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カボチャクリームぷにぷにニョッキ
カボチャクリームぷにぷにニョッキ
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ここ数日、ココがまたベッドに上がって寝たがるようになったので、今日は日のあるうちにココを洗ってやった。
最近は日が落ちるのも早く、ドアを開けっ放しにしておくことも随分減ってきた。
今まさに、ココはベッドに飛び乗ってクルクルと寝床を確かめている。一番気に入った場所で丸くなって寝るのだ。
「夜は肌寒いものね。真冬はくっついて寝ましょう……みんなにはナイショよ?」
アリシャもベッドに横になり、肩肘をついてココを撫でる。黒い艷やかな毛は洗い立てなのでサラサラとしていた。
「最近、エドは来ないわね」
撫でながらココに話しかけるが、ココは既に瞼をおろしている。耳はパタパタと動いているのだから聞いている癖に、話し相手をするつもりはなさそうだ。
夏の間はかなりの頻度で食べ物を漁りに来ていたエドだったが、今は夕飯の時にしか顔を見せなくなっていた。
「別に訓練に付き合ってほしいわけじゃないのよ。ただほら……お腹空かないのかなって」
ココが薄目を開けてチラリとアリシャを見た後、ため息をついた。
(本当なのに、ココってば。そりゃ、寂しくないわけじゃないけどさ)
相手をしてくれないココに話すのを諦めて仰向けになり、掛け布団を首元まで引っ張った。まだそこまでかけなくても寒くないし、返って暑いくらいだがなんとなく潜ってしまいたかった。
木こり一家が越してきて、話し合いの結果、森に近いレオの家をナジ一家のものにすることになった。レオはその前から宿屋の個室に住むことになっていたが、問題は薬の調合をする場所だった。道具も材料も大量にあるし、何より専用の炉がないと困るのだという。
「調合用に塔を使うか。場所は悪くないし、広さも申し分ない。問題は炉がないことだな」
それを聞いていたナジが、自分たち用に家を明け渡してくれるのだから是非とも炉は作らせてくれと言っていた。
「炉だけなら直ぐですし、やりますよ。荷を移すのももちろん手伝いますし」
そういう事で、ナジ達は暫く塔に炉を作ることに専念していた。今は何もかも完璧な調合部屋に生まれ変わった塔にレオが毎日仕事をしに通っている。
レオは完璧な仕事場を手に入れ、宿屋に居を移し、ナジ一家はレオの使っていた家で新生活を始めていた。どんどん村は村らしくなっていた。
(村は安定していて平和なのに……外の世界はますます殺伐としてる)
最近、ポツリポツリと宿屋に泊まってくれる客も増えてきた。その人たちが口々にストルカ国方面は危険すぎて行かれないと言うのだ。
アリシャはそれを聞くたびにボリスの事を思い出す。春の終わり頃、ストルカ国に戻って行ったが無事なのか心配になるのだ。
寝返りを打つとココが迷惑そうに身じろぎしたが、直ぐに大人しくなった。しかし、パッと立ち上がり耳を済ましだした。
「ココ、どうしたの?」
アリシャが問うとココは低い唸り声をあげ始めた。始めはアリシャにやっと聞こえるくらいだったが、段々その声を大きくしていく。低い唸り声は外に繋がるドアへと向けられている。
「誰かいるの?」
アリシャも体を起こし耳を澄ませたが唸り声が邪魔をして外の音を拾うことが出来ない。牙を剥いているのが暗がりでも見えて、アリシャはとうとう恐ろしくなって服を着込んだ。
(旅人かしら。村の人の足音はわかるみたいだし)
夜警として時々交代で男たちが松明片手に村を歩いてくれているが、それにココは全く反応を示さない。どうやら足音で誰だか判断できるようだ。
(レオさんを起こしに行くべき?)
ココの警戒は高まるばかりでアリシャを怯えさせる。今夜は宿屋に客は居ない。それに居たとしても用がなければ戸に鍵をかける決まりにしていた。
「ココ……」
とうとうアリシャの耳にも足音が届いた。迷っている場合ではない、レオを呼ばなければと立ち上がった。
「……アリシャ? 俺、ボリスだけど寝てるか?」
ハッと目を見開くと扉に駆け寄った。ココは声が聞こえたことで更に毛を逆立てて怒っている。ずっと居なかったから既にボリスを忘れたのだろか。アリシャも扉の前まで来たが開けずに問う。
「ボリス? 本当に?」
「ああ、起きてたか。到着が遅くなってこんな時間になったんだ。悪いが開けてくれないか?」
そこで今度は料理部屋の方からノックされ「アリシャ、ココが鳴いているようだが何かあったか?」とレオの声。そちらに今度は駆けていき、今度は躊躇わずに閂を押し上げた。
「レオさん、あちらの外にボリスが居ます。でもココが怒っていて……」
レオは手に石斧を持っていた。
「ココを抱いていてくれ。確認してから開けるが、万が一襲いかかってきたりしたら防御を張りなさい。出来るね?」
コクコク頷いたが、自信はなかった。ただ、レオが危険になったら絶対に守りきらねばと思っていた。緊張で冷え切った手でサッとココを抱き上げるが、ココは唸るのをやめず毛も逆立てたままだ。
「ボリスなのか?」
外に通じる扉の前でレオが外に語りかける。その扉を作ったボリスが「レオさん。夜分にすいません」と返した。これは本人であることに間違いないが、一人ではないのかもしれない。ココの怒りがそう言っている。
最近は日が落ちるのも早く、ドアを開けっ放しにしておくことも随分減ってきた。
今まさに、ココはベッドに飛び乗ってクルクルと寝床を確かめている。一番気に入った場所で丸くなって寝るのだ。
「夜は肌寒いものね。真冬はくっついて寝ましょう……みんなにはナイショよ?」
アリシャもベッドに横になり、肩肘をついてココを撫でる。黒い艷やかな毛は洗い立てなのでサラサラとしていた。
「最近、エドは来ないわね」
撫でながらココに話しかけるが、ココは既に瞼をおろしている。耳はパタパタと動いているのだから聞いている癖に、話し相手をするつもりはなさそうだ。
夏の間はかなりの頻度で食べ物を漁りに来ていたエドだったが、今は夕飯の時にしか顔を見せなくなっていた。
「別に訓練に付き合ってほしいわけじゃないのよ。ただほら……お腹空かないのかなって」
ココが薄目を開けてチラリとアリシャを見た後、ため息をついた。
(本当なのに、ココってば。そりゃ、寂しくないわけじゃないけどさ)
相手をしてくれないココに話すのを諦めて仰向けになり、掛け布団を首元まで引っ張った。まだそこまでかけなくても寒くないし、返って暑いくらいだがなんとなく潜ってしまいたかった。
木こり一家が越してきて、話し合いの結果、森に近いレオの家をナジ一家のものにすることになった。レオはその前から宿屋の個室に住むことになっていたが、問題は薬の調合をする場所だった。道具も材料も大量にあるし、何より専用の炉がないと困るのだという。
「調合用に塔を使うか。場所は悪くないし、広さも申し分ない。問題は炉がないことだな」
それを聞いていたナジが、自分たち用に家を明け渡してくれるのだから是非とも炉は作らせてくれと言っていた。
「炉だけなら直ぐですし、やりますよ。荷を移すのももちろん手伝いますし」
そういう事で、ナジ達は暫く塔に炉を作ることに専念していた。今は何もかも完璧な調合部屋に生まれ変わった塔にレオが毎日仕事をしに通っている。
レオは完璧な仕事場を手に入れ、宿屋に居を移し、ナジ一家はレオの使っていた家で新生活を始めていた。どんどん村は村らしくなっていた。
(村は安定していて平和なのに……外の世界はますます殺伐としてる)
最近、ポツリポツリと宿屋に泊まってくれる客も増えてきた。その人たちが口々にストルカ国方面は危険すぎて行かれないと言うのだ。
アリシャはそれを聞くたびにボリスの事を思い出す。春の終わり頃、ストルカ国に戻って行ったが無事なのか心配になるのだ。
寝返りを打つとココが迷惑そうに身じろぎしたが、直ぐに大人しくなった。しかし、パッと立ち上がり耳を済ましだした。
「ココ、どうしたの?」
アリシャが問うとココは低い唸り声をあげ始めた。始めはアリシャにやっと聞こえるくらいだったが、段々その声を大きくしていく。低い唸り声は外に繋がるドアへと向けられている。
「誰かいるの?」
アリシャも体を起こし耳を澄ませたが唸り声が邪魔をして外の音を拾うことが出来ない。牙を剥いているのが暗がりでも見えて、アリシャはとうとう恐ろしくなって服を着込んだ。
(旅人かしら。村の人の足音はわかるみたいだし)
夜警として時々交代で男たちが松明片手に村を歩いてくれているが、それにココは全く反応を示さない。どうやら足音で誰だか判断できるようだ。
(レオさんを起こしに行くべき?)
ココの警戒は高まるばかりでアリシャを怯えさせる。今夜は宿屋に客は居ない。それに居たとしても用がなければ戸に鍵をかける決まりにしていた。
「ココ……」
とうとうアリシャの耳にも足音が届いた。迷っている場合ではない、レオを呼ばなければと立ち上がった。
「……アリシャ? 俺、ボリスだけど寝てるか?」
ハッと目を見開くと扉に駆け寄った。ココは声が聞こえたことで更に毛を逆立てて怒っている。ずっと居なかったから既にボリスを忘れたのだろか。アリシャも扉の前まで来たが開けずに問う。
「ボリス? 本当に?」
「ああ、起きてたか。到着が遅くなってこんな時間になったんだ。悪いが開けてくれないか?」
そこで今度は料理部屋の方からノックされ「アリシャ、ココが鳴いているようだが何かあったか?」とレオの声。そちらに今度は駆けていき、今度は躊躇わずに閂を押し上げた。
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レオは手に石斧を持っていた。
「ココを抱いていてくれ。確認してから開けるが、万が一襲いかかってきたりしたら防御を張りなさい。出来るね?」
コクコク頷いたが、自信はなかった。ただ、レオが危険になったら絶対に守りきらねばと思っていた。緊張で冷え切った手でサッとココを抱き上げるが、ココは唸るのをやめず毛も逆立てたままだ。
「ボリスなのか?」
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