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一夜明けて
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一晩が経った。
琴葉は朝ご飯を用意してヴァーロの部屋をそっと開けると、ヴァーロはベッドではなく床に毛布を敷き、クッションやタオルに埋もれるようにして横になっていた。
「だ、大丈夫ですか?」
「あぁ、ベッドに寝かせていたんだが、苦しがって何度か落ちて、仕方ないからここで寝かせたんだ」
「食事は無理そうですね……」
「あぁ、水か、湯冷しのようなものがあったら頼むよ」
「はい。アルスさんの食事も運びます」
一度水と、塩と柑橘を混ぜた飲み物を持ってきた琴葉は、しばらくしてアルスの朝食にあっさり目のスープとホットサンド、サラダ、ヨーグルトとホットコーヒーを運ぶ。
一緒にお茶のポットも持ってきていて、差し出す。
「これは私の地域でよくのんでいるお茶です。ミルクなどを入れる紅茶と同じ茶葉を使うのですが、火で葉を炙って発酵を止めることで、味も香りも変わってきます。私たちはそのままで飲むんですよ」
「あぁ、ありがとう」
「少ししたら代わりますので……」
「大丈夫だよ。でも助かる」
ソフィアは早めに目が覚め、琴葉と朝食をとり、台所の片付けをし、その間に琴葉は洗濯機を回している。
疲れが残るラハシアとフィーアは少し遅めに目が覚め、琴葉はホットサンドとサラダ、ジャムを乗せたヨーグルトにホットミルクを出していた。
冷やしたタオルを変えたりと手は尽くすものの、お昼を過ぎても熱が下がる様子のないヴァーロに、アルスはラハシアにギルドに向かって欲しいと頼む。
緊急にギルドリーダーに会うことができるようにと朝のうちに書いていた手紙を差し出し、そして……。
「悪いヤツに狙われにくくするおまじないだ」
「……えっと、この子は?」
琴葉は今までここにいなかった生き物を見つめる。
初めて見る……翼のあるシュナウザー。
シュナウザーと聞くとこの色と言われるようなシルバーとホワイトで、体格は輓馬レースに出る巨大な馬並みの巨体。
「あぁ、コイツは俺の乗獣。シェルムって言うんだけど……名前のわりに頑固で生真面目だな」
モフモフでも眉と髭のある執事っぽい印象のシェルムは、可愛いリボンを首に巻いている。
「普段はカズール……ここから西にいるんだが、この笛で呼ぶと来てくれる。シェルム。このラハシアと一緒にギルドに行ってくれ。そして、父さんに会って来てもらってほしい。大丈夫か?」
キュルルン
見た目は巨体だが可愛い鳴き声で返事をすると、琴葉とラハシアを見てぺこんと頭を下げる。
かなり賢い。
「シェルム。首にバッグをつけておくから、もし何かあったら、ラハシアとここまで逃げてくるんだぞ? そして、父さんくらいは乗せてくれ」
クルル……
急に顔を顰め鼻の上に皺が寄った。
苦笑してポンポンと首を叩き、
「だから、母さんは無理だってわかってるから。母さんには会わなくていいよ。それより、ヴァーロ兄貴が調子が悪いから、頼む。後で、美味しいおやつをあげるから」
何度も言い聞かせ頼んで送り出した後、アルスは大きくため息をつく。
「母さんが、苦手なんだ……髭じゃないのに毛を力任せに引っ張るし、尻尾を掴むみたいでな……」
「そ、そうなんですね。でも、とても可愛いしお利口さんですね」
「あぁ、まだあれでも子供なんだ。でもかわいいんだよな」
ペット自慢をする飼い主のような顔をするアルスにほっこりしたのだった。
~*~~*~~*~~*~~*~
Schelm(シェルム)……ドイツ語でいたずらっ子
琴葉は朝ご飯を用意してヴァーロの部屋をそっと開けると、ヴァーロはベッドではなく床に毛布を敷き、クッションやタオルに埋もれるようにして横になっていた。
「だ、大丈夫ですか?」
「あぁ、ベッドに寝かせていたんだが、苦しがって何度か落ちて、仕方ないからここで寝かせたんだ」
「食事は無理そうですね……」
「あぁ、水か、湯冷しのようなものがあったら頼むよ」
「はい。アルスさんの食事も運びます」
一度水と、塩と柑橘を混ぜた飲み物を持ってきた琴葉は、しばらくしてアルスの朝食にあっさり目のスープとホットサンド、サラダ、ヨーグルトとホットコーヒーを運ぶ。
一緒にお茶のポットも持ってきていて、差し出す。
「これは私の地域でよくのんでいるお茶です。ミルクなどを入れる紅茶と同じ茶葉を使うのですが、火で葉を炙って発酵を止めることで、味も香りも変わってきます。私たちはそのままで飲むんですよ」
「あぁ、ありがとう」
「少ししたら代わりますので……」
「大丈夫だよ。でも助かる」
ソフィアは早めに目が覚め、琴葉と朝食をとり、台所の片付けをし、その間に琴葉は洗濯機を回している。
疲れが残るラハシアとフィーアは少し遅めに目が覚め、琴葉はホットサンドとサラダ、ジャムを乗せたヨーグルトにホットミルクを出していた。
冷やしたタオルを変えたりと手は尽くすものの、お昼を過ぎても熱が下がる様子のないヴァーロに、アルスはラハシアにギルドに向かって欲しいと頼む。
緊急にギルドリーダーに会うことができるようにと朝のうちに書いていた手紙を差し出し、そして……。
「悪いヤツに狙われにくくするおまじないだ」
「……えっと、この子は?」
琴葉は今までここにいなかった生き物を見つめる。
初めて見る……翼のあるシュナウザー。
シュナウザーと聞くとこの色と言われるようなシルバーとホワイトで、体格は輓馬レースに出る巨大な馬並みの巨体。
「あぁ、コイツは俺の乗獣。シェルムって言うんだけど……名前のわりに頑固で生真面目だな」
モフモフでも眉と髭のある執事っぽい印象のシェルムは、可愛いリボンを首に巻いている。
「普段はカズール……ここから西にいるんだが、この笛で呼ぶと来てくれる。シェルム。このラハシアと一緒にギルドに行ってくれ。そして、父さんに会って来てもらってほしい。大丈夫か?」
キュルルン
見た目は巨体だが可愛い鳴き声で返事をすると、琴葉とラハシアを見てぺこんと頭を下げる。
かなり賢い。
「シェルム。首にバッグをつけておくから、もし何かあったら、ラハシアとここまで逃げてくるんだぞ? そして、父さんくらいは乗せてくれ」
クルル……
急に顔を顰め鼻の上に皺が寄った。
苦笑してポンポンと首を叩き、
「だから、母さんは無理だってわかってるから。母さんには会わなくていいよ。それより、ヴァーロ兄貴が調子が悪いから、頼む。後で、美味しいおやつをあげるから」
何度も言い聞かせ頼んで送り出した後、アルスは大きくため息をつく。
「母さんが、苦手なんだ……髭じゃないのに毛を力任せに引っ張るし、尻尾を掴むみたいでな……」
「そ、そうなんですね。でも、とても可愛いしお利口さんですね」
「あぁ、まだあれでも子供なんだ。でもかわいいんだよな」
ペット自慢をする飼い主のような顔をするアルスにほっこりしたのだった。
~*~~*~~*~~*~~*~
Schelm(シェルム)……ドイツ語でいたずらっ子
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