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ヒューマンハンター(10)
ヒューマンハンター(10)
――――19章――――
少し遅めの夕食を摂るレオと凛。綺麗に包めたオムライスを頬張りながら作戦会議を始める。
ボタンと羽衣は理解った。それで?
肝心の檻はどこにあるんだ?
高台に仕掛けておきました。
夜が明ける前に向かいますか?
いや、決行は明日だ。凛だって買い手の親に怪しまれるから一旦連絡しておいたらどうだ?
死にましたよ。あの人たちは。
は?死んだって…どうして
殺されたんです、死の女帝に。
………母さんが殺したのか?売り飛ばしたっていうのに。
………あれが母さんなら、ですね。
どういう意味だ?
母さん、以前はどのような人でしたか?
あー、えっと……
レオは頭をかきながら言葉を続けた。
白髪?銀髪?わっかんねえけどそんな白い頭によく笑う人だったような………それが死の女帝の正体となんの関係があるんだよ?
死の女帝は紫色の髪を足先まで伸ばした人物でした。
なんで凛がそんなこと分かるんだ?
うっすらですけど幼少期の記憶があるんです。
そのことを思い出しながら宮殿のある月を眺めていたら知りもしないはずの記憶が脳に直接流れ込んできたんです。
その2つの記憶が合致したのか?
ええはい。
だとしたら死の女帝はもう……
母さんじゃないのかもしれないな。
そうですね。
だったら何の躊躇いもなくヤツを…やれる………(ホントにそうなのか?中身が変わっても母さんだろ…?)
レオ兄さま?大丈夫ですか?
(母さんだろ……母さんなんだよ…
ならやれるわけ……ない)
兄さま?兄さま??
(オレは凛と生きたいって、2人で暮らしたいって 思ってる。けどホントに殺せるのか?やったことが
どうであれオレと凛を産んだのは母さんだぞ?)
兄ぃぃ……さまあああ!!!
凛の大声がレオに向かって放たれる。
うわあああああ!!?な、なんだよ!
なんだよ?じゃありませんよ。何度呼び掛けても無視されました。……どうかしたんですか?
……なんでもない。ほら、もう寝たらどうだ?朝起きれなくなるぞ?
………何も、話してはくれないんですね。おやすみなさい、レオ兄さま。
凛が寝室へと向かい、扉を閉めた。
………悪いな凛。信用してくれているなら尚更、おまえに弱いところなんか見せられねえ。
……なあ凛。母さんは、母さんだよな………?
オレは………殺せるのか?本当に母さんを殺さなきゃいけないのか?
オレも寝るか。朝から準備しないとだし。
やることもないレオは寝室に向かいそのまま就寝した。
――――20章――――
早朝6時
ん……もう朝かよ。
凛は………ったく、可愛い寝顔だこと。起きる前にメシ作ってやるからな。
今日はベーコンエッグとコンソメスープにした。おい凛、そろそろ起きろよ。朝だぞ?
……んぅ………レオ兄さま……おは……よぉ……すぅ…すぅ…
こらこら寝るな!ほら、ベーコンエッグだぞ?今までで一番上手く焼けた。
んぅぅ………そんなこといって…兄さまは焼いたことがあるんですか?
凛がベッドから出てリビングに起きてきた。
ねえよ。今回が初めてだ。
だと思いました。だってそれ、火いれすぎですもの。
そうなのか?ベーコンは
このくらいカリカリの方が美味いだろ。
いいえ違います。ふにふになベーコンの方が
美味しいに決まってます!
そんなことばかり言ってると……こうだからな?
レオは凛の頬をふにふに引っ張る
グニュ!
ひゃあ!?も、もうっ、やめひぇ…くだひゃい!ひゃ!
嫌なんだったらまずは食べてくれよ。
見た目で決めつけるのはよくないぞ?
わ、わかりましたよ。あむっ……
どうだ?
意外と悪くありませんね。
だろ?……ってかなんだそれ。
褒めてんのか?貶してんのか?
むぅ。褒めてます!
わたし、お世辞とか上手じゃないので。
そ、そうか。
ねえレオ兄さま。
昨晩のこと、やっぱり話してはくれませんか?
……悪いな。
そうですか。けどすみません。
もう覗いちゃいました。
はあ?なんで!!
レオ兄さまがいけないんです。
わたしに話してくれないから。ねえレオ兄さま?
あれは……もう母さんじゃないです。
それどころか人間ですらないのかも。
それは……どういう
まだわからないんですか?察しの悪い兄さまは嫌です。あの化け物、死の女帝を殺さなければこの大会は終わりません。そろそろ覚悟を決めてください。
それは……理解してる……けど!
中身が違っていたとして、器は母さんなんだぞ?
母さんを貫くなんて…そんなの……!
それではダメなんです!そんな半端な覚悟じゃ……
兄さまが死んでしまいます!
そんなこと……言われたって………
オレにはどうもできないんだよ!
覚悟が半端?そうだよ、うまく踏ん切りが
つかないのは事実だ!けど当たり前だろ?
母さんを殺すなんて…できるわけがない!
じゃあわたしと暮らしたいって想いも……
嘘なんですか?
それはホントだ!!というか
母さんは凛の母さんでもあるんだぞ?
殺すことに何の躊躇いもないってか?ああ!?
ありますよ!あるに決まっているじゃないですか!けどそんなの………レオ兄さまと暮らすためなら割りきります!!そのくらいわたしの想いは本物なんです!
レオ兄さまだって、その想いが本物だって言うならわたしと一緒に……母さんを殺してくださいよ!!!
………っ!
オレだって……凛と生きたい………っ…!けど、やっぱり怖いんだよ!母さんを殺すのは!!殺さなきゃいけないのは理解ってる!けど、あとちょっとのところで思考の奥の奥がストップかけてきやがるんだ!……やっぱオレには母さんを殺すことなんて……
それなら……頼って下さいよ。わたしがここにいます。わたしじゃあ……だめなんですか?
いや、そんなこと………
なら頼って下さいよ!兄さまのことが世界で一番好きな人は誰ですか?わたしです!兄さまを支援するに最も適した人は誰ですか?わたしです!だからレオ兄さま……頼ってもいいんですよ?
強くて脆いのがレオ兄さまなんです。
もし本当にあと1歩のところで踏み留まった時は
わたしが母さんを殺します。わたし達2人で母さんを…死の女帝を殺しましょう。
ああ………そうだな。悪い、弱いところ見せちまった。
構いませんよ。むしろもっと見せてほしいくらいです。ねえ、レオ兄さま。こっち向いてください?
ん?……むぐっ!?
んむっ……んっ…ちゅ…んちゅ…るる……ぷはあっ!
レオの口を強引に奪った凛は舌を絡ませて濃厚なキスを望み、実行した。
えへへっ、キスしちゃいましたね。
ああ………した。
いきなり驚くだろ?なんでこんなこと……
レオ兄さまはいきなりじゃないと
してくれないじゃないですか。だからです。
…あくまで原因はオレにあるってか?
にしても急だよな。
そうです。さあ兄さま?
作戦決行までのんびりしていましょうか。
あ、ああ……(攻撃的な凛、初めて見たような。
まあ…悪い気はしないな。)
――――19章――――
少し遅めの夕食を摂るレオと凛。綺麗に包めたオムライスを頬張りながら作戦会議を始める。
ボタンと羽衣は理解った。それで?
肝心の檻はどこにあるんだ?
高台に仕掛けておきました。
夜が明ける前に向かいますか?
いや、決行は明日だ。凛だって買い手の親に怪しまれるから一旦連絡しておいたらどうだ?
死にましたよ。あの人たちは。
は?死んだって…どうして
殺されたんです、死の女帝に。
………母さんが殺したのか?売り飛ばしたっていうのに。
………あれが母さんなら、ですね。
どういう意味だ?
母さん、以前はどのような人でしたか?
あー、えっと……
レオは頭をかきながら言葉を続けた。
白髪?銀髪?わっかんねえけどそんな白い頭によく笑う人だったような………それが死の女帝の正体となんの関係があるんだよ?
死の女帝は紫色の髪を足先まで伸ばした人物でした。
なんで凛がそんなこと分かるんだ?
うっすらですけど幼少期の記憶があるんです。
そのことを思い出しながら宮殿のある月を眺めていたら知りもしないはずの記憶が脳に直接流れ込んできたんです。
その2つの記憶が合致したのか?
ええはい。
だとしたら死の女帝はもう……
母さんじゃないのかもしれないな。
そうですね。
だったら何の躊躇いもなくヤツを…やれる………(ホントにそうなのか?中身が変わっても母さんだろ…?)
レオ兄さま?大丈夫ですか?
(母さんだろ……母さんなんだよ…
ならやれるわけ……ない)
兄さま?兄さま??
(オレは凛と生きたいって、2人で暮らしたいって 思ってる。けどホントに殺せるのか?やったことが
どうであれオレと凛を産んだのは母さんだぞ?)
兄ぃぃ……さまあああ!!!
凛の大声がレオに向かって放たれる。
うわあああああ!!?な、なんだよ!
なんだよ?じゃありませんよ。何度呼び掛けても無視されました。……どうかしたんですか?
……なんでもない。ほら、もう寝たらどうだ?朝起きれなくなるぞ?
………何も、話してはくれないんですね。おやすみなさい、レオ兄さま。
凛が寝室へと向かい、扉を閉めた。
………悪いな凛。信用してくれているなら尚更、おまえに弱いところなんか見せられねえ。
……なあ凛。母さんは、母さんだよな………?
オレは………殺せるのか?本当に母さんを殺さなきゃいけないのか?
オレも寝るか。朝から準備しないとだし。
やることもないレオは寝室に向かいそのまま就寝した。
――――20章――――
早朝6時
ん……もう朝かよ。
凛は………ったく、可愛い寝顔だこと。起きる前にメシ作ってやるからな。
今日はベーコンエッグとコンソメスープにした。おい凛、そろそろ起きろよ。朝だぞ?
……んぅ………レオ兄さま……おは……よぉ……すぅ…すぅ…
こらこら寝るな!ほら、ベーコンエッグだぞ?今までで一番上手く焼けた。
んぅぅ………そんなこといって…兄さまは焼いたことがあるんですか?
凛がベッドから出てリビングに起きてきた。
ねえよ。今回が初めてだ。
だと思いました。だってそれ、火いれすぎですもの。
そうなのか?ベーコンは
このくらいカリカリの方が美味いだろ。
いいえ違います。ふにふになベーコンの方が
美味しいに決まってます!
そんなことばかり言ってると……こうだからな?
レオは凛の頬をふにふに引っ張る
グニュ!
ひゃあ!?も、もうっ、やめひぇ…くだひゃい!ひゃ!
嫌なんだったらまずは食べてくれよ。
見た目で決めつけるのはよくないぞ?
わ、わかりましたよ。あむっ……
どうだ?
意外と悪くありませんね。
だろ?……ってかなんだそれ。
褒めてんのか?貶してんのか?
むぅ。褒めてます!
わたし、お世辞とか上手じゃないので。
そ、そうか。
ねえレオ兄さま。
昨晩のこと、やっぱり話してはくれませんか?
……悪いな。
そうですか。けどすみません。
もう覗いちゃいました。
はあ?なんで!!
レオ兄さまがいけないんです。
わたしに話してくれないから。ねえレオ兄さま?
あれは……もう母さんじゃないです。
それどころか人間ですらないのかも。
それは……どういう
まだわからないんですか?察しの悪い兄さまは嫌です。あの化け物、死の女帝を殺さなければこの大会は終わりません。そろそろ覚悟を決めてください。
それは……理解してる……けど!
中身が違っていたとして、器は母さんなんだぞ?
母さんを貫くなんて…そんなの……!
それではダメなんです!そんな半端な覚悟じゃ……
兄さまが死んでしまいます!
そんなこと……言われたって………
オレにはどうもできないんだよ!
覚悟が半端?そうだよ、うまく踏ん切りが
つかないのは事実だ!けど当たり前だろ?
母さんを殺すなんて…できるわけがない!
じゃあわたしと暮らしたいって想いも……
嘘なんですか?
それはホントだ!!というか
母さんは凛の母さんでもあるんだぞ?
殺すことに何の躊躇いもないってか?ああ!?
ありますよ!あるに決まっているじゃないですか!けどそんなの………レオ兄さまと暮らすためなら割りきります!!そのくらいわたしの想いは本物なんです!
レオ兄さまだって、その想いが本物だって言うならわたしと一緒に……母さんを殺してくださいよ!!!
………っ!
オレだって……凛と生きたい………っ…!けど、やっぱり怖いんだよ!母さんを殺すのは!!殺さなきゃいけないのは理解ってる!けど、あとちょっとのところで思考の奥の奥がストップかけてきやがるんだ!……やっぱオレには母さんを殺すことなんて……
それなら……頼って下さいよ。わたしがここにいます。わたしじゃあ……だめなんですか?
いや、そんなこと………
なら頼って下さいよ!兄さまのことが世界で一番好きな人は誰ですか?わたしです!兄さまを支援するに最も適した人は誰ですか?わたしです!だからレオ兄さま……頼ってもいいんですよ?
強くて脆いのがレオ兄さまなんです。
もし本当にあと1歩のところで踏み留まった時は
わたしが母さんを殺します。わたし達2人で母さんを…死の女帝を殺しましょう。
ああ………そうだな。悪い、弱いところ見せちまった。
構いませんよ。むしろもっと見せてほしいくらいです。ねえ、レオ兄さま。こっち向いてください?
ん?……むぐっ!?
んむっ……んっ…ちゅ…んちゅ…るる……ぷはあっ!
レオの口を強引に奪った凛は舌を絡ませて濃厚なキスを望み、実行した。
えへへっ、キスしちゃいましたね。
ああ………した。
いきなり驚くだろ?なんでこんなこと……
レオ兄さまはいきなりじゃないと
してくれないじゃないですか。だからです。
…あくまで原因はオレにあるってか?
にしても急だよな。
そうです。さあ兄さま?
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