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緑の精霊王と紅の狼
ティアとリー
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エレナとクリスは白い子犬と対面しもふもふを堪能していたものの、別室では高熱を出し魘されるティアに付き添うリーがいた。
エレナはギリギリ飢える前だったが、ティアは完全に飢餓状態で、一月保護が遅れれば命が無いほどだったと、診察した医師が告げた。
我慢強いティアは自分の分をギリギリまで減らし、分からないようにエレナに与えていたらしい。
例えばパンを少し大きい方をエレナに……僅かにしか入っていないスープの具をエレナに多めに入れておくなど……。
しかしエレナから聞いた1日の提供されていた食事量はギリギリ一人分しかなく、それを二人で分けつつ食い繋いだのだろう。
「許される範囲を超えてるよね……ぶっ殺す……」
「一応、言っておきますが、意識はないものの幼い少女の耳元で言うべき言葉じゃ無いと思いますよ? ロリコン兄上」
「琥珀ちゃんは16です!」
「その前に病人でしょ。全く……」
車のついた椅子を器用に移動させ近づいたフェルは、兄にテーブルの上の飲み物を押し付ける。
「はい、兄さま。毒味よろしくお願いしますね。ティアラーティア嬢に飲ませていいか確認です。舌に敏感な兄さまだったらわかると思いますが、身体がかなり弱っている人には強い辛味、酸味、塩味、えぐみも全て負担に感じますからね。固体は飲み込むのも辛いと思いますし、ドロドロすぎる液体も内臓が驚くでしょうから取り寄せた最高品質の落葉樹の樹液を煮詰めたシロップと赤ん坊にも大丈夫な超貴重なグランディアの南方の山岳ゴードミルク、アレルギーがでにくいものの、傷つきやすく保存が難しいチェナベリーなどの栄養のある果物を取り入れた特製ドリンクです。エレナ王女殿下にも三食につけています」
「……濃くない? エレナ王女殿下にも渡してるの?」
「ティアラーティア嬢のものは、ゴードミルクが多めです。起き上がれないくらい弱っている子に、栄養を与えすぎる方が内臓の負担になるでしょう。エレナ王女殿下のものはもう少しベリーの濃厚なものですね」
「それもそっか……」
一応自分のグラスに移し味見。
ゴードミルクを使ったほんのり味のついたミックスジュース風味の栄養ドリンクである。
「うん、大丈夫だよ」
「ちなみにこれを順次濃厚にして、最後はこの栄養ドリンクが必要ない程度にまで元気になってもらいますので!」
「フェルは琥珀ちゃんのお父さん? それともトレーナー?」
「それでもいいですね。私は息子一人ですし……というか、あの子一人で手一杯ですよ! もう一人なんて考えられませんよ!」
苦虫を噛み潰したような顔になる。
「この前も、引き出しを開けると蝶の幼虫がいたり、こんな蛾が書斎のあちこちにいたんですよ~!」
「あぁ……えっとね、それ、クシュナ……お父さんの君に珍しい蝶々の脱皮を見せたかったんだと思うよ。引き出しを開けた時にいたのが、タマムシイロタテハって言う珍種でね、蝶になったらあんまり目立たないんだけど、蛹になると僕たちは触れないシェールドのレインボーシルバーのように不思議な色が出るんだよ。触れない鉱物のことをいったんでしょ? 見せてあげようって思ったのかも」
「……えっ?」
「で、蛾のほうは、新種の蛾だよ~ちょっと夢見が良くなるかなぁっていう奴」
「それは鱗粉ですかぁぁ! 捕まえたとき結構散った~」
クシュナは食ってかかる。
一種の毒や混乱効果のある鱗粉を持った蛾がいるのだが、新種だとかなり毒オタク気味のフェルが燃えるのである。
「いや、あれは全くそっち……毒系じゃないです。見た目が綺麗。夜に見ると綺麗だよねっていうのだよ」
「……えっ?」
「あのさぁ、この僕が、可愛い甥っ子に毒は渡しませんよ。それに、フェルや君の奥さんに許可貰う前に渡さないよ~。まぁ代わりにカマキリ図鑑は渡したけど」
「図鑑~! そんなのも渡さないでくださいよ! 酷い目に遭いました!」
「だって、カマキリは益虫じゃない? 君の育ててる薬草やハーブを食べ尽くす害獣、害虫を駆除できるでしょ?」
リーは首を傾げる。
「虫って結構困るじゃない? 薬草には農薬も使えない訳じゃない? だから。ハーブ畑を守る方法を考えたんだけど? それに、クシュナもフェルのお手伝いしたいって言ってたもんね。怒っちゃダメだよ?」
「……教えてくださいよ……怒っちゃったじゃないですか」
「頑張れ~」
ニヤニヤと弟を見る。
すぐ下の弟の子供もいるものの、あまり可愛げがなく、リーの可愛がる甥姪はクシュナやクリスである。
「気楽そうに言わないでくださいよ!」
「おやおや……やんちゃ坊主だけどあの子はフェルたちの子なんだから、色々見えてるし、とても賢いんだ。もう少し見守るとか、助言のみにするといいよ。全部やってあげるなんて、クシュナには我慢できないよ。成長する子供に対して、もう少し教育方針変えるといいよ」
特に口巧者で暴れん坊のクシュナに手を焼き愚痴るフェルに、いつまでも癇癪持ちの駄々っ子じゃないよ、見守ってやりなよと言いたいらしい。
恨めしそうに兄を睨むものの、リーはニコニコと笑う。
「子は親の鑑とか言うし、子は親の背を見て育つって言うから、きっといい子になるよ。フェルは僕の自慢の弟だもん。フェルの息子が悪い子になるはずがないからね。うん」
「……」
頬をうっすら赤くする弟に笑いかける。
仲のいい兄弟が近況と情報収集をしていくのだった。
エレナはギリギリ飢える前だったが、ティアは完全に飢餓状態で、一月保護が遅れれば命が無いほどだったと、診察した医師が告げた。
我慢強いティアは自分の分をギリギリまで減らし、分からないようにエレナに与えていたらしい。
例えばパンを少し大きい方をエレナに……僅かにしか入っていないスープの具をエレナに多めに入れておくなど……。
しかしエレナから聞いた1日の提供されていた食事量はギリギリ一人分しかなく、それを二人で分けつつ食い繋いだのだろう。
「許される範囲を超えてるよね……ぶっ殺す……」
「一応、言っておきますが、意識はないものの幼い少女の耳元で言うべき言葉じゃ無いと思いますよ? ロリコン兄上」
「琥珀ちゃんは16です!」
「その前に病人でしょ。全く……」
車のついた椅子を器用に移動させ近づいたフェルは、兄にテーブルの上の飲み物を押し付ける。
「はい、兄さま。毒味よろしくお願いしますね。ティアラーティア嬢に飲ませていいか確認です。舌に敏感な兄さまだったらわかると思いますが、身体がかなり弱っている人には強い辛味、酸味、塩味、えぐみも全て負担に感じますからね。固体は飲み込むのも辛いと思いますし、ドロドロすぎる液体も内臓が驚くでしょうから取り寄せた最高品質の落葉樹の樹液を煮詰めたシロップと赤ん坊にも大丈夫な超貴重なグランディアの南方の山岳ゴードミルク、アレルギーがでにくいものの、傷つきやすく保存が難しいチェナベリーなどの栄養のある果物を取り入れた特製ドリンクです。エレナ王女殿下にも三食につけています」
「……濃くない? エレナ王女殿下にも渡してるの?」
「ティアラーティア嬢のものは、ゴードミルクが多めです。起き上がれないくらい弱っている子に、栄養を与えすぎる方が内臓の負担になるでしょう。エレナ王女殿下のものはもう少しベリーの濃厚なものですね」
「それもそっか……」
一応自分のグラスに移し味見。
ゴードミルクを使ったほんのり味のついたミックスジュース風味の栄養ドリンクである。
「うん、大丈夫だよ」
「ちなみにこれを順次濃厚にして、最後はこの栄養ドリンクが必要ない程度にまで元気になってもらいますので!」
「フェルは琥珀ちゃんのお父さん? それともトレーナー?」
「それでもいいですね。私は息子一人ですし……というか、あの子一人で手一杯ですよ! もう一人なんて考えられませんよ!」
苦虫を噛み潰したような顔になる。
「この前も、引き出しを開けると蝶の幼虫がいたり、こんな蛾が書斎のあちこちにいたんですよ~!」
「あぁ……えっとね、それ、クシュナ……お父さんの君に珍しい蝶々の脱皮を見せたかったんだと思うよ。引き出しを開けた時にいたのが、タマムシイロタテハって言う珍種でね、蝶になったらあんまり目立たないんだけど、蛹になると僕たちは触れないシェールドのレインボーシルバーのように不思議な色が出るんだよ。触れない鉱物のことをいったんでしょ? 見せてあげようって思ったのかも」
「……えっ?」
「で、蛾のほうは、新種の蛾だよ~ちょっと夢見が良くなるかなぁっていう奴」
「それは鱗粉ですかぁぁ! 捕まえたとき結構散った~」
クシュナは食ってかかる。
一種の毒や混乱効果のある鱗粉を持った蛾がいるのだが、新種だとかなり毒オタク気味のフェルが燃えるのである。
「いや、あれは全くそっち……毒系じゃないです。見た目が綺麗。夜に見ると綺麗だよねっていうのだよ」
「……えっ?」
「あのさぁ、この僕が、可愛い甥っ子に毒は渡しませんよ。それに、フェルや君の奥さんに許可貰う前に渡さないよ~。まぁ代わりにカマキリ図鑑は渡したけど」
「図鑑~! そんなのも渡さないでくださいよ! 酷い目に遭いました!」
「だって、カマキリは益虫じゃない? 君の育ててる薬草やハーブを食べ尽くす害獣、害虫を駆除できるでしょ?」
リーは首を傾げる。
「虫って結構困るじゃない? 薬草には農薬も使えない訳じゃない? だから。ハーブ畑を守る方法を考えたんだけど? それに、クシュナもフェルのお手伝いしたいって言ってたもんね。怒っちゃダメだよ?」
「……教えてくださいよ……怒っちゃったじゃないですか」
「頑張れ~」
ニヤニヤと弟を見る。
すぐ下の弟の子供もいるものの、あまり可愛げがなく、リーの可愛がる甥姪はクシュナやクリスである。
「気楽そうに言わないでくださいよ!」
「おやおや……やんちゃ坊主だけどあの子はフェルたちの子なんだから、色々見えてるし、とても賢いんだ。もう少し見守るとか、助言のみにするといいよ。全部やってあげるなんて、クシュナには我慢できないよ。成長する子供に対して、もう少し教育方針変えるといいよ」
特に口巧者で暴れん坊のクシュナに手を焼き愚痴るフェルに、いつまでも癇癪持ちの駄々っ子じゃないよ、見守ってやりなよと言いたいらしい。
恨めしそうに兄を睨むものの、リーはニコニコと笑う。
「子は親の鑑とか言うし、子は親の背を見て育つって言うから、きっといい子になるよ。フェルは僕の自慢の弟だもん。フェルの息子が悪い子になるはずがないからね。うん」
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頬をうっすら赤くする弟に笑いかける。
仲のいい兄弟が近況と情報収集をしていくのだった。
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