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第三章 僕の借金苦 (蒼side)
15.そのお金、俺が出してあげようか?
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「え、でも……」
と僕は躊躇ったが、麗夜さんは強引だった。
僕にとってお隣のリイさん以外の誰かを部屋に入れるのって初めてだった。
こんなボロくて狭い4畳半の部屋に人を招くなんて恥ずかしいから。
さっきだって麗夜さんが「車で家まで送るよ」と言ってくれたとき、僕は「曲がり角の手前で大丈夫です」と言ったんだけど、「家はどこ?」とちょっと強引にアパートの前まで案内させられたのだ。
「古いですが、家賃が激安なんです。それに中は案外きれいで清潔感があるんですよ」
このアパートの外観を見て絶句している麗夜さんに僕はそう言った。彼に嫌われたくなくて、弁解する言葉が勝手に喉から飛び出したんだ。
実際は部屋の中だってすごい有様で、天井や壁には雨漏りでシミができて変色していて、窓ガラスに入ったヒビは直すお金がなくてガムテープで止めているし、ギュッと閉めても流しの蛇口はポタ……ポタ……と水が垂れている。
家具なんて何も買えないから、部屋の中にはテーブル代わりに使っている段ボール箱が置いてあるだけ。
けれどそんな室内を見ても、彼は引いている様子なんてなかった。
狭い部屋の中で彼はポケットから出した柔らかなハンカチで僕の涙を拭いてくれた。
温かな手に撫でられ、優しい眼差しで見つめられて、僕の心は少し落ち着きを取り戻した。
「俺が来る前に、この部屋に来ていた人と何かあったの?」
「見ていたんですか……?」
「うん、ちょうど俺が来るときにこの部屋から出て行くのが見えたから」
僕は観念して叔父さんのことと借金のことを麗夜さんに打ち明けた。
「あの人は僕の叔父さんで、僕は亡くなった両親が叔父さんから借りていたお金を毎月5万円ずつ返しているんですけど、さっきその返済額を月10万円に増やすよう言われて……」
大きな会社の社長でお金に困ったことなんてなさそうな麗夜さんにこんな惨めな身の上を話すのは少し気が引けたが、彼は真剣に聞いてくれた。
「月5万円の返済もギリギリなのに、月10万円だなんて……もうどうしたらいいか……」
僕が肩を落としてため息をつくと、少しの沈黙の後、麗夜さんがこう提案した。
「そのお金、俺が出してあげようか?」
「ええっ!?」
僕は驚いた。いくら彼が裕福だからと言って、さすがにそんなことをしてもらう義理はない。
「もちろんタダでじゃないよ。この前みたいにうちの製品のテスターとして1回5万円で俺が君を雇うっていうのはどうかな?」
「えっ……」
この前みたいなってことは、またホテルであんなことを……!?
色々と思い出して熱くなった僕の顔を麗夜さんがクスッと笑った。
「君みたいなピュアな子を、俺はずっと探してたんだよ」
ずっと探してたって……、製品をテスターしてもらうならそういう子がいい、という意味だろうか……?
迷う余地なんてなかった。だって僕には他にお金を手に入れる方法なんてないんだから。
と僕は躊躇ったが、麗夜さんは強引だった。
僕にとってお隣のリイさん以外の誰かを部屋に入れるのって初めてだった。
こんなボロくて狭い4畳半の部屋に人を招くなんて恥ずかしいから。
さっきだって麗夜さんが「車で家まで送るよ」と言ってくれたとき、僕は「曲がり角の手前で大丈夫です」と言ったんだけど、「家はどこ?」とちょっと強引にアパートの前まで案内させられたのだ。
「古いですが、家賃が激安なんです。それに中は案外きれいで清潔感があるんですよ」
このアパートの外観を見て絶句している麗夜さんに僕はそう言った。彼に嫌われたくなくて、弁解する言葉が勝手に喉から飛び出したんだ。
実際は部屋の中だってすごい有様で、天井や壁には雨漏りでシミができて変色していて、窓ガラスに入ったヒビは直すお金がなくてガムテープで止めているし、ギュッと閉めても流しの蛇口はポタ……ポタ……と水が垂れている。
家具なんて何も買えないから、部屋の中にはテーブル代わりに使っている段ボール箱が置いてあるだけ。
けれどそんな室内を見ても、彼は引いている様子なんてなかった。
狭い部屋の中で彼はポケットから出した柔らかなハンカチで僕の涙を拭いてくれた。
温かな手に撫でられ、優しい眼差しで見つめられて、僕の心は少し落ち着きを取り戻した。
「俺が来る前に、この部屋に来ていた人と何かあったの?」
「見ていたんですか……?」
「うん、ちょうど俺が来るときにこの部屋から出て行くのが見えたから」
僕は観念して叔父さんのことと借金のことを麗夜さんに打ち明けた。
「あの人は僕の叔父さんで、僕は亡くなった両親が叔父さんから借りていたお金を毎月5万円ずつ返しているんですけど、さっきその返済額を月10万円に増やすよう言われて……」
大きな会社の社長でお金に困ったことなんてなさそうな麗夜さんにこんな惨めな身の上を話すのは少し気が引けたが、彼は真剣に聞いてくれた。
「月5万円の返済もギリギリなのに、月10万円だなんて……もうどうしたらいいか……」
僕が肩を落としてため息をつくと、少しの沈黙の後、麗夜さんがこう提案した。
「そのお金、俺が出してあげようか?」
「ええっ!?」
僕は驚いた。いくら彼が裕福だからと言って、さすがにそんなことをしてもらう義理はない。
「もちろんタダでじゃないよ。この前みたいにうちの製品のテスターとして1回5万円で俺が君を雇うっていうのはどうかな?」
「えっ……」
この前みたいなってことは、またホテルであんなことを……!?
色々と思い出して熱くなった僕の顔を麗夜さんがクスッと笑った。
「君みたいなピュアな子を、俺はずっと探してたんだよ」
ずっと探してたって……、製品をテスターしてもらうならそういう子がいい、という意味だろうか……?
迷う余地なんてなかった。だって僕には他にお金を手に入れる方法なんてないんだから。
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