【台本】時限爆弾解除

茶屋

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【台本】時限爆弾解除

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■登場人物

 レヴィ(♂):国を変えてやる、と意気込むが空振り多し。
 ジョズ(♂):手先が器用。いろんなものを自作できる。

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■配役(2:0:0) 所要時間:10分くらい

 レヴィ(♂)[L66]:
 ジョズ(♂)[L65]:

  ※L**:セリフ数
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■台本

<アジト>

 ジョズ:「お。やっと起きてきたか。」

 レヴィ:「おぅ。また、目覚ましが壊れたみたいでよぉ…ふわぁーあ。」

 ジョズ:「そうそう。例の出来上がったぞ。」

 レヴィ:「なに?! 出来たのか!」

 ジョズ:「おお。昨日の深夜に完成だ。
      とにかく、見てくれよ。きっと気に入るぜ!」

 レヴィ:「どれどれ?」

 ジョズ:「ジャジャーン!! どうだぁー!」

 レヴィ:「おおおおお!」

 ジョズ:「どうよ?」

 レヴィ:「流石、ジョズ! 元の通りじゃねーか。
      肝心の威力はどのくらいなんだ?」

 ジョズ:「威力は凄ぇぞ。かなり離れてても大丈夫なはずだ。」

 レヴィ:「…はず? ”はず”ってなんだよ。試してないのか?」

 ジョズ:「試す訳にはいかないだろ?」

 レヴィ:「試せよ。」

 ジョズ:「無理だろ?」

 レヴィ:「出来るだろ。」

 ジョズ:「どこで?」

 レヴィ:「ここで。」

 ジョズ:「試すにしても、ここはヤバイだろ!?」

 レヴィ:「なんでだよ? 早速、試してみようぜ。」

 ジョズ:「お、おい。ちょっと…!」

 レヴィ:「えーっと…。あれ? これどうやって時間を設定するんだ?」

 ジョズ:「パソコンから直接設定するんだよ!」

 レヴィ:「パソコン!? なんでそんな面倒なことしなきゃなんねーんだよ?」

 ジョズ:「仕方ないだろ。そういう設計なんだから!」

 レヴィ:「ちぇ。んじゃ、ちょっとタイマーをセットして鳴らしてみてくれよ。」

   (レヴィの手でボタンが押されていることに気が付く)

 ジョズ:「…ん?」

 レヴィ:「”ん?”じゃねーよ。鳴らして音を聞かせてくれっての。」

 ジョズ:「…ちょっと待て。」

 レヴィ:「なにを待つんだよ?」

    (装置を手放そうとするレヴィ)

 ジョズ:「うわああ!?ちょっと待てって!動くな!
      その装置から手を離すな!!!」

 レヴィ:「おいおい!びっくりさせんなよ…。
      いきなり大声出すんじゃねーよ。近所迷惑だろ。」

 ジョズ:「確認したいことがある。
      その間、その装置を絶対離すんじゃないぞ。」

 レヴィ:「ああ、なんだよ?」

 ジョズ:「今から3つ質問するぞ。」

 レヴィ:「ああ。だから、なんだよ?」

 ジョズ:「お前、俺に爆弾を作れって言ったよな?」

 レヴィ:「言ってないよ。」

 ジョズ:「……。」

 レヴィ:「……。」

 ジョズ:「……。」

 レヴィ:「次の質問は?なに?」

 ジョズ:「いや、今の1つで十分だった。」

 レヴィ:「そうか、じゃあ…」

 ジョズ:「うおおおおい! 待て待て待て!!!」

 レヴィ:「だから! なんだよ!?」

 ジョズ:「落ち着いて聞いてくれ。決して、手は離すなよ? いいな?」

 レヴィ:「手? ああ、分かった。」

 ジョズ:「あああ! 逆!逆! そっちは離していいけど、そっちはダメ!」

 レヴィ:「どっちだよ?」

 ジョズ:「椅子を掴んでいる方の手は離しても良いから、
      装置を掴んでる手は離すな。」

 レヴィ:「んあ。こっちか。こっちはいいんだな?」

 ジョズ:「それと…その親指で押してるボタンは離すな。
      俺の言葉…理解できるか?」 

 レヴィ:「バカにしてんのか。ったく、ボタンって…これか?」

 ジョズ:「だぁぁぁぁ! だから、なんで離すんだよぉ!?」

 レヴィ:「ん?なんか点滅し始めたぞ?」

 ジョズ:「バカ! レヴィ! バカ! お前っ…バカ!!」

 レヴィ:「バカバカうっせーなぁ。お?ちゃんと動いてるじゃん。」

 ジョズ:「動いたらダメなんだよ!」

 レヴィ:「自分で作っておいて、動いたらダメってなんだよ。
      おかしなこと言うなぁ。」

 ジョズ:「自分の才能をこんなに恨む日が来るとは!!」

 レヴィ:「で、いつ鳴るのコレ?」

 ジョズ:「鳴らないよ!」

 レヴィ:「は? 鳴らないって…それじゃ意味ないだろ?」

 ジョズ:「鳴らなくもないけど…!
      音がしたと同時に、俺達はココにはもう居ないけどな!」

 レヴィ:「なんでキレてんだよ。」

 ジョズ:「そりゃキレますよ!」

 レヴィ:「なんで敬語なんだよ…?」

 ジョズ:「だってソレ…爆弾ですから!!」

 レヴィ:「…………爆音だろ?」

 ジョズ:「爆音じゃねーよ! 爆弾だ! ニヤニヤすんな!」

 レヴィ:「あはは! 爆弾って。
      目覚まし時計が爆発したら、洒落にならねーだろ?」

 ジョズ:「つまり、そういう事なんですけど。」

 レヴィ:「え、どういう事?」

 ジョズ:「そういう事。」

 レヴィ:「………はぁっ!?」

 ジョズ:「お前が時限爆弾を起動させちまったんだよ!」

 レヴィ:「はぁぁぁぁぁ!? 何作ってくれちゃってんの、お前!?」

 ジョズ:「今、そんなこと言ってる場合じゃねーよ!」

 レヴィ:「あ、ああああ、ああああああ。そ、そ、そ、そうだな。」

 ジョズ:「まず落ち着け。」

 レヴィ:「む、無理だ。」

 ジョズ:「自分でやったんじゃねーか! しっかりしろよ!」

 レヴィ:「いや、知らなかったんだ。
      俺、知らなかったんだ!…だから俺は悪くない。」

 ジョズ:「知らないで済まないんだよ、大人の世界は!!!」

 レヴィ:「ボク子供だもん。成長痛で毎晩つらいんだもん。
      サンタも居るし、空飛ぶパン男も実在するって信じてるもん。
      あと、鉄道も喋るって…」

 ジョズ:「ベタな逃げ方やめろ!帰って来い、レヴィ!
      まだ、助かる道はある!!」

 レヴィ:「まだ、俺にも明日を生きるチャンスが残されていのか?!」

 ジョズ:「ああ、こんなこともあろうかと”解除コード”を設定してある。」

 レヴィ:「流石だぜ、ジョズ! こんな事態も想定済みだったのかよ!」

 ジョズ:「…まぁ。”こんなことも”ってのは、勢いで言っただけだ。」

 レヴィ:「あああああ、俺の明日が!未来がぁぁぁ。定期預金がぁぁぁ!」

 ジョズ:「落ち着け! 解除コードは本当だから!」

 レヴィ:「っ!そうか!良し!じゃあ、その解除コードをやってくれよ!」

 ジョズ:「おう。ラレリルレロラロ。」

 レヴィ:「何やってんだよ? 頭おかしくなったのか?」

 ジョズ:「解除コードは音声入力になってんだ。今のは、口の準備体操。」

 レヴィ:「なんだかわかんねーけど、早くやれ!」

 ジョズ:「ペギー・バブコック(Peggy Babcock)」(× 早口3回)

 レヴィ:「呪文…なのか?」

 ジョズ:「早口言葉だよ。」

 レヴィ:「なんでそんなもん解除コードにしたんだよ?!」

 ジョズ:「いいだろ。でも、これで解除でき…」

 レヴィ:「てねーよ!? 表示の点滅が早くなったぞ!?」

 ジョズ:「ええ!? や、やべぇ…時間切れだ!!!」

 レヴィ:「う!!!!!!」

    (目覚まし時計のアラーム)

    (目覚まし音:ピピピッ、ピピピッ)

 ジョズ:「……あ?」

 レヴィ:「…お?」

 ジョズ:「あれ? 爆発…しない?」

 レヴィ:「これ、本当に爆弾か? この音…どう聴いても
      目覚ましのアラーム音だと思うんだけどよ。」

 ジョズ:「本当だな。…これ、目覚まし時計だな。」

   (ジョズ、時計のアラームを止める)

 レヴィ:「なんだよぉ~…はぁ~。だろ? これ俺が元々使ってた時計だろ?」

 ジョズ:「そういうことになるな。
      でも…レヴィが、時計を修理するついでに
      これと同じタイプの爆弾を作ってくれって。」

 レヴィ:「えー? 言ったー?」

 ジョズ:「言った。」

 レヴィ:「そうだっけ? 俺、酔ってたんじゃねーかな…。
      ま、いいじゃん。無事だったんだし。」

 ジョズ:「ま、そうだな。
      ……って、ちょっと待て。」

 レヴィ:「今度はなんだよ。」

 ジョズ:「コレが、お前から渡された時計だったとしたら…?」

 レヴィ:「だったとしたら…なんだよ?」

 ジョズ:「俺が作った”時限爆弾”は、どこにいったんだ?」

 レヴィ:「そんなの知らねーよ。自分で探せよ。」

 ジョズ:「おかしーなぁ…。昨夜、ココに置いておいたのに…。」

 レヴィ:「とりあえず、この目覚まし時計サンキューな。明日からコレ使うよ。」

 ジョズ:「っ!? おい、レヴィ…
      お前、さっき起き掛けに何か言ってなかったか?」

 レヴィ:「なんか言ったっけ?」

 ジョズ:「目覚ましが鳴らなかったとか、どうとか。」

 レヴィ:「ん? ああ、ベッドの横に置いてあった時計がよ………ぉ?」

 ジョズ:「…それ、ボタンは?」

 レヴィ:「ハハ……何回も押した。」

 ジョズ:「っ!このバカ!!!」

 レヴィ:「急げ、ジョズ! 俺の未来を守るんだぁぁ!!!」
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