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理系世界編
2話:グルコース
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「あの兵隊さんなんでこんなに優しいんだろうね...。コバルトより優しいや」
その一言を聞いたプロパノールは、
「彼は、この国の王マーキュリー王を守る兵隊の団長なの。私が王水の泉に落ちそうになった所を助けてくださったのです。あの時の笑顔は忘れられませんわ。そして誰よりも私を愛し、私を守ってくださっています。その分、私は彼を支えますわ」
と言って、みたこともない機械に何かを書いて作っていた。2 人は不思議そうに見る。
「どうかしましたか?」
「いえ、プロパノールさんが使っているその機械なんだろうと思って...」
「この機械は、糖を作る機械ですの。彼の好きなグルコースを多く作っていますわ。次また戦争が起きるみたいなの...。そこで全ての部隊を 統括する、いわばこの国の隊長として戦うの」
2人は驚いた。
こんなにも化学の宝庫であるこの国が戦争をするなんて一体どうやって?と考えた。
「まぁとりあえず彼の好きなグルコースが出来たわ。良かったら紅茶を飲みませんか?この国では午後のティー タイムは絶対ですから」
コバルトは、素朴な質問をプロパノールに問いかけた。
「あの...この国はなぜ戦争をしなければならないのでしょうか?」
少々表情が暗くなったものも重い口を開いてくれた。
「この国以外にも色々とあって大きく分けると3カ国あるの。一つは物理の国ホイートストンブリッジ、一つは生物の国レセプター、そして、ここ化学の国シャルル国とあるの。元々は仲のいい国同士だったけどとある事件でホイートストンブリッジ国とレセプター国は戦争を起こすようになり、その行末をみてるの」
「でもさ、何でシャルル国も参加しなきゃダメなの?別に悪い事してないのに...。コバルトもそう思うよね?」
コバルトは黙り込んだ。
「コバルト君、もしかして気付いたかしら?この国がなぜ戦争に駆り出されてるのかが...」
「はい。もしかしてですがもう一カ国ありますよね?数学の国、ドモルガンが」
フラーレンはよく分からなかった。数学の国なんて現実世界じゃそもそも存在していないからだ。
「コバルト君、その通りです。なぜそのことを知ってるの?」
驚くことも無理は無い。この国に来てドモルガンの国を知る理由もなければそれとなる決定的な証拠もないのだから。
しかしコバルトは、
「そのヒントが1013hPa という数字です。これは気圧の問題ではよく出ますし、解答するにしても計算をしなければ話になりません。そしてこの国は理想気体で構成されており、それも緻密な計算が出来なければ無理なはずです」
その言葉を聞いて普通ならフラーレンも納得したはずだが、
「ねぇコバルト...君も食べようよグルコース。とても美味しいよ?早めに食べておこうよ。元気出るよ!」
「君は人の話を聞いてないから実験失敗するだろ!少しは自分を変えてよね」
それを聞いてプロパノールはクスッと笑った。
「2人は仲が良いね。若い時の私たちによく似てるよ。懐かしいわ」
グルコースを包みながら2人に言った。 しかし2人は何故か嬉しいではなく何かぽっかりと穴が空いたように感じた。
それもグルコースのように甘い、単純だけど深い何かを感じた。
その一言を聞いたプロパノールは、
「彼は、この国の王マーキュリー王を守る兵隊の団長なの。私が王水の泉に落ちそうになった所を助けてくださったのです。あの時の笑顔は忘れられませんわ。そして誰よりも私を愛し、私を守ってくださっています。その分、私は彼を支えますわ」
と言って、みたこともない機械に何かを書いて作っていた。2 人は不思議そうに見る。
「どうかしましたか?」
「いえ、プロパノールさんが使っているその機械なんだろうと思って...」
「この機械は、糖を作る機械ですの。彼の好きなグルコースを多く作っていますわ。次また戦争が起きるみたいなの...。そこで全ての部隊を 統括する、いわばこの国の隊長として戦うの」
2人は驚いた。
こんなにも化学の宝庫であるこの国が戦争をするなんて一体どうやって?と考えた。
「まぁとりあえず彼の好きなグルコースが出来たわ。良かったら紅茶を飲みませんか?この国では午後のティー タイムは絶対ですから」
コバルトは、素朴な質問をプロパノールに問いかけた。
「あの...この国はなぜ戦争をしなければならないのでしょうか?」
少々表情が暗くなったものも重い口を開いてくれた。
「この国以外にも色々とあって大きく分けると3カ国あるの。一つは物理の国ホイートストンブリッジ、一つは生物の国レセプター、そして、ここ化学の国シャルル国とあるの。元々は仲のいい国同士だったけどとある事件でホイートストンブリッジ国とレセプター国は戦争を起こすようになり、その行末をみてるの」
「でもさ、何でシャルル国も参加しなきゃダメなの?別に悪い事してないのに...。コバルトもそう思うよね?」
コバルトは黙り込んだ。
「コバルト君、もしかして気付いたかしら?この国がなぜ戦争に駆り出されてるのかが...」
「はい。もしかしてですがもう一カ国ありますよね?数学の国、ドモルガンが」
フラーレンはよく分からなかった。数学の国なんて現実世界じゃそもそも存在していないからだ。
「コバルト君、その通りです。なぜそのことを知ってるの?」
驚くことも無理は無い。この国に来てドモルガンの国を知る理由もなければそれとなる決定的な証拠もないのだから。
しかしコバルトは、
「そのヒントが1013hPa という数字です。これは気圧の問題ではよく出ますし、解答するにしても計算をしなければ話になりません。そしてこの国は理想気体で構成されており、それも緻密な計算が出来なければ無理なはずです」
その言葉を聞いて普通ならフラーレンも納得したはずだが、
「ねぇコバルト...君も食べようよグルコース。とても美味しいよ?早めに食べておこうよ。元気出るよ!」
「君は人の話を聞いてないから実験失敗するだろ!少しは自分を変えてよね」
それを聞いてプロパノールはクスッと笑った。
「2人は仲が良いね。若い時の私たちによく似てるよ。懐かしいわ」
グルコースを包みながら2人に言った。 しかし2人は何故か嬉しいではなく何かぽっかりと穴が空いたように感じた。
それもグルコースのように甘い、単純だけど深い何かを感じた。
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