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反乱軍との交渉
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反乱軍の指定された通りに百メートル以内には交渉人は二人で警備兵は五人とした。相手も約束を守っている。百メートル以外は圧倒的にハンド―ラがあふれているが。交渉人は宰相ともう一人はまさかの人物。
反乱軍は顔を布で覆って現れた。わずかに遅れてきたのは人質を取っている自信の表れか。そのわりに挨拶も握手もないのは焦っているためか。ハンド―ラは宰相が交渉役となり隣の人物は書記を担当する。
「ハンド―ラの方に伝える。人質を取ったのはハンド―ラへの復讐のため。我々はオータス併合の悲劇のときに家族を失った恨みを忘れてはいない。」
「復讐は理解した。あなた方の要求はなにか?」
宰相はいつも通りに丁寧な対応を心がける。
「国王と皇太子を返してほしければオータスを以前のように独立国として認めること。我々だけでオータスの国を運営していく」
「要求はわかった。質問してもよろしいか?」
「なんだ」
「二つある。このことは国王陛下に報告し判断頂かなくてはいけない。国王と会わせてもらえるか?それともうひとつ。国として運営するには政治に行政など様々な人間が必要だが以前のオータスの運営していた中枢の方々は仕事の内容に応じてハンド―ラの国内に移動してもらった。あなた方は国の運営をする人間を何人集めているのか?」
「わかった。国王には会わせる。味方は集まっていないと思っているだろう。八十人集めている」
「国王への面会を頼みます。味方の人数は驚きました。ありがとうございます。」
オータスの以前の中枢と運営の職員はざっと二百人はいた。やはり反乱軍か。国の運営などわかっていない。国王への面会の日に合わせて終わらせてしまおう。
国王への面会はあとで知らせると言い残して反乱軍は引き上げていった。
「今から考えるのではないですか?」
「そんなところだろ。引き上げよう」
「陛下、人質の身代わりですが終わりにしましょうか?」
「そうだな。あんな連中ではクーデターも成功は無理だろう」
一緒に交渉に向かった男は陛下だった。ひとこともしゃべらなかったのは意味があってのこと。
「しかし、反乱軍の首謀者はわかった。オータスの併合で捕虜から脱走して俺へ単身切り込んできた奴だ。名前は覚えていない」
「よく覚えていらっしゃいました」
「声は覚えるのが得意だからな。捕まってからも騒がしかったからよく覚えている」
「そうでしたか」
陛下の声を覚えるのが得意なの俺ははじめて聞いた。そういえば離れたところにいても返事することがあり、どこで聞いているのかと思ったことはあった。母上はよく知っていたのだ。当然のようにしていたので俺たち兄弟ではずっと疑問だった。
反乱軍からはその日のうちに連絡が届いた。翌日のお昼に会わせるので面会は一人で護衛は三人でくるように要求してきた。
指定された場所に四人で待つ。時間になっても反乱軍は現れない。宰相は理由を知っている。護衛も理由を知っているので演技をしている。お互いに目が合うと噴き出してしまいそうになるので気をつけているのが余計におかしい。
反乱軍の一人が走ってきた。
「面会は中止だ。また連絡する」
反乱軍は顔を布で覆って現れた。わずかに遅れてきたのは人質を取っている自信の表れか。そのわりに挨拶も握手もないのは焦っているためか。ハンド―ラは宰相が交渉役となり隣の人物は書記を担当する。
「ハンド―ラの方に伝える。人質を取ったのはハンド―ラへの復讐のため。我々はオータス併合の悲劇のときに家族を失った恨みを忘れてはいない。」
「復讐は理解した。あなた方の要求はなにか?」
宰相はいつも通りに丁寧な対応を心がける。
「国王と皇太子を返してほしければオータスを以前のように独立国として認めること。我々だけでオータスの国を運営していく」
「要求はわかった。質問してもよろしいか?」
「なんだ」
「二つある。このことは国王陛下に報告し判断頂かなくてはいけない。国王と会わせてもらえるか?それともうひとつ。国として運営するには政治に行政など様々な人間が必要だが以前のオータスの運営していた中枢の方々は仕事の内容に応じてハンド―ラの国内に移動してもらった。あなた方は国の運営をする人間を何人集めているのか?」
「わかった。国王には会わせる。味方は集まっていないと思っているだろう。八十人集めている」
「国王への面会を頼みます。味方の人数は驚きました。ありがとうございます。」
オータスの以前の中枢と運営の職員はざっと二百人はいた。やはり反乱軍か。国の運営などわかっていない。国王への面会の日に合わせて終わらせてしまおう。
国王への面会はあとで知らせると言い残して反乱軍は引き上げていった。
「今から考えるのではないですか?」
「そんなところだろ。引き上げよう」
「陛下、人質の身代わりですが終わりにしましょうか?」
「そうだな。あんな連中ではクーデターも成功は無理だろう」
一緒に交渉に向かった男は陛下だった。ひとこともしゃべらなかったのは意味があってのこと。
「しかし、反乱軍の首謀者はわかった。オータスの併合で捕虜から脱走して俺へ単身切り込んできた奴だ。名前は覚えていない」
「よく覚えていらっしゃいました」
「声は覚えるのが得意だからな。捕まってからも騒がしかったからよく覚えている」
「そうでしたか」
陛下の声を覚えるのが得意なの俺ははじめて聞いた。そういえば離れたところにいても返事することがあり、どこで聞いているのかと思ったことはあった。母上はよく知っていたのだ。当然のようにしていたので俺たち兄弟ではずっと疑問だった。
反乱軍からはその日のうちに連絡が届いた。翌日のお昼に会わせるので面会は一人で護衛は三人でくるように要求してきた。
指定された場所に四人で待つ。時間になっても反乱軍は現れない。宰相は理由を知っている。護衛も理由を知っているので演技をしている。お互いに目が合うと噴き出してしまいそうになるので気をつけているのが余計におかしい。
反乱軍の一人が走ってきた。
「面会は中止だ。また連絡する」
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