物理部のアオハル!!〜栄光と永幸の輝き〜

saiha

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32話:思わぬ新手

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 決行日前日に下原は手を握りつぶされたので、下原を除いて公森とフットクラッシャーの寺野、USBクラッシャーの湯田、部長の石角が姿を現す。

「ここか…」

「さて、どうやって懲らしめようかな」

「欅君の仇討ちと行こうか」

 黒いオーラを放つ中、公森が完成した武器を見せる。拡散手榴弾を見せた時ニヤリと笑う。

「特注のピラニア酸完成したよ。それじゃ、この大会の裏方に忍ぼうか」

 裏口から侵入した後、屋上と屋根の真ん中に位置する通気口へと隠れる。しかし問題が起きた。

「やばい…筋肉鍛えすぎて入れない」

「大胸筋えぐいなおい」

「湯田君は下で待ってもらおうか。電話するからその時が合図と思ってね」

 湯田は無理やり理解して入り口へと戻る。

 茶々を入れた寺野と石角は、ボディビルダーの大会でかけられる言葉を連呼した時、コウモリは網目の柵に拡散手榴弾を仕掛ける。

「この柵は火事が起きた時、煙を出すために開かれるの。湯田君にはその煙を出すために火事を起こそうっていう考え」

「公森にしてはおもろい考えやな。石角はどう思う?」

「火事起こせばやばいんちゃう?」

 石角の言う心配は然程のものだった。

「湯田君のボディで湯気を生じさせて火災検知をさせるってわけ」

 公森の冗談に2人は笑うが湯田は既にポージングを取りながら汗を流す。

 化学部一同は、会場入りをして席の一角を陣取った。部長の川原は堀田の好む清涼炭酸飲料を購入して残りの部員が集まるまで待機する。

「堀田先生。待ってました。こちらを」

「よく知ってるね。ありがとう。これを飲まないと翼が生えないからね」

 有名なエナジードリンクを一気に飲んだ後、口を挟む。

「欅の裏切りと公森の離脱は大きいが今回の大会は余裕かもね。梓馬の考えを潰そうか」

 景気良く5本平らげた後、様子を上から見た寺野は爆笑する。

「堀田が太ってる理由こういうことか。エナジードリンク5本は死ぬわ(笑)」

 石角も笑いこける。

 この大会は、協賛会社サンジムが提供しておりジム関連の器具が揃っている。多くのボディビルダーの中に悪魔が潜んでいた。

「さて、湯田君が湯気が出るくらいまでやるうちに私たちは所定の場所へ行きましょう」

「おっと、そうはさせないよ」

 一同の前に現れたのは、部長の川原だった。

「お前あの時気を失ってたはず…」

「あれ演技なのよね。残念だけど、あなたたちの計画は終わりよ」

 足止めをする川原。回り込まれたことに公森は驚く。

「ふーん。読んでるんだね。私たちの行動を…で?どうするの。このまま叩き潰すのか、それとも見逃してくれるのか」

「どうだろうね。欅を拉致したまでは良かったけどこんなに計画が狂うとは思ってもなかったからね」

 2人の話は、化学部に関する闇を曝け出していた。大会開催まであと少しの中、始まりの鐘が鳴る。

 一方、堀田の化学部が陣取る場所はとても広いところで計算も何もかも堀田の指示に従って行うというチート行為だ。許されざる事だけど、これもまた目を閉じざるを得ない行為だった。

「さて、大会が始まるし早く席に向かわないとね。このまま連れ出してやるから大人しくついて来な?」

「そうしたいけど問屋が許さんだろうね」

 寺野は、履いていた靴を足の蹴る力を利用して川原の目元目掛けて狙い撃つ。フットクラッシャーというだけのことはある力で、川原はそのまま気絶した。

「流石寺野だわ。邪魔者はいなくなったし、後はここにちょうど堀田の真上だから仕掛けて終わりだよ。急いで降りようか」

「だな。石角!合図頼む」

 石角は湯田に電話を掛ける。その着信音に気づき、ハードなポージングと筋トレを見せる。

 3人は、今いる通気口から脱出するために出口へと向かう。センサーの反応音が鳴り響き、一斉に網が開いた。

「よし、間に合った!これで堀田の頭はピラニア酸で溶けてるはず」

「言い方悪すぎだろ。女の子だから言い方もうちょっと考えろや」

 石角のツッコミに公森は笑う。会場内は大騒ぎするが、堀田の姿がなかった。

「あれ、堀田がいない。どういう事?」

「本当だ…堀田逃げた?」

「まさか、川原が最後に仕掛けたか…」

 川原は、またも気絶したふりをして中身をすり替えたのだった。ピラニア酸ではなく、水になっており堀田は水浸しになっただけで終わってしまうというやってはいけない終わり方をしてしまった。

「川原…絶対許さない」

「とりあえず、作戦は中止して逃げよう」

 3人は湯田と合流して、大会会場から逃げた。10キロ先の隠れカフェで身を隠して話し合う。

「やばいね…堀田はこの事知られてるかもしれない」

「公森さんと川原さんが話をしてる時に通話をオンにしてたとしたら、もうバレてるね」

 公森と湯田がそれぞれ口にする。

 ジュースをそれぞれ口に含んだ時、公森の携帯に1件の着信が舞い降りた。そこには化学部顧問と記されている。

「ハハハ…人生終わったかもしれない」

 公森は、今後の受験を含めたジョークを言い放つ。
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