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五つめ最後の国家機密魔法
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「ピーサレフ」
唱えられた瞬間に服の色が変わった。今は昼の時間帯なので青色に変化していく。三メートルも上がると青一色に変化した。隣で一緒に上空へ上がるラウラの衣装も同じ青と空色をミックスする色に変化していた。十も数えないうちに三十メートル付近に来たようだ。上空からの眺めは建物も歩兵部隊も騎馬部隊も弓兵部隊も魔法使い部隊も丸見えだ。
「ラウラ、移動できるか?」
「大丈夫です。どちらに移動しますか?」
「東側の塔の付近まで行ってくれ」
「承知いたしました」
東側の塔の付近まで移動しながら地上の様子を詳細に記憶していく。塔のてっぺんに十人の兵士が上がってきている。
「殿下、ピーサレフの魔法での上空からの景色はいかがですか?」
「ラウラに頼んでやってもらっている。これだけの情報を集められると地上部隊だけの情報では勝てないな!」
「自分らもこの高さからの情報は貴重と思っていました。空から見られたらまさしく丸見えです」
「そうだ。ボールド全体で考えてこの戦術を当たり前にしなければならない。後ほどみんなでミーティングだ!」
「おう!承知いたしました殿下」
地上へ帰還したが、正直下りることの怖かったことは誰にも言えない。自分の魔法で制御しながら下りたわけではないので無理もないが。戻ってくるとボールドの兵士が一気に駆け寄って来た。殿下どうでした?俺も!殿下からラウラに頼んでなど言いたい事言いすぎだお前ら!と心の中で思いながら後ほどみんなでミーティングするからなと言い残しその場を離れる。
昼食後は防御の魔法=マルディの講義からはじまる。ケイトの通る声がボールドの兵すべての耳に響く。
「五つめの防御の魔法=マルディになります。これは肉弾戦となる一気に部隊を壊滅させる場合や戦いにおける王や将軍などを逃さず捕獲するための一気粉砕の魔法になります。歩兵が次々と相手部隊への突入に対し僅かな隙間のタイミングで攻撃魔法を押し込み相手兵がこちらに来ない様に徹底的に攻撃魔法を押し込む攻撃方法で指令をする兵と魔法使いは五人からで組みます。試しにやってみましょう」
訓練場には三十人程度の部隊が編成してあり、真ん中に将軍の旗を持つ兵が立っていた。手前には指令官と攻撃部隊が編成してあり、実践がケイトの説明ではじまった。
「実際のマルディでは早すぎて分からなくなってしまうのでゆっくりと演技してもらいます。一人目が突入します。相手も構えていますので攻撃魔法を先に送り込みます。一人目の魔法使いがマルディを唱える。相手の守りの一人目が倒れる。すかさず攻撃の一人目が突入する。一人倒し二人目に襲い掛かるが、相手も待っているのでこちらが遅れる。ここで二人目の魔法使いがマルディを唱える。相手の二人目が倒れる。こちらの攻撃が三人目に襲い掛かるが剣を弾き飛ばされた。すかさず逃げる。こちらの二人目が襲い掛かり相手の三人目を倒す。倒した瞬間に三人目の魔法使いがマルディを唱える。相手の四人目が倒れる。こちらの二人目が相手の四人目を倒す。すかさず四人目の魔法使いがマルディを唱える。相手の五人目を倒す。こちらの二人目が六人目で手間取る。五人目の魔法使いがマルディを唱える。相手の六人目を倒す。このような感じで歩兵部隊と魔法使い部隊が隙間なく攻撃を続けることで相手の将がいる部隊を必ず攻略する戦術と理解してほしい」
ケイト殿!聞かずにはいられない。
「このマルディの魔法を作り出した背景はなんでしょうか?悲惨な事件があったのではないでしょうか?」
「確かにこれは人質交換の約束を目の前で破った国との事件が発端になります。詳細はアーロ殿下にお聞きになったほうがよろしいと思いますが、国同士の約束を反故した相手には交渉の余地はないから作り出された魔法は確かです」
「ありがとう。ケイト殿」
訓練場では二回目の実践を行っている。実際の戦闘を考えれば訓練パターンは無数に存在することになるからいくつやってもらってもいい。兵士たちはたくさんの実践パターンがあったほうがより理解できるはずだ。何十通りと考えることができれば参謀になるだろうから今回の合同訓練で得るものは計り知れない。
ボールドのメリットは新魔法に魔法使い部隊との立体作戦の新戦術が手に入る。だがハンド―ラのメリットはどうだ?今回の合同練習も場所も演習道具も借りている。食料の差し入れをお願いされたくらいでボールドでの負担は少ない。今晩の夕食時の話で触れてくるはず。
ボールドのこの先も考えなくては・・・
唱えられた瞬間に服の色が変わった。今は昼の時間帯なので青色に変化していく。三メートルも上がると青一色に変化した。隣で一緒に上空へ上がるラウラの衣装も同じ青と空色をミックスする色に変化していた。十も数えないうちに三十メートル付近に来たようだ。上空からの眺めは建物も歩兵部隊も騎馬部隊も弓兵部隊も魔法使い部隊も丸見えだ。
「ラウラ、移動できるか?」
「大丈夫です。どちらに移動しますか?」
「東側の塔の付近まで行ってくれ」
「承知いたしました」
東側の塔の付近まで移動しながら地上の様子を詳細に記憶していく。塔のてっぺんに十人の兵士が上がってきている。
「殿下、ピーサレフの魔法での上空からの景色はいかがですか?」
「ラウラに頼んでやってもらっている。これだけの情報を集められると地上部隊だけの情報では勝てないな!」
「自分らもこの高さからの情報は貴重と思っていました。空から見られたらまさしく丸見えです」
「そうだ。ボールド全体で考えてこの戦術を当たり前にしなければならない。後ほどみんなでミーティングだ!」
「おう!承知いたしました殿下」
地上へ帰還したが、正直下りることの怖かったことは誰にも言えない。自分の魔法で制御しながら下りたわけではないので無理もないが。戻ってくるとボールドの兵士が一気に駆け寄って来た。殿下どうでした?俺も!殿下からラウラに頼んでなど言いたい事言いすぎだお前ら!と心の中で思いながら後ほどみんなでミーティングするからなと言い残しその場を離れる。
昼食後は防御の魔法=マルディの講義からはじまる。ケイトの通る声がボールドの兵すべての耳に響く。
「五つめの防御の魔法=マルディになります。これは肉弾戦となる一気に部隊を壊滅させる場合や戦いにおける王や将軍などを逃さず捕獲するための一気粉砕の魔法になります。歩兵が次々と相手部隊への突入に対し僅かな隙間のタイミングで攻撃魔法を押し込み相手兵がこちらに来ない様に徹底的に攻撃魔法を押し込む攻撃方法で指令をする兵と魔法使いは五人からで組みます。試しにやってみましょう」
訓練場には三十人程度の部隊が編成してあり、真ん中に将軍の旗を持つ兵が立っていた。手前には指令官と攻撃部隊が編成してあり、実践がケイトの説明ではじまった。
「実際のマルディでは早すぎて分からなくなってしまうのでゆっくりと演技してもらいます。一人目が突入します。相手も構えていますので攻撃魔法を先に送り込みます。一人目の魔法使いがマルディを唱える。相手の守りの一人目が倒れる。すかさず攻撃の一人目が突入する。一人倒し二人目に襲い掛かるが、相手も待っているのでこちらが遅れる。ここで二人目の魔法使いがマルディを唱える。相手の二人目が倒れる。こちらの攻撃が三人目に襲い掛かるが剣を弾き飛ばされた。すかさず逃げる。こちらの二人目が襲い掛かり相手の三人目を倒す。倒した瞬間に三人目の魔法使いがマルディを唱える。相手の四人目が倒れる。こちらの二人目が相手の四人目を倒す。すかさず四人目の魔法使いがマルディを唱える。相手の五人目を倒す。こちらの二人目が六人目で手間取る。五人目の魔法使いがマルディを唱える。相手の六人目を倒す。このような感じで歩兵部隊と魔法使い部隊が隙間なく攻撃を続けることで相手の将がいる部隊を必ず攻略する戦術と理解してほしい」
ケイト殿!聞かずにはいられない。
「このマルディの魔法を作り出した背景はなんでしょうか?悲惨な事件があったのではないでしょうか?」
「確かにこれは人質交換の約束を目の前で破った国との事件が発端になります。詳細はアーロ殿下にお聞きになったほうがよろしいと思いますが、国同士の約束を反故した相手には交渉の余地はないから作り出された魔法は確かです」
「ありがとう。ケイト殿」
訓練場では二回目の実践を行っている。実際の戦闘を考えれば訓練パターンは無数に存在することになるからいくつやってもらってもいい。兵士たちはたくさんの実践パターンがあったほうがより理解できるはずだ。何十通りと考えることができれば参謀になるだろうから今回の合同訓練で得るものは計り知れない。
ボールドのメリットは新魔法に魔法使い部隊との立体作戦の新戦術が手に入る。だがハンド―ラのメリットはどうだ?今回の合同練習も場所も演習道具も借りている。食料の差し入れをお願いされたくらいでボールドでの負担は少ない。今晩の夕食時の話で触れてくるはず。
ボールドのこの先も考えなくては・・・
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