懐かしい初期作品

刹那玻璃

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ごーいんぐまいうぇい

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 生来、刹那は親や親族にも呆れられるほど、ものを捨てるのが出来ない性分である。

 綺麗な包み紙を集めたり、元々手芸……特にテディベアを作るのが趣味だったので、コピーした型紙を張り付けて使うために、下着に挟んである厚紙などを、ついつい勿体ないと溜め込み、後で父に説教されるのが常である。

 しかし、クッキーの缶や、お土産の箱のようなものは何かに使えるかもと思ってしまい、当然捨てられないし、ぬいぐるみやテディベアのぬののはしきれも、詰め物に使うとか、色がまちまちでも、パッチワーク風のテディベアを作れるので残している。

 数年前、実家から引っ越す前の大掃除で出てきて唖然としたのは、捨てられるのが惜しくて机の後ろの隙間に隠し忘れていた昔のゲームやCDのポスターの数々と、バレンタインに義理チョコをあげて、お返しに貰った可愛い箱の山……。

 義理なのに……解っていて勿体ないと残しておく貧乏性な所がある。



 そして、これもしているが、『使ったつもり貯金』をやっている。

 例えば、通常の値段が300円の品が特売品で198円で購入した時には、差額を貯金することである。

 そうすると必然的に買いすぎにも注意するようになる。

 月額使えるお金はこれくらい…そして、その中でやりくりをしつつ、貯めていく。

 銀行にいれると出してしまうので、壊さないといけない……特に壊すのを躊躇う可愛いものや、30万円が貯まると言う透明な貯金箱にいれる方がいい。



 ちなみに、昔は家計簿をつけていたが、ティッシュペーパーや野菜、洗剤と仕分けるのが面倒になり、やめてしまった。

 それに、元実家が商売をしていたのだが、金銭出納帳を書くのが大嫌いな母は、青色申告の前日にようやく重い腰をあげて……で、

「玻璃ちゃん……これ解らないんだけど……」

と言う。

 その為、商売を止めるときまで、金銭出納帳と、青色申告は全て手続きをした。

 商工会議所の人に来てもらうと、余分にお金が掛かるのである。

 一度で覚えて、母には任せないようにした。

 それに懲りて、自分は、家計簿をつけない。

 レシートも懸賞があったりする以外は全て、後で処分である。



 だが『使ったつもり貯金』は、洋服にだけは通用しない。

 何故なら、刹那はバーゲンセールの終わりの終わりに、割り引いた品のそれまた半額タイムでごっそり買うからである。

 季節外だろうが、刹那は長袖であればOK。



 そして、ただ今貯めているのが、レシートに残っている差額分である。

 シールつきの割引品を、食べられる期間を計算し購入するし、そして、クーポンで割引もその引かれた値段ではなく、原価で食べたり購入したりしたことにして貯金箱に入れる。

 本を購入するときの図書カードや懸賞用のハガキに切手等も全て金券ショップで購入し、お釣りも貯金箱。

 買い物に行き『袋要りません』と言い、引いて貰ったものも貯金に回す。

 とある通販で、サンプルを貰えるので、そのサンプルの値段を計算し、貯金箱に入れておくことも忘れないし、懸賞で当たった図書カード等も、現金と引き換えで貯金箱に入れる。

 コンビニのポイントで引き換えたジュースだのお菓子の値段も全て入れていくのである。

 全て徹底的に貯金するのが『使ったつもり貯金』である。

 でなければ、お金は貯まらない。

 緊急の際に必要なお金は、ない。

 だから、考えに考え付いたのがこの貯金である。



 でも、たった少しでしょ?と思われるかもしれないが、半年で8万4000円貯めたことがある。

 貯まるものである。



 他には無料で水を貰える店に行き、持って帰ると、二リットルを10円として貯める。

 紙ごみではなく、ちりかみ交換で、ティッシュペーパーを貰うのもいい。

 ドケチと言われても、将来何があるか解らない。

 家族に全て寄りかかり……迷惑をかけるよりも、今貯蓄を僅かでもしておいて、損はないと思う。

 他には、少しでも物を長持ちさせること……それが一番である。

 買い込みすぎない。

 靴はギリギリまで履く。

 靴下はお揃いの物を何足も購入しておき、穴が開いたら、置いておいて、他のが穴が開くと一足にして使う。

 破けた靴下は掃除に使いごみ箱行きである。

 余りのドケチさに引くと思うが、資源である。使えるだけ使って、ありがとうがいいと思っている。

 まぁ…これは刹那のやり方なので、真似る必要はないが、やはりこの時代、何が起こるか解らないのだから、少しでも貯めておくことにしている。



 こう言うことをしていると、どこで勉強したんだと言われるだろうが、色々な雑誌を病院などで読み、実践してみたがうまくいかず、あれこれ工夫して見つけた技と言うか、貯金方法である。

 透明な貯金箱に小銭が入っているのを見ると、頑張ってるなぁ…と自分を誉めたくなるときもある。



 しかし、ケチではあるが、勉強とか、知識の吸収のためには、お金を惜しまない。

 まぁ、その点には高額な料金を払う英会話教室は無理だが、県や市などが行う歴史講座や、言語学講座、ボランティア講座……時間が合えば……そして、適当な金額で勉強できるのならこしたことはない。

 知識を得たい、学びたいと思うことは人間にとって悪いものではないからだ。

 今は、中国語を学んでいるが、将来の夢のためである。

 その夢を叶えるために、貯金は今日も続くのだった。
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