王道学園は実に面白い

白鳩 唯斗

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第1章

僕の本性?

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「あの、どいてくれないかな?」

「あぁ? 嫌に決まってんだろ」

 僕を見下ろす、筋肉質な男がニヤリと笑う。

 んー、困ったなぁ。間違えて撃たないように、左に銃をしまったのが失敗だったかな。

「はぁ······」

 普通なら、ナイフで首を切るか、喉仏を潰しちゃえば良いんだけど、相手は学生だからね。殺しちゃダメって言われてるし······困ったなぁ。

 僕は今、屋上で押し倒されている。僕の両手は上に乗っている筋肉質な男に抑えられ、足も絡められて拘束されていた。

 僕は呆れて目を閉じる。

「なんだ? 諦めてヤられる気になったか?」

「··················」

 ······今、殺るって言った? 僕を? 

「ねぇ、君さ、今僕を殺るって言ったのかな?」

 目を開け、笑顔で聞いてみる。

「あぁ、言ったが? お前みたいな普段ヤる側のやつを襲うのも悪くねぇな」

「へぇ~、そっかそっか」

 僕が素人に負けるって言いたいのかな? もしかして、舐められてる? やだなぁ、流石に冗談がすぎるよ?

「殺るってことは、殺られる覚悟もあるって事だよね?」

 僕はもちろんあるよ、っと付け加える。

 人を殺すなら、殺されるリスクもあるからね。僕は殺し屋として、常に覚悟している。もちろんタダで殺られるつもりはないけどね。

「はっ! いいぜ、ヤれるもんならやってみろよ」

 男の言葉に体がピクっと反応する。

 この子、絶対僕のこと舐めてるよね? いい加減僕でも怒るよ? 楓鵺さんには"殺す"のがダメって言われただけなんだよね······。

「ふふ、ふふふっ。君、面白いね」

「何笑てんだ、状況が理解出来てねぇのか?」

 男は、僕を睨むとズボンに手をかける。

 状況が理解出来てないのは、君の方だと思うんだけどなぁ。

 僕はいつも通りの笑顔で、手を抑えつけている相手の指を反対側にへし折る。

「がぁあああ!」

 男が悲鳴を上げ、拘束が緩んだので立ち上がる。

 指折っただけで大袈裟だな。君から襲ってきたのに。

 男は右手を抑えてのたうち回っている。

「あれ、どうしたの? 殺れるもんならやってみろって君が言ったんでしょ?」

「ひっ····も、もう許してく──」

「ダメだよ?」

 僕は地面に倒れている男の元へ近寄る。

 そして、彼の腕を掴んで──屋上には『ボキッ』という音と、悲鳴が響き渡ったのだった。
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