愛するあなたへ最期のお願い

つぶあん

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8:愛の奇跡

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「……ん」

体が、ふわふわする。

少し寒い。
何か冷たい……頬に当たるのは、花びら……?

「アリシア!」
「アリシアが生き返った!!」
「奇跡だ!」
「おお神よ!」

……え?

私、夢を見ていたの?
さっき、美しい天使様が、私を優しく抱きしめてくれて……


  ◇ ◇ ◇


葬儀の最中に生き返るなんて、本当に奇跡みたいなことが起きた。
私は忽ち元気になった。

「神様が守ってくださったのよ」

お母様の言葉に、私は心の中で呟く。

違うの。
知ってる。

これは、天使様のおかげ。

優しい天使様が、特別に、私を生き返らせてくださった。

「……」

大切にしよう。
天使様の優しさに報いる為に、今度は、私自身を大切に生きていこう。

そう思うと不思議と笑顔が溢れて来た。

とてもとても幸せで。
目に映る全てが美しくて。

お母様やお父様、弟たちや、使用人のみんな。
私を取り囲む全ての人たちが、以前よりもっともっと愛しくて。

「神様……天使様……」

いつも。
いつも。

祈りを捧げている。

「慈しみ深い御導きに感謝します。どうか、みんなが幸せでいられますように。私にしてくださったように、みんなも愛してくださいますように。お願いします」

新しい日々が始まって、少し経ったある日のこと。

私は家族で王城に招かれた。
長い旅だったけれど、すべてが新鮮で楽しい経験になった。

賑やかな城下町に、活気にあふれる人々の笑顔。
美しい煉瓦道や、宝石のように煌びやかな焼き菓子に、流行のドレス。

目に映る全てが色鮮やかで、まるで夢をみているみたい。
御伽噺の中に迷い込んだ、女の子みたい。

楽しい時間が瞬く間に過ぎていく。

謁見の間に通されて、国王陛下と王妃様に初めてお会いした。
緊張したけれど、なんだか、強い自分でいることができた。

「……」

天使様。
私の心には、天使様がいる。

優しい天使様が私を大切にしてくださったことを、ちゃんと覚えている。

今も、まるで天使様が傍にいてくれるような気がする。
だから心強かった。

「あなたが奇跡の伯爵令嬢ですね、アリシア」

王妃様の深く美しい声が私の名前を呼んだ。

「神様に愛されたあなたを、私たち王家は歓迎いたします」
「顔をあげよ。神に愛された聖なる乙女アリシア」

国王陛下の命じる声もとても優しい。

恐る恐る顔を上げると、この国で一番偉く尊い夫婦が、まるで天使様みたいに優しく慈愛に満ちた微笑みで私を見つめていた。

それから、本当に奇跡のような毎日だった。

王妃様のお茶会に、親しいお友達として招待された。
王家と親交のある貴婦人たちも、とても優しくしてくれた。

そして……
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