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第2章〜承

風邪を引いた

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 週末に体調を崩すことが増えた。

 金曜日の晩に、熱はないものの、頭がボーッとして、フラフラしていたのでおかしいなと思ったら、土曜日は声がかすれ、気管支や肺……つまり胸全体に違和感と咳が止まらず、鼻水と痰に苦しむ。

 夜寝る時、ヒートテック上下と夏用のパジャマを着ていたものの、寒気がして、布団と毛布、冬用のパジャマを上にはおり寝た。

 今日朝6時に起きたところ、咳に頭痛、熱があった。
 これはやばい……35度の自分が37度弱だ……。
 ユエさんの散歩に行ってもいいが、痰がからみ、口をゆすぎたくて歩いていたら立っていられない。
 昨日は大丈夫とごまかし行ったものの、これは本気で完璧風邪である。
 ユエさんには謝り、ご飯を与え、自分は布団に戻るがどうにも寒い。
 赤外線対策のパジャマをもう一枚羽織り、冷蔵庫にあった冷たい水で薬を流し込み、横になる。

 10時に目が覚め、熱を測ると38度に上がっていた。
 ユエさんは、咳き込む私の横で、夢を見つつ眠っている。
 トイレに連れて行ってあげたいが、寒いし、着込んでいるのに全く汗が出ない。
 お昼まで我慢……熱が下がったら散歩に行こうと頑張ったが、お昼も熱が下がっていなかった。

 先、父から電話があった。
 声がかすれ、返事が遅い娘にかなり驚かれた。

「大丈夫か?」
「……いちおー、病院で……頓服、もらってるから……」
「なんか持って行こうか?」
「……いぃ……それより、ユエさんの……散歩が行けんかった……今からでも……」
「行くなぁぁ!風邪引きが、余計悪化するわ!それに真昼間に散歩したら、ユウが足に火傷するわ!」

 実家の家族は、ユエさんをユウと呼ぶ。
 ユエが言いにくいのと、刹那の本名の一文字を読み方を変えているのだと言う。

「今日は寝よれよ?」
「うん……晩までに下がったら、散歩……」
「寝よれ!毎日散歩とはいうたが、風邪ひいて熱のある人間に行けとはいうてない」

 それもそうだな……。
 電話が切れ、ボーッとしながら眠るユエさんを見る。

 夏風邪はお馬鹿さんが引く……。
 ユエさんには悪いが、今日は部屋でいてもらおう……。
 元気になったら散歩だ。
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