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最終章 魔法少女はそこにいる
魔女の時間 3
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イクロー達がかき氷を食べていると、黒井が真っ黒なワンピースの水着を身に着け、咥えタバコで現れた。
「おお、お前たちいい物を食べてるじゃないか! 私にもくれないか?」
黒井がアマイアからかき氷を受け取っていると、イクローが、ああ! と声を上げた。
「なんだ? 圓道?」
彼女は少し不思議そうにイクローを見た。
「いえ、そういえば先生もフラスコベースだなぁと思って」
黒井は少し驚いたような顔になった。
「それがどうかしたのか?」
「いえ、さっきちょっとそんな話をしていたので……」
「ふうん……。 まぁ私はこの通りこのトシで魔力上がりしていない。 つまりはそういう事だよ、圓道」
黒井はそう言ってかき氷を口にかきこんで、頭を押さえた。
「く~!! 効く~!!!」
「先生……大丈夫ですか?」
フラスコのアマイアが心配そうに訊くと黒井は豪快に笑った。
「ははは! かき氷はこれを楽しむもんだろうが!」
「……先生は変わっているの」
キリエが呆れたようにため息をつくのを後目に、黒井は何度もかき氷をかきこんでは頭を押さえて呻いた。
イクローはかき氷を食べ終わると皿とスプーンを、ぽん、という音と共に魔法で消して立ち上がった。
そして着ていたパーカを脱ぐと体操をするように腕を振った。
「じゃあ、俺もちょっと泳いでくるよ!」
彼は魔法少女たちに笑いかけて言った。
「わ、わたしも行くの!」
キルカがイルカの浮袋を脇に抱えながらあたふたと立ち上がって、海へ向かって歩き出したイクローを追った。
「あ、あたしも!」
バレッタが慌てて後を追おうとするのをライアットが肩を掴んで止めて、首を振った。
「……とりあえず二人にしてやんな」
一緒に後を追おうとしていたキリエも立ち止まって振り向いた。
バレッタとキリエはぷっ、と頬を膨らませて不満そうな顔をしたが、ライアットは笑って二人の頭をぽんぽんと叩いた。
「ここんとこ色々あったからな……たまには二人きりにしてやろうぜ。 ……どうでぇ? あたいはデキた女だろ?」
ライアットの言葉にバレッタとキリエは笑顔を浮かべた。
「さすがライア姐さんっす。 そっすよね……少しはゆっくり二人にさせてあげたいっすよね」
「まぁ、今のところは譲ってあげるの」
バレッタとキリエは口々にそう言って顔を見合わせて笑った。
「まぁ、あたいらはこっちはこっちで遊ぼうぜ!」
ライアットも食べ終わった皿を魔法で消して立ち上がった。
イクローはキルカの手を引いて海へと入っていった。
波打ち際でキルカが突然立ち止まって戸惑うような顔をしたので、彼は振り返った。
「どうした? キルカ?」
キルカはむぐむぐ、と口を動かして情けない顔でイクローを見つめる。
「……わたし、実は泳げないの」
それを聞いてイクローは笑った。
「お前にも苦手な事があったんだな!」
「笑いごとじゃないの!」
キルカは怒りと恥ずかしさからか顔を赤らめて頬を膨らますと、ぷい、と横を向いた。
「溺れそうになったら魔法で浮けばいいじゃないか」
イクローが言うと、キルカは目をぱちくり、と瞬かせた。
「そ、そういえばそうなの……」
「よっぽど水が苦手なんだなぁ。 テンパりすぎだぞ? キルカ」
「そうね! うふふ……」
キルカはそう言って楽し気に笑った。
そして二人は手を繋いで海の中へと入っていった。
「大丈夫だぜ。 ちゃんと俺が見てるから」
「うんなの!」
二人は見つめ合って笑い合った。
バレッタはライアットと並んで歩きながら、ハッとした顔をするとどんぐり眼をくりくりと動かして言った。
「姐さん! ちょっと待っててもらえるっすか?!」
「お? おう、構わねェぜ?」
ライアットが不思議そうに答えると、バレッタは、にぱ、と笑って島の真ん中の方へ走っていって、出入り口へ飛び込んでいった。
「なんでェ? どうしたんだアイツ? トイレか?」
「たぶん、違うの」
キリエはふんわりと笑った。
「アオイちゃ~ん!!」
バレッタは拠点の中で大きな声を上げた。
「どこにいるっすか~! アオイちゃ~ん!」
彼女は拠点の中を走り回ってアオイの姿を探した。
するとひとりでロビーで座っていたアオイを見つけて、彼女は嬉しそうに笑いながら駆け寄った。
「アオイちゃんも一緒に遊びましょうっす! 海っすよ! 海!!」
アオイは少し申し訳なさそうな顔をして苦笑した。
「バレッタちゃん……あの……あのね。 わたし……」
バレッタはどんぐり眼を見開いて不思議そうに彼女を見つめた。
「わたし、これでも一応吸血鬼だから強い日差しとか……あんまり得意じゃないんだよ」
アオイが情けない顔で言うと、バレッタは、にぱ、と笑った。
「だいじょうぶっすよ!」
そして彼女はもごもごと詠唱して緑色の魔法円をこさえると、それをアオイの額のあたりに移動させた。
それは彼女の額でぱちん、と弾けてアオイの身体をほとんど透明の緑色の膜で包み込んだ。
「これは?」
「あたしの魔法結界っす。 これで太陽光を遮断できるようにしたっすよ!」
バレッタのその言葉を聞くとアオイの顔が、ぱぁ、と明るくなった。
さらにバレッタはまた詠唱してアオイの姿を自分のオレンジ色のビキニとお揃いの青色のビキニへと変えた。
「ね? 一緒に泳ぎましょうっす! アオイちゃん」
バレッタはにっこりと笑ってアオイの手を取った。
「うん! バレッタちゃん! わたし、わたしね! 海に入るの初めて!!」
「よかったっす! あたし、どうしてもアオイちゃんと一緒に遊びたかったっすよ!」
そして二人は笑い合って手を繋いだまま出入口へと駆け出していく。
種族は違っても、二人はしっかりと友情を育んできたのだ。
それは魔法少女と人類が歩み寄れるかもしれない、という希望を感じさせるような姿だった。
イクローとキルカは少し沖に出た海の上に二人で浮かんでいた。
キルカはしっかりとイルカの浮袋にしがみついている。
「こんなにのんびりした気分は久しぶりな気がするなぁ……」
イクローがそう漏らすとキルカもふんわりとした笑顔を浮かべた。
「なのなの。 ずっとこんな風ならいいの……」
彼女はそう言って笑顔のまま魔法少女たちが戯れる海岸を見つめた。
二人は見つめ合って、イクローが彼女の側に泳いで近寄ると、二人はそっと口づけをした。
「二人で……ずっとこうして平和に生きていこう」
イクローの言葉にキルカは頷いて、ぱぁ、と大輪の花が咲いたような笑顔を浮かべた。
二人はそのまま抱き合って、お互いを貪るように何度も口づけを交わす。
キルカの細い腰を抱きしめて、イクローはあまり力を入れてしまうと折れてしまうんじゃないか、と少し不安に感じて手の力を弱めて、それでもしっかりと彼女を抱きしめた。
「好きだ……キルカ」
「わたしも……イキロが大好きなの……」
二人は見つめ合って、お互いの存在を確かめるかのように抱きしめ合う。
ふと、イクローが空を見て声を上げた。
「あれ? なんか黒い雲がこっちに広がってるな……雨が降るかもしれないな」
空にはいつの間にか真っ黒な雷雲のようなものがもくもくと広がって辺りを暗くしていった。
「戻ろうか?」
イクローがそう訊いた瞬間、キルカの身体が一瞬びくん、と跳ねた。
彼が驚いていると彼女の身体から何か波動のようなものが発せられてイクローは弾き飛ばされた。
「なに?! キルカ? キルカ!!」
彼が叫んでも彼女は虚ろな目をして死体のように海に浮かんでいる。
イクローが泳いで彼女に近寄っていくとやはり波動のようなものに弾かれた。
「なんだ? 何が起きてるんだ? キルカァァ!!」
彼は何度も彼女の名を叫ぶが、キルカには反応がなかった。
そしてキルカはふわり、と宙に浮いて空中でぶらり、と何かにぶら下げられてるようになった。
それは彼女自身の意思で浮いてるのではない。
まるで操り糸に吊られて空からぶら下がっているような様子だった。
彼女の顔には表情がなく、ただ虚ろな瞳をあらぬ方向へと向けていた。
「キルカ!! キルカ!!」
イクローは自らも宙に浮かび上がって叫びながら何度も彼女に近寄ろうとしては謎の力に弾かれて海へ落ちた。
そして彼女の背後の空間にだんだんとひび割れができていった。
それは広がってやがて、パリン、という音と共に割れて破片を飛び散らせた。
「魔導杖が発動するのか?!」
イクローはそう叫んで固唾を飲んでキルカの様子を見守った。
果たして空間の穴から黒い剣がだんだんとせり出てきて、それは自らまるで意思があるかのようにふわりと浮き上がるとまっすぐ縦になってキルカの目の前で空中で停止した。
そして剣に巻き付いた蔦のようなものがするするとほどけると、剣はぼこぼこと表面を波打たせながら形を変えていった。
「?!」
イクローは絶句してその様子を目を皿のようにして見つめ続ける。
やがて剣は人型になり、黒い衣装を着けた魔法使いのような姿にj変わった。
「お、お前は何者だ!!」
イクローが叫ぶと、その黒い魔法使いが帽子に隠れた顔を上げた。
その顔を見て、イクローは驚きに目を見開いた。
「……キルカ?!」
それはキルカそっくり、いや彼女そのものの顔をしていた。
十七歳のキルカよりも少し大人っぽい印象を受けるが、それはキルカに間違いがなかった。
「出てきてほしいと言っていたから出てきたのよ。 ……イキロ」
彼女は静かにそう言った。
イクローは目を剥いて、一言だけ言葉を漏らした。
「魔女……キルカ……?!」
黒い魔法使いは表情一つ変えずに頷いた。
「おお、お前たちいい物を食べてるじゃないか! 私にもくれないか?」
黒井がアマイアからかき氷を受け取っていると、イクローが、ああ! と声を上げた。
「なんだ? 圓道?」
彼女は少し不思議そうにイクローを見た。
「いえ、そういえば先生もフラスコベースだなぁと思って」
黒井は少し驚いたような顔になった。
「それがどうかしたのか?」
「いえ、さっきちょっとそんな話をしていたので……」
「ふうん……。 まぁ私はこの通りこのトシで魔力上がりしていない。 つまりはそういう事だよ、圓道」
黒井はそう言ってかき氷を口にかきこんで、頭を押さえた。
「く~!! 効く~!!!」
「先生……大丈夫ですか?」
フラスコのアマイアが心配そうに訊くと黒井は豪快に笑った。
「ははは! かき氷はこれを楽しむもんだろうが!」
「……先生は変わっているの」
キリエが呆れたようにため息をつくのを後目に、黒井は何度もかき氷をかきこんでは頭を押さえて呻いた。
イクローはかき氷を食べ終わると皿とスプーンを、ぽん、という音と共に魔法で消して立ち上がった。
そして着ていたパーカを脱ぐと体操をするように腕を振った。
「じゃあ、俺もちょっと泳いでくるよ!」
彼は魔法少女たちに笑いかけて言った。
「わ、わたしも行くの!」
キルカがイルカの浮袋を脇に抱えながらあたふたと立ち上がって、海へ向かって歩き出したイクローを追った。
「あ、あたしも!」
バレッタが慌てて後を追おうとするのをライアットが肩を掴んで止めて、首を振った。
「……とりあえず二人にしてやんな」
一緒に後を追おうとしていたキリエも立ち止まって振り向いた。
バレッタとキリエはぷっ、と頬を膨らませて不満そうな顔をしたが、ライアットは笑って二人の頭をぽんぽんと叩いた。
「ここんとこ色々あったからな……たまには二人きりにしてやろうぜ。 ……どうでぇ? あたいはデキた女だろ?」
ライアットの言葉にバレッタとキリエは笑顔を浮かべた。
「さすがライア姐さんっす。 そっすよね……少しはゆっくり二人にさせてあげたいっすよね」
「まぁ、今のところは譲ってあげるの」
バレッタとキリエは口々にそう言って顔を見合わせて笑った。
「まぁ、あたいらはこっちはこっちで遊ぼうぜ!」
ライアットも食べ終わった皿を魔法で消して立ち上がった。
イクローはキルカの手を引いて海へと入っていった。
波打ち際でキルカが突然立ち止まって戸惑うような顔をしたので、彼は振り返った。
「どうした? キルカ?」
キルカはむぐむぐ、と口を動かして情けない顔でイクローを見つめる。
「……わたし、実は泳げないの」
それを聞いてイクローは笑った。
「お前にも苦手な事があったんだな!」
「笑いごとじゃないの!」
キルカは怒りと恥ずかしさからか顔を赤らめて頬を膨らますと、ぷい、と横を向いた。
「溺れそうになったら魔法で浮けばいいじゃないか」
イクローが言うと、キルカは目をぱちくり、と瞬かせた。
「そ、そういえばそうなの……」
「よっぽど水が苦手なんだなぁ。 テンパりすぎだぞ? キルカ」
「そうね! うふふ……」
キルカはそう言って楽し気に笑った。
そして二人は手を繋いで海の中へと入っていった。
「大丈夫だぜ。 ちゃんと俺が見てるから」
「うんなの!」
二人は見つめ合って笑い合った。
バレッタはライアットと並んで歩きながら、ハッとした顔をするとどんぐり眼をくりくりと動かして言った。
「姐さん! ちょっと待っててもらえるっすか?!」
「お? おう、構わねェぜ?」
ライアットが不思議そうに答えると、バレッタは、にぱ、と笑って島の真ん中の方へ走っていって、出入り口へ飛び込んでいった。
「なんでェ? どうしたんだアイツ? トイレか?」
「たぶん、違うの」
キリエはふんわりと笑った。
「アオイちゃ~ん!!」
バレッタは拠点の中で大きな声を上げた。
「どこにいるっすか~! アオイちゃ~ん!」
彼女は拠点の中を走り回ってアオイの姿を探した。
するとひとりでロビーで座っていたアオイを見つけて、彼女は嬉しそうに笑いながら駆け寄った。
「アオイちゃんも一緒に遊びましょうっす! 海っすよ! 海!!」
アオイは少し申し訳なさそうな顔をして苦笑した。
「バレッタちゃん……あの……あのね。 わたし……」
バレッタはどんぐり眼を見開いて不思議そうに彼女を見つめた。
「わたし、これでも一応吸血鬼だから強い日差しとか……あんまり得意じゃないんだよ」
アオイが情けない顔で言うと、バレッタは、にぱ、と笑った。
「だいじょうぶっすよ!」
そして彼女はもごもごと詠唱して緑色の魔法円をこさえると、それをアオイの額のあたりに移動させた。
それは彼女の額でぱちん、と弾けてアオイの身体をほとんど透明の緑色の膜で包み込んだ。
「これは?」
「あたしの魔法結界っす。 これで太陽光を遮断できるようにしたっすよ!」
バレッタのその言葉を聞くとアオイの顔が、ぱぁ、と明るくなった。
さらにバレッタはまた詠唱してアオイの姿を自分のオレンジ色のビキニとお揃いの青色のビキニへと変えた。
「ね? 一緒に泳ぎましょうっす! アオイちゃん」
バレッタはにっこりと笑ってアオイの手を取った。
「うん! バレッタちゃん! わたし、わたしね! 海に入るの初めて!!」
「よかったっす! あたし、どうしてもアオイちゃんと一緒に遊びたかったっすよ!」
そして二人は笑い合って手を繋いだまま出入口へと駆け出していく。
種族は違っても、二人はしっかりと友情を育んできたのだ。
それは魔法少女と人類が歩み寄れるかもしれない、という希望を感じさせるような姿だった。
イクローとキルカは少し沖に出た海の上に二人で浮かんでいた。
キルカはしっかりとイルカの浮袋にしがみついている。
「こんなにのんびりした気分は久しぶりな気がするなぁ……」
イクローがそう漏らすとキルカもふんわりとした笑顔を浮かべた。
「なのなの。 ずっとこんな風ならいいの……」
彼女はそう言って笑顔のまま魔法少女たちが戯れる海岸を見つめた。
二人は見つめ合って、イクローが彼女の側に泳いで近寄ると、二人はそっと口づけをした。
「二人で……ずっとこうして平和に生きていこう」
イクローの言葉にキルカは頷いて、ぱぁ、と大輪の花が咲いたような笑顔を浮かべた。
二人はそのまま抱き合って、お互いを貪るように何度も口づけを交わす。
キルカの細い腰を抱きしめて、イクローはあまり力を入れてしまうと折れてしまうんじゃないか、と少し不安に感じて手の力を弱めて、それでもしっかりと彼女を抱きしめた。
「好きだ……キルカ」
「わたしも……イキロが大好きなの……」
二人は見つめ合って、お互いの存在を確かめるかのように抱きしめ合う。
ふと、イクローが空を見て声を上げた。
「あれ? なんか黒い雲がこっちに広がってるな……雨が降るかもしれないな」
空にはいつの間にか真っ黒な雷雲のようなものがもくもくと広がって辺りを暗くしていった。
「戻ろうか?」
イクローがそう訊いた瞬間、キルカの身体が一瞬びくん、と跳ねた。
彼が驚いていると彼女の身体から何か波動のようなものが発せられてイクローは弾き飛ばされた。
「なに?! キルカ? キルカ!!」
彼が叫んでも彼女は虚ろな目をして死体のように海に浮かんでいる。
イクローが泳いで彼女に近寄っていくとやはり波動のようなものに弾かれた。
「なんだ? 何が起きてるんだ? キルカァァ!!」
彼は何度も彼女の名を叫ぶが、キルカには反応がなかった。
そしてキルカはふわり、と宙に浮いて空中でぶらり、と何かにぶら下げられてるようになった。
それは彼女自身の意思で浮いてるのではない。
まるで操り糸に吊られて空からぶら下がっているような様子だった。
彼女の顔には表情がなく、ただ虚ろな瞳をあらぬ方向へと向けていた。
「キルカ!! キルカ!!」
イクローは自らも宙に浮かび上がって叫びながら何度も彼女に近寄ろうとしては謎の力に弾かれて海へ落ちた。
そして彼女の背後の空間にだんだんとひび割れができていった。
それは広がってやがて、パリン、という音と共に割れて破片を飛び散らせた。
「魔導杖が発動するのか?!」
イクローはそう叫んで固唾を飲んでキルカの様子を見守った。
果たして空間の穴から黒い剣がだんだんとせり出てきて、それは自らまるで意思があるかのようにふわりと浮き上がるとまっすぐ縦になってキルカの目の前で空中で停止した。
そして剣に巻き付いた蔦のようなものがするするとほどけると、剣はぼこぼこと表面を波打たせながら形を変えていった。
「?!」
イクローは絶句してその様子を目を皿のようにして見つめ続ける。
やがて剣は人型になり、黒い衣装を着けた魔法使いのような姿にj変わった。
「お、お前は何者だ!!」
イクローが叫ぶと、その黒い魔法使いが帽子に隠れた顔を上げた。
その顔を見て、イクローは驚きに目を見開いた。
「……キルカ?!」
それはキルカそっくり、いや彼女そのものの顔をしていた。
十七歳のキルカよりも少し大人っぽい印象を受けるが、それはキルカに間違いがなかった。
「出てきてほしいと言っていたから出てきたのよ。 ……イキロ」
彼女は静かにそう言った。
イクローは目を剥いて、一言だけ言葉を漏らした。
「魔女……キルカ……?!」
黒い魔法使いは表情一つ変えずに頷いた。
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