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【7話】ルシル様のために何かしたい
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しばらく一緒に食事できなくなるかもしれない――ルシルにそう言われてから一週間。
以降、ルシルとは一度も食事をしていない。
仕事が忙しすぎて時間が取れないようだ。
(やっぱり少し寂しいわね……)
朝食を摂っているアリシアは、空いている対面を見てそんなことを思う。
食事の味はいつもと同じく最高なのに、一人きりだと物足りなく感じてしまう。
しんみりとした気持ちのまま、朝食を終えたアリシア。
食堂を出た彼女は、家事仕事をするためエイラの元へ向かった。
「奥様、なんだか元気がありませんね」
「そんなことないわよ。私はとっても元気なんだから」
口の端を強引に持ち上げて笑顔を作る。
空元気というやつだ。
「今日も掃き掃除から始めればいいのかしら?」
「はい、お願いいたします」
エイラと二人、通路の掃き掃除を行っていく。
そうしていると、通路を歩いてきたルシルとばったり出くわした。
「久しぶりだなアリシア。元気にやっているか?」
「はい。……ルシル様は、あまりお元気そうではないですね」
ルシルは、どっと疲れている雰囲気を出していた。
それに一週間前と比べて、少しやつれているようにも見える。
「心配するな、俺は大丈夫だ。引き続きよろしく頼んだぞ」
ニコリと笑って、ルシルは足早に歩いていった。
仕事に追われているのだろう。
(本当に大丈夫なのからしら……)
ルシルの疲れように、アリシアは心配を募らせる。
大丈夫、と彼は言っていたが、とてもそうは思えなかった。
「旦那様は現在、食事や睡眠の時間を惜しんで仕事をなされているようです」
「そうなのね……。心配だわ」
(ルシル様のために何かしたいわ)
形だけの結婚相手であるアリシアに、ルシルはとても良くしてくれた。
その彼が大変な状況にある今、少しでも力になれるようなことをしたい。今度はアリシアの番だ。
「ねえ、エイラ。夜、キッチンを使いたいだけのどいいかしら?」
「シェフに言えば問題なく使用できるかと思います。……しかし、なぜですか?」
「ルシル様の夜食を作りたいの。仕事の邪魔になるだけかもしれないけど、少しでも力になりたくて」
「まぁ、それは素晴らしい!」
エイラの顔がパァっと輝く。
「邪魔なんてことはありませんよ。きっと旦那様は、大喜びされるはずです。自信を持ってください!」
「ありがとうね」
ドンと胸を張るエイラに、アリシアは笑顔で応える。
力強い応援が、いっぱいの勇気をくれた。
その日の夜。
キッチンにて、アリシアはルシルの夜食を作っていた。
メニューは、サンドイッチとレモンティー。
サンドイッチは食べやすいようにひと口大に切り、疲労回復に効果のあるレモンティーを添える。
この組み合わせは、アリシアにとってなじみのあるものだった。
フィスローグ家にいた頃、リトリアが夜食に作ってくれたメニューだ。
疲れ果ててしんどいときでも、これを食べれば元気になれた。
ルシルに元気になってほしいアリシアは、同じものを作ることにしたのだった。
「よし、できたわ」
出来上がったサンドイッチとレモンティーを、トレイの上に載せる。
それを持って、ルシルの部屋へと向かった。
「夜分遅くにすみません。アリシアです」
「入ってくれ」
扉を開けて、部屋の中に入る。
ルシルは執務机に座っていた。
机の上に積みあがっている大量の書類と格闘しているところだった。
「お夜食をお持ちしました」
「夜食? 作るように頼んだ覚えはないが?」
「いえ、違うのです」
不思議そうにしているルシルに、首を横に振る。
「これは私が自発的にやったことです。誰に頼まれたものでもありません。ルシル様がお疲れの様子だったので、少しでも元気になっていただきたかったんです」
「……君は、俺のことを心配してくれたのか」
「はい。ですが、もしご迷惑なようでしたら、口を付けずに置いておいてください。明朝、回収しに参ります」
「迷惑なものか。君の気持ちは、とても嬉しいよ。本当にありがとう」
微笑んでそう言ってくれたルシル。
気持ちのこもった声からは、本当に感謝してくれているというのがひしひしと伝わってくる。
「どれ、さっそく食べよう」
「そちらまでお持ちしますね」
ルシルのところへ歩いていったアリシアは、夜食が載ったトレイを執務机の上に置く。
サンドイッチを掴み、口の中へと入れたルシル。
大きな笑顔が浮かぶ。
「うまい……! こんなに美味しい料理を食べたのは初めてだ!」
「……あ、ありがとうございます」
喜んでくれたのは嬉しいけど、いくらなんでも褒め過ぎだ。
恥ずかしくなったアリシアは、視線を下に向ける。
そのとき、山積みになっている書類の山が目に入った。
「領経営に関する書類ですね。提出された書類の記載内容が正しいか、チェックしているところですか?」
「あぁ。先日の大洪水で、領地が大きな被害を受けたからな。被害報告の処理をしているところだ。……それにしても、よくこれが領経営の書類だと分かったな」
「フィスローグ家でずっとやらされてきたので、一目見ただけですぐに分かりました」
領経営に関する書類仕事は、フィスローグ家で毎日のようにこなしてきた。
被害報告の処理も、何度もやったことがある。
「そうだ! 私にもお手伝いをさせていただけませんか。この手の仕事には慣れています」
「それは申し出はありがたいが、本当にいいのか? かなりの量だぞ」
「構いません。私、ルシル様のお役に立ちたいですから!」
いっさい迷うことなく答える。
ルシルの役に立てそうなことを見つたのであれば、それを精いっぱいやりたいのだ。
以降、ルシルとは一度も食事をしていない。
仕事が忙しすぎて時間が取れないようだ。
(やっぱり少し寂しいわね……)
朝食を摂っているアリシアは、空いている対面を見てそんなことを思う。
食事の味はいつもと同じく最高なのに、一人きりだと物足りなく感じてしまう。
しんみりとした気持ちのまま、朝食を終えたアリシア。
食堂を出た彼女は、家事仕事をするためエイラの元へ向かった。
「奥様、なんだか元気がありませんね」
「そんなことないわよ。私はとっても元気なんだから」
口の端を強引に持ち上げて笑顔を作る。
空元気というやつだ。
「今日も掃き掃除から始めればいいのかしら?」
「はい、お願いいたします」
エイラと二人、通路の掃き掃除を行っていく。
そうしていると、通路を歩いてきたルシルとばったり出くわした。
「久しぶりだなアリシア。元気にやっているか?」
「はい。……ルシル様は、あまりお元気そうではないですね」
ルシルは、どっと疲れている雰囲気を出していた。
それに一週間前と比べて、少しやつれているようにも見える。
「心配するな、俺は大丈夫だ。引き続きよろしく頼んだぞ」
ニコリと笑って、ルシルは足早に歩いていった。
仕事に追われているのだろう。
(本当に大丈夫なのからしら……)
ルシルの疲れように、アリシアは心配を募らせる。
大丈夫、と彼は言っていたが、とてもそうは思えなかった。
「旦那様は現在、食事や睡眠の時間を惜しんで仕事をなされているようです」
「そうなのね……。心配だわ」
(ルシル様のために何かしたいわ)
形だけの結婚相手であるアリシアに、ルシルはとても良くしてくれた。
その彼が大変な状況にある今、少しでも力になれるようなことをしたい。今度はアリシアの番だ。
「ねえ、エイラ。夜、キッチンを使いたいだけのどいいかしら?」
「シェフに言えば問題なく使用できるかと思います。……しかし、なぜですか?」
「ルシル様の夜食を作りたいの。仕事の邪魔になるだけかもしれないけど、少しでも力になりたくて」
「まぁ、それは素晴らしい!」
エイラの顔がパァっと輝く。
「邪魔なんてことはありませんよ。きっと旦那様は、大喜びされるはずです。自信を持ってください!」
「ありがとうね」
ドンと胸を張るエイラに、アリシアは笑顔で応える。
力強い応援が、いっぱいの勇気をくれた。
その日の夜。
キッチンにて、アリシアはルシルの夜食を作っていた。
メニューは、サンドイッチとレモンティー。
サンドイッチは食べやすいようにひと口大に切り、疲労回復に効果のあるレモンティーを添える。
この組み合わせは、アリシアにとってなじみのあるものだった。
フィスローグ家にいた頃、リトリアが夜食に作ってくれたメニューだ。
疲れ果ててしんどいときでも、これを食べれば元気になれた。
ルシルに元気になってほしいアリシアは、同じものを作ることにしたのだった。
「よし、できたわ」
出来上がったサンドイッチとレモンティーを、トレイの上に載せる。
それを持って、ルシルの部屋へと向かった。
「夜分遅くにすみません。アリシアです」
「入ってくれ」
扉を開けて、部屋の中に入る。
ルシルは執務机に座っていた。
机の上に積みあがっている大量の書類と格闘しているところだった。
「お夜食をお持ちしました」
「夜食? 作るように頼んだ覚えはないが?」
「いえ、違うのです」
不思議そうにしているルシルに、首を横に振る。
「これは私が自発的にやったことです。誰に頼まれたものでもありません。ルシル様がお疲れの様子だったので、少しでも元気になっていただきたかったんです」
「……君は、俺のことを心配してくれたのか」
「はい。ですが、もしご迷惑なようでしたら、口を付けずに置いておいてください。明朝、回収しに参ります」
「迷惑なものか。君の気持ちは、とても嬉しいよ。本当にありがとう」
微笑んでそう言ってくれたルシル。
気持ちのこもった声からは、本当に感謝してくれているというのがひしひしと伝わってくる。
「どれ、さっそく食べよう」
「そちらまでお持ちしますね」
ルシルのところへ歩いていったアリシアは、夜食が載ったトレイを執務机の上に置く。
サンドイッチを掴み、口の中へと入れたルシル。
大きな笑顔が浮かぶ。
「うまい……! こんなに美味しい料理を食べたのは初めてだ!」
「……あ、ありがとうございます」
喜んでくれたのは嬉しいけど、いくらなんでも褒め過ぎだ。
恥ずかしくなったアリシアは、視線を下に向ける。
そのとき、山積みになっている書類の山が目に入った。
「領経営に関する書類ですね。提出された書類の記載内容が正しいか、チェックしているところですか?」
「あぁ。先日の大洪水で、領地が大きな被害を受けたからな。被害報告の処理をしているところだ。……それにしても、よくこれが領経営の書類だと分かったな」
「フィスローグ家でずっとやらされてきたので、一目見ただけですぐに分かりました」
領経営に関する書類仕事は、フィスローグ家で毎日のようにこなしてきた。
被害報告の処理も、何度もやったことがある。
「そうだ! 私にもお手伝いをさせていただけませんか。この手の仕事には慣れています」
「それは申し出はありがたいが、本当にいいのか? かなりの量だぞ」
「構いません。私、ルシル様のお役に立ちたいですから!」
いっさい迷うことなく答える。
ルシルの役に立てそうなことを見つたのであれば、それを精いっぱいやりたいのだ。
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