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番外編
新しい関係
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室内の明かりはごく絞られている。なるべく暗くしてくれとフィアリスがいつも頼みこんでいるからだ。
あなたの顔をもっとよく見たいのに、とエヴァンは少し膨れるが、おとなしく言うことを聞いてくれる。
エヴァンの部屋だった。
初めはそんなつもりで訪れたわけではない。エヴァンから、よく使う攻撃魔法の応用について相談したいと言われて、しばらくは真面目に話をしていたのだ。
その後雑談をしていたら、いつしか「そういう雰囲気」になってしまい、顔を赤らめつつもフィアリスは求め、エヴァンは嬉しそうに応じた。
性急ではない愛撫に、かえってフィアリスは焦れる。激しくしてくれだなどと素面では言えないが、根負けをして早く欲しいとねだる羽目になった。
「んっ、ぅんっ……あっ、エヴァンっ……ッ」
エヴァンを受け入れながら、フィアリスは声をもらす。
数え切れないほど誰かと交わっても、エヴァンとのそれは特別だった。行為そのものから得られる快楽に加えて、精神面での愉悦もある。我を忘れそうになり、痴態を見せないようにするのに苦労した。
だが弟子は師が乱れるところを見たがるので手に負えない。
「どうですか、フィアリス」
「どうって……」
「前より上手くなったかどうか」
「う、まいよ、上手……すごくっ……、あ、待って……!」
こういう時の待っては聞き入れた試しがない。エヴァンはいよいよ激しく腰を動かして攻めてきた。
「はぁッ……やっ、あ、うっ、あん……ああっ」
快楽が全てをさらっていきそうになる中、わずかに働く理性がフィアリスの羞恥心を刺激していた。
ここはエヴァンの部屋で、エヴァンのベッドで、私は小さかったこの子と一緒に眠ったこともあるのに、それなのに、今は、今はここでこんな――。
「うぁ、やあっ、エヴァン――ッ」
どういうわけか背徳感が加わると、いつも以上に感じてしまってすぐに達してしまうのだった。
行為が続く中エヴァンも達して、色香を含んだ声が降ってくる。
(私の中で、エヴァンが感じて……私が締め上げたから……っ)
そう思うとまた凄まじい快感に襲われて、フィアリスは涙をこぼしながら絶頂を迎えた。
達するタイミングなどというのは人それぞれで、フィアリスも経験上ほぼ同時に、というのは少ないのだが、エヴァンとはどういうわけか一緒にその時が来ることが多い。
息を切らしたエヴァンに抱き寄せられる。
「好きです、フィアリス……」
体内にわだかまった熱は一向に消えない。フィアリスは震える手でエヴァンを抱きしめる。
行為に関しては、あなたが欲しがるだけ、とエヴァンは言う。だから切り上げるのもフィアリスの意志に任されている。
この辺にしておこう、という言葉が喉元まで出かかるが、口を吸われてたちまち消えてしまった。
エヴァンの体温に、匂いに、声に酩酊する。
ああ。
私は、なんて――。
* * *
「私はなんて淫乱な人間なんだ!」
談話室の長椅子に横たわって丸まり、顔を両手で覆いながらフィアリスは大声を出した。
「もぉ……何なんだよ……またそういうの? お前ほんとめんどくさい奴だよな。何なの? そのすぐ悩んでわめくのって趣味なの?」
そばにある椅子に腰かけて葉巻を吸っているレーヴェは呆れた様子だ。
フィアリスはぽつりぽつりと要領を得ない呟きで自分の思いを吐露する。黙って聞いていたレーヴェだったが、首をひねってから口を開いた。
「つまり、気持ち良すぎてすぐ射精しちゃうから、弟子に早漏だと思われるのが恥ずかしいって話?」
「違うっ!!!」
耳まで真っ赤にしたフィアリスは体を起こして怒鳴った。
「私は……本当に……これで良かったのかと悩んでいて……」
初めて交わったのはあの塔でのことで、思えばどことなく非日常的な雰囲気があった。だから舞い上がっていたのかもしれない。
何度体を重ねても幸福な気持ちしかなくて、罪悪感など覚えなかった。
それなのに、館に帰ってきてから同じことをするとどぎまぎしてしまう。ここは自分とエヴァンが育った家であり、日常なのだ。
エヴァンとの行為が嫌になることは露ほどもないが、猛烈な背徳感に悩まされている。
「わかるわかる。背徳感はスパイスだよ。教会でヤると燃えるもんな」
「……レーヴェ、そのうちあなた捕まるんじゃない?」
フィアリスは頬に手をあててため息をついた。
やはり私はいけない人間なのではないだろうか。弟子をたぶらかす悪い教師。教え子を淫行に誘って、快楽に引きずりこんでいる。
「エヴァンにとって、本当にこれでよかったのかなって……」
レーヴェは唇をひん曲げてフィアリスを見つめている。顔を寄せて煙を吹きつけてくるので、フィアリスはやや咳こんだ。
「あいつがしたいことってさぁ、お前を幸せにすることなんだって」
「うん……」
「お前今幸せなの?」
「うん……」
「じゃあそれでいいじゃん。今更ぐちぐちうるせーな。そんなに悩むなら前の関係に戻ればいいんじゃねーの?」
「前の関係……」
というか今の関係は正確に言うと何なのだろう。恋人関係か。
とすると、恋人ではなくなるということだ。甘く愛を囁いたりせず、キスもしない。ただの師と弟子。そこに一切特別な感情を挟まない……。
(無理だ)
フィアリスは腕を回して自分の体を抱く。
「だって私……エヴァンのことが……好きで好きでたまらないんだ!」
「あああああ! 鬱陶しいな! のろけたいんなら穴でも掘って一人で喋ってろ! 聞いてるこっちが気が変になるんだよ!」
葉巻を指に挟んだまま手を振るので、灰が床へ落ちていく。
フィアリスはうつむいた。
そのうち慣れる、とレーヴェに励まされる。そんなものなのだろうか。
自分でも少しはわかっているのだ。私が悪い、私のせいかもしれない、そんな言葉が余計に誰かを傷つける。そういった自傷を、いつかやめられる日が来るのだろうか。
(やめなければいけないんだよな……)
開いた自分のてのひらに目を落とす。
自分の心に尋ねてみればすぐわかる。私はエヴァンを愛している、と。きっとずっと、愛していたのだ。初めはもちろん違う形で。そしてこういう形に落ち着いた。
まだまだこれからたくさん、こうして戸惑うのだろう。
戸惑いながら納得して、正解を「選んで」いくのかもしれない。
「何を盛り上がっているんですか」
談話室の入り口にエヴァンが顔をのぞかせたので、フィアリスはぎょっとした。
「いや、こいつが早漏……」
「やめて!!!」
フィアリスはレーヴェに飛びかかって口を塞ぐ。気を抜くとレーヴェは何を言い出すかわからなくて恐ろしい。
とんでもない発言を遮るのに成功し、レーヴェの口から手を離したフィアリスは冷や汗を拭って息をつく。
「お前の師匠は自分から誘うのが恥ずかしいんだってさ」
やはり余計なことを言う。
頬を赤く染めたフィアリスは、エヴァンの方をまともに見れなかった。
エヴァンは常にフィアリスに配慮を欠かさない。互いの気持ちを確かめ合うまではあんなにも積極的に迫ってきたというのに、今では自分から無理に唇を奪うなんてこともしない。
あなたがしたくなければしない、とエヴァンは言い、実際行為はフィアリスが求めなければ始まらないのだ。
「私が求めるままにするとなると、あなたに負担をかけると思うので……」
一切恥じらわず言うエヴァンに、ますますフィアリスの方が赤面する。
この館で、明るいうちに、こういう話をするのがもう恥ずかしいのだ。
「たまにお前から誘ってほしいって話なんだろ」
レーヴェが言うと、エヴァンはフィアリスに近づいてきてじっと見下ろし、手をとった。
「では今晩、いいですか。仕事は明け方からなので」
「……ね、寝なくて平気なの」
「平気ですよ。若いので。その前に体が温まった方がよく動けます」
近頃は魔物の発生数が減っていて、駆除は交代で行っている。フィアリスは休みだ。
「あなたの部屋に行きますね」
そう言って、エヴァンはフィアリスに唇を重ねた。
軽い口づけでも、触れるだけで小さな幸せが胸へと落ちて火が点る。
「お前ら……よく俺の前でそこまでイチャつけるよな……」
またレーヴェの存在を一瞬忘れていたフィアリスは目線をそらす。
エヴァンの方はじろりとレーヴェの手にあるものを睨みつけた。
「レーヴェ、前から言おうと思っていたが、フィアリスのそばで葉巻を吸うのをやめてくれ。フィアリスの髪ににおいがつく。たまにあんたを思い出して不愉快だ」
「人が優しくしていればいい気になりやがってこのガキ……。おい、調子に乗るなよエヴァン、まともに戦ったらまだまだお前は俺に勝てないんだからな!」
「どうだか」
「おっとそこまで言うなら表に出ろ、この野郎」
フィアリスが二人の間に立って手をあげる。
「ちょっとちょっと、つまらないことで喧嘩しないで!」
「つまらなくないです、私はあなたの髪が……」
「私のことで誰かにつっかかるのはやめてくれっていつも言ってるじゃないかエヴァン!」
なおも言い争う二人をなだめながら、やっぱり自分は幸せなんだな、とフィアリスは一人苦笑するのだった。
エヴァンに愛されているのが、くすぐったいけど嬉しくて。
気持ちの整理には時間がかかるかもしれないが、彼と手を繋いでいたいという想いは多分永遠に、揺らがない。
あなたの顔をもっとよく見たいのに、とエヴァンは少し膨れるが、おとなしく言うことを聞いてくれる。
エヴァンの部屋だった。
初めはそんなつもりで訪れたわけではない。エヴァンから、よく使う攻撃魔法の応用について相談したいと言われて、しばらくは真面目に話をしていたのだ。
その後雑談をしていたら、いつしか「そういう雰囲気」になってしまい、顔を赤らめつつもフィアリスは求め、エヴァンは嬉しそうに応じた。
性急ではない愛撫に、かえってフィアリスは焦れる。激しくしてくれだなどと素面では言えないが、根負けをして早く欲しいとねだる羽目になった。
「んっ、ぅんっ……あっ、エヴァンっ……ッ」
エヴァンを受け入れながら、フィアリスは声をもらす。
数え切れないほど誰かと交わっても、エヴァンとのそれは特別だった。行為そのものから得られる快楽に加えて、精神面での愉悦もある。我を忘れそうになり、痴態を見せないようにするのに苦労した。
だが弟子は師が乱れるところを見たがるので手に負えない。
「どうですか、フィアリス」
「どうって……」
「前より上手くなったかどうか」
「う、まいよ、上手……すごくっ……、あ、待って……!」
こういう時の待っては聞き入れた試しがない。エヴァンはいよいよ激しく腰を動かして攻めてきた。
「はぁッ……やっ、あ、うっ、あん……ああっ」
快楽が全てをさらっていきそうになる中、わずかに働く理性がフィアリスの羞恥心を刺激していた。
ここはエヴァンの部屋で、エヴァンのベッドで、私は小さかったこの子と一緒に眠ったこともあるのに、それなのに、今は、今はここでこんな――。
「うぁ、やあっ、エヴァン――ッ」
どういうわけか背徳感が加わると、いつも以上に感じてしまってすぐに達してしまうのだった。
行為が続く中エヴァンも達して、色香を含んだ声が降ってくる。
(私の中で、エヴァンが感じて……私が締め上げたから……っ)
そう思うとまた凄まじい快感に襲われて、フィアリスは涙をこぼしながら絶頂を迎えた。
達するタイミングなどというのは人それぞれで、フィアリスも経験上ほぼ同時に、というのは少ないのだが、エヴァンとはどういうわけか一緒にその時が来ることが多い。
息を切らしたエヴァンに抱き寄せられる。
「好きです、フィアリス……」
体内にわだかまった熱は一向に消えない。フィアリスは震える手でエヴァンを抱きしめる。
行為に関しては、あなたが欲しがるだけ、とエヴァンは言う。だから切り上げるのもフィアリスの意志に任されている。
この辺にしておこう、という言葉が喉元まで出かかるが、口を吸われてたちまち消えてしまった。
エヴァンの体温に、匂いに、声に酩酊する。
ああ。
私は、なんて――。
* * *
「私はなんて淫乱な人間なんだ!」
談話室の長椅子に横たわって丸まり、顔を両手で覆いながらフィアリスは大声を出した。
「もぉ……何なんだよ……またそういうの? お前ほんとめんどくさい奴だよな。何なの? そのすぐ悩んでわめくのって趣味なの?」
そばにある椅子に腰かけて葉巻を吸っているレーヴェは呆れた様子だ。
フィアリスはぽつりぽつりと要領を得ない呟きで自分の思いを吐露する。黙って聞いていたレーヴェだったが、首をひねってから口を開いた。
「つまり、気持ち良すぎてすぐ射精しちゃうから、弟子に早漏だと思われるのが恥ずかしいって話?」
「違うっ!!!」
耳まで真っ赤にしたフィアリスは体を起こして怒鳴った。
「私は……本当に……これで良かったのかと悩んでいて……」
初めて交わったのはあの塔でのことで、思えばどことなく非日常的な雰囲気があった。だから舞い上がっていたのかもしれない。
何度体を重ねても幸福な気持ちしかなくて、罪悪感など覚えなかった。
それなのに、館に帰ってきてから同じことをするとどぎまぎしてしまう。ここは自分とエヴァンが育った家であり、日常なのだ。
エヴァンとの行為が嫌になることは露ほどもないが、猛烈な背徳感に悩まされている。
「わかるわかる。背徳感はスパイスだよ。教会でヤると燃えるもんな」
「……レーヴェ、そのうちあなた捕まるんじゃない?」
フィアリスは頬に手をあててため息をついた。
やはり私はいけない人間なのではないだろうか。弟子をたぶらかす悪い教師。教え子を淫行に誘って、快楽に引きずりこんでいる。
「エヴァンにとって、本当にこれでよかったのかなって……」
レーヴェは唇をひん曲げてフィアリスを見つめている。顔を寄せて煙を吹きつけてくるので、フィアリスはやや咳こんだ。
「あいつがしたいことってさぁ、お前を幸せにすることなんだって」
「うん……」
「お前今幸せなの?」
「うん……」
「じゃあそれでいいじゃん。今更ぐちぐちうるせーな。そんなに悩むなら前の関係に戻ればいいんじゃねーの?」
「前の関係……」
というか今の関係は正確に言うと何なのだろう。恋人関係か。
とすると、恋人ではなくなるということだ。甘く愛を囁いたりせず、キスもしない。ただの師と弟子。そこに一切特別な感情を挟まない……。
(無理だ)
フィアリスは腕を回して自分の体を抱く。
「だって私……エヴァンのことが……好きで好きでたまらないんだ!」
「あああああ! 鬱陶しいな! のろけたいんなら穴でも掘って一人で喋ってろ! 聞いてるこっちが気が変になるんだよ!」
葉巻を指に挟んだまま手を振るので、灰が床へ落ちていく。
フィアリスはうつむいた。
そのうち慣れる、とレーヴェに励まされる。そんなものなのだろうか。
自分でも少しはわかっているのだ。私が悪い、私のせいかもしれない、そんな言葉が余計に誰かを傷つける。そういった自傷を、いつかやめられる日が来るのだろうか。
(やめなければいけないんだよな……)
開いた自分のてのひらに目を落とす。
自分の心に尋ねてみればすぐわかる。私はエヴァンを愛している、と。きっとずっと、愛していたのだ。初めはもちろん違う形で。そしてこういう形に落ち着いた。
まだまだこれからたくさん、こうして戸惑うのだろう。
戸惑いながら納得して、正解を「選んで」いくのかもしれない。
「何を盛り上がっているんですか」
談話室の入り口にエヴァンが顔をのぞかせたので、フィアリスはぎょっとした。
「いや、こいつが早漏……」
「やめて!!!」
フィアリスはレーヴェに飛びかかって口を塞ぐ。気を抜くとレーヴェは何を言い出すかわからなくて恐ろしい。
とんでもない発言を遮るのに成功し、レーヴェの口から手を離したフィアリスは冷や汗を拭って息をつく。
「お前の師匠は自分から誘うのが恥ずかしいんだってさ」
やはり余計なことを言う。
頬を赤く染めたフィアリスは、エヴァンの方をまともに見れなかった。
エヴァンは常にフィアリスに配慮を欠かさない。互いの気持ちを確かめ合うまではあんなにも積極的に迫ってきたというのに、今では自分から無理に唇を奪うなんてこともしない。
あなたがしたくなければしない、とエヴァンは言い、実際行為はフィアリスが求めなければ始まらないのだ。
「私が求めるままにするとなると、あなたに負担をかけると思うので……」
一切恥じらわず言うエヴァンに、ますますフィアリスの方が赤面する。
この館で、明るいうちに、こういう話をするのがもう恥ずかしいのだ。
「たまにお前から誘ってほしいって話なんだろ」
レーヴェが言うと、エヴァンはフィアリスに近づいてきてじっと見下ろし、手をとった。
「では今晩、いいですか。仕事は明け方からなので」
「……ね、寝なくて平気なの」
「平気ですよ。若いので。その前に体が温まった方がよく動けます」
近頃は魔物の発生数が減っていて、駆除は交代で行っている。フィアリスは休みだ。
「あなたの部屋に行きますね」
そう言って、エヴァンはフィアリスに唇を重ねた。
軽い口づけでも、触れるだけで小さな幸せが胸へと落ちて火が点る。
「お前ら……よく俺の前でそこまでイチャつけるよな……」
またレーヴェの存在を一瞬忘れていたフィアリスは目線をそらす。
エヴァンの方はじろりとレーヴェの手にあるものを睨みつけた。
「レーヴェ、前から言おうと思っていたが、フィアリスのそばで葉巻を吸うのをやめてくれ。フィアリスの髪ににおいがつく。たまにあんたを思い出して不愉快だ」
「人が優しくしていればいい気になりやがってこのガキ……。おい、調子に乗るなよエヴァン、まともに戦ったらまだまだお前は俺に勝てないんだからな!」
「どうだか」
「おっとそこまで言うなら表に出ろ、この野郎」
フィアリスが二人の間に立って手をあげる。
「ちょっとちょっと、つまらないことで喧嘩しないで!」
「つまらなくないです、私はあなたの髪が……」
「私のことで誰かにつっかかるのはやめてくれっていつも言ってるじゃないかエヴァン!」
なおも言い争う二人をなだめながら、やっぱり自分は幸せなんだな、とフィアリスは一人苦笑するのだった。
エヴァンに愛されているのが、くすぐったいけど嬉しくて。
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