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大量のハンドメイドキット……
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ギルドに安価なトートバッグと紐で絞るタイプのリュックと、前世の中学校の通学鞄に似た、金具のない肩掛けバッグを搬入することにした琴葉は、定期的にギルドに行くヴァーロやアルスに持っていくことを頼みつつ、お店の開店準備のため忙しい日々を送っていた。
ミュリエルからは、
『ヴァーロからお金をきちんともらいなさい。そして、マルムスティーン家と王宮からもしっかりお金は回収しておいたよ。子供たちとバーバラのプレゼント分以外のものと、アルファードのバッグ代だけど。ギルドの金庫に一旦預かっているので後日必ず取りに来てください。君の才能を過小評価してはいけないよ』
と書かれている手紙と、契約した品は定期的に搬入して欲しいけれど、無理はしないようにとメッセージがついていた。
本当にこの世界での父親のような存在だと思う。
一応、昔、ミシンで一気に作った丈夫な帆布製のトートバッグはと、裏地付きのバッグもあるだけ出しておいたが、粗末なカサカサとした麻布のバッグか、もしくはモンスターや野生の獣の革のバッグが多かったこの世界に、上質のバッグが販売されたとわかるとかなりの反響があったらしい。
『やっぱり、無地や冒険者用の色という感じで選んでおいたものでも、争奪戦が起きたよ。来るなと言って置いてよかった』
とも書かれていた。
ちなみに時々ギルドに向かうヴァーロとアルスは、ポンチョを着込んで歩いているので、バッグが目立たないらしい。
そこまでの反響があるとは思わなかった琴葉だが、開店準備として室内の家具、食器にメニュー表やレジスターとクッキープレゼントになったもののスタンプカードの用意をする。
ちなみにスタンプカードは、昔使っていたハンドメイド作品の送る際に挟んでいた名刺サイズに切った画用紙に、簡単にシールを貼ったりイラストを描いて作り、回数券も同じようなものにスタンプを押す方法にした。
どちらもスタンプがいっぱいになれば回収すればいい。
スタンプに使うのは消しゴムハンコだ。
そしてお菓子はクラッカーと野菜チップス、あとはあんこ入りのお焼きを初期のメニューにし、あとはおいおい考える……ことにする。
飲み物はこちらで主流の紅茶(ストレート・レモン・オレンジ)に緑茶、ミントティ、カモミールティー、あとはゆず茶にレモネード……これもおいおい追加である。
本当はシナモン入りのチャイやラッシー(インドのヨーグルトドリンク)も考えたが、こちらにミルクが売っているか確認していなかったので諦めた。
麦茶も選べるようにしたいものである。
そこで、クラッカーばかりもなんなので、スコーンを作ることにきめる。
そして、お皿だけでなくカトラリーを持ってきていた荷物から探していたのだが……。
「……桜智さん……これ、何かなぁ?」
チャチャと遊んだり、時には空間の中の装飾について選んでいた桜智に声をかける。
【えっ? 何よ】
「こっれで~す」
また未開封の80サイズの段ボールを見つけ、開封し中身を確認したところ、なぜか、琴葉が買ったことのない、某百均で購入したハンドメイドキットが大量に出てきた。
例えば刺し子に刺繍、フェルト布で作るぬいぐるみや羊毛フェルトキット、毛糸で作るあみぐるみや紙テープで作るカゴキットと言ったものまであれこれ……ミサンガやつまみ細工キットも揃っている……未開封ばかり。
「同じようなものばかり買い込んで買い込んで溜め込んで……って感じですね」
【やってみたかったんだもの~! でも時間もないし、説明書だけではわからなくてそのままにして……でも、疲れてふらふらな時つい行くと、百均だしってまた買っちゃうの!】
「どうします? 誰かにあげる……ってしちゃうと、ギルドのミュリエルさんに多分膝突き合わせてお説教だと思うんです……」
ミュリエルは嫌いじゃないけれど、お説教は嫌だ……同じことを繰り返すのもミュリエルも嫌だろう……。
【……ちょっとお高いお値段で売る! その代わり、このお店の中で琴葉が作るのをお手伝いするのはどう? ハンドメイドの教室よ! そうすれば、品は減るし、安く売ることはないし!】
「……聞いてみますね」
確認のためにアルスとソフィアに話を持ちかけ、ミュリエルに確認してもらう。
すると折り返しに、
『ある程度落ち着いてからそういうのもいいと思うよ。また無料と言い出すのかと思って焦ったけれど、よく考えたね』
とお褒めの言葉が返ってきたのだった。
ミュリエルからは、
『ヴァーロからお金をきちんともらいなさい。そして、マルムスティーン家と王宮からもしっかりお金は回収しておいたよ。子供たちとバーバラのプレゼント分以外のものと、アルファードのバッグ代だけど。ギルドの金庫に一旦預かっているので後日必ず取りに来てください。君の才能を過小評価してはいけないよ』
と書かれている手紙と、契約した品は定期的に搬入して欲しいけれど、無理はしないようにとメッセージがついていた。
本当にこの世界での父親のような存在だと思う。
一応、昔、ミシンで一気に作った丈夫な帆布製のトートバッグはと、裏地付きのバッグもあるだけ出しておいたが、粗末なカサカサとした麻布のバッグか、もしくはモンスターや野生の獣の革のバッグが多かったこの世界に、上質のバッグが販売されたとわかるとかなりの反響があったらしい。
『やっぱり、無地や冒険者用の色という感じで選んでおいたものでも、争奪戦が起きたよ。来るなと言って置いてよかった』
とも書かれていた。
ちなみに時々ギルドに向かうヴァーロとアルスは、ポンチョを着込んで歩いているので、バッグが目立たないらしい。
そこまでの反響があるとは思わなかった琴葉だが、開店準備として室内の家具、食器にメニュー表やレジスターとクッキープレゼントになったもののスタンプカードの用意をする。
ちなみにスタンプカードは、昔使っていたハンドメイド作品の送る際に挟んでいた名刺サイズに切った画用紙に、簡単にシールを貼ったりイラストを描いて作り、回数券も同じようなものにスタンプを押す方法にした。
どちらもスタンプがいっぱいになれば回収すればいい。
スタンプに使うのは消しゴムハンコだ。
そしてお菓子はクラッカーと野菜チップス、あとはあんこ入りのお焼きを初期のメニューにし、あとはおいおい考える……ことにする。
飲み物はこちらで主流の紅茶(ストレート・レモン・オレンジ)に緑茶、ミントティ、カモミールティー、あとはゆず茶にレモネード……これもおいおい追加である。
本当はシナモン入りのチャイやラッシー(インドのヨーグルトドリンク)も考えたが、こちらにミルクが売っているか確認していなかったので諦めた。
麦茶も選べるようにしたいものである。
そこで、クラッカーばかりもなんなので、スコーンを作ることにきめる。
そして、お皿だけでなくカトラリーを持ってきていた荷物から探していたのだが……。
「……桜智さん……これ、何かなぁ?」
チャチャと遊んだり、時には空間の中の装飾について選んでいた桜智に声をかける。
【えっ? 何よ】
「こっれで~す」
また未開封の80サイズの段ボールを見つけ、開封し中身を確認したところ、なぜか、琴葉が買ったことのない、某百均で購入したハンドメイドキットが大量に出てきた。
例えば刺し子に刺繍、フェルト布で作るぬいぐるみや羊毛フェルトキット、毛糸で作るあみぐるみや紙テープで作るカゴキットと言ったものまであれこれ……ミサンガやつまみ細工キットも揃っている……未開封ばかり。
「同じようなものばかり買い込んで買い込んで溜め込んで……って感じですね」
【やってみたかったんだもの~! でも時間もないし、説明書だけではわからなくてそのままにして……でも、疲れてふらふらな時つい行くと、百均だしってまた買っちゃうの!】
「どうします? 誰かにあげる……ってしちゃうと、ギルドのミュリエルさんに多分膝突き合わせてお説教だと思うんです……」
ミュリエルは嫌いじゃないけれど、お説教は嫌だ……同じことを繰り返すのもミュリエルも嫌だろう……。
【……ちょっとお高いお値段で売る! その代わり、このお店の中で琴葉が作るのをお手伝いするのはどう? ハンドメイドの教室よ! そうすれば、品は減るし、安く売ることはないし!】
「……聞いてみますね」
確認のためにアルスとソフィアに話を持ちかけ、ミュリエルに確認してもらう。
すると折り返しに、
『ある程度落ち着いてからそういうのもいいと思うよ。また無料と言い出すのかと思って焦ったけれど、よく考えたね』
とお褒めの言葉が返ってきたのだった。
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