私は、たしかに今までロベリアに対して関わろうとしてこなかったわ。でもそれが嫌いだとか、目障りだとかではなかったのよ」
説得力がないかもしれないけど、とへにゃりと笑えばロベリアはさらに困惑の表情を浮かべる
「私、あなたが裸足で走り回ったり、大きな声で笑うのが案外好きだったみたいなの」
「………」
「あなたとエルムの婚約が決まって、あなたがすごく荒れた時も、嫌いにはなれなかった。だって、血の繋がりは半分とはいえあなたは私の義妹だったから」
もちろん腹が立つことは多数あったのは事実だ
それでも、自分の好きなように自分の好きなこと、楽しみたいことを純粋に楽しめていたロベリアが私は羨ましかったのだ
「あなたがエルムと仲良くなって、礼儀作法も問題ないと母からのお墨付きも貰ってよかったわ。でも我慢していない?辛くない?以前のようにまた好きなようにしてもいいのよ」
ずっと困惑の表情を浮かべていたロベリアだったが私の最後の言葉を聞いた瞬間その顔が怒りに染まっていく
「リリスお義姉様は…勝手だわ!今までずっと私には見向きもしなかったじゃない!どれだけ私がお義姉様の気を引こうとしても!!」
「ロ、ロベリア…?」
「淑女らしくなればお義姉様も振り向いてくださると思ったのに…我慢してない?辛くない?って…辛いに決まってるわ!!自分の好きなことはできない、大きな声で笑えない!……でも、わかったこともある。お義姉様がいかに厳しい世界で生きてきたのかはわかったわ。だからこそ、少しでもお義姉様の手助けになればってエルム様に相談して、お義母様にも認めてもらえたのに…ねえ、お義姉様。どんな私になればお義姉様は私を私としてみてくれるのですか?」
切なげな表情と今にも泣き出しそうな目元のロベリアの本音に私は言葉が出なかった
口からはハクハクと空気だけが抜けていき
ぎゅっと握っている手元は氷のように冷たくなっていた
「……失礼します」
ホロリと涙を一筋流したロベリアが背を向けて部屋を出ていく
私はその背中を見ることだけしかできなかった
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