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ヴァーロはヴァーソロミューという、ドラゴンです。
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「あははは! バーバラ。またジョシュと遊んでるの?」
外見十歳くらいの少年姿のヴァーロ。
肩までのサラサラなストレートの髪は、不思議な淡いブルーから深いブルーまで見る方角によって変化する。
そして丸い瞳は高く澄み切った青。
一応、ご先祖さまであるアレクサンダー王に育てられたドラゴンで、見た目はその養父母である私のご先祖さまやその子供で、ヴァーロの弟として育ったアーサー王に似た印象に変化しているそうだ。
つまり、こちらも年齢不詳で実年齢詐称疑惑もある。
「失礼だね! 僕は、精神年齢に沿った外見ですよ? ちなみに、一応、多分、父さん……マガタ公爵だったドルフ父さんがいうには、僕はまだ子供だからね!」
「何年生きてますか~?」
ジョシュのツッコミに、可愛らしく首を傾げ、
「うーん? 卵状態の時も含めて? 誕生後のみ?」
とのたまう。
「俺だって、赤ん坊の時含めた年齢ですよ!」
「ジョシュは確か398才だよね~? ジョシュ、クリス叔父さんの孫だもん。長命だ」
「クリス……って誰?」
いや……ここで私がいうのも何ですが、クリスっていうのは多い名前で、クリスティン、クリスティーナ、クリストファー、クリストなどと使われるのです。
「えっと、アンディ・クリス卿って言ったら分かる? マルムスティーン中興の祖。そのお父さんがジェニル・クリス卿。つまりマルムスティーン一族のことだよ。ジョシュだって、セカンドネームはクリスティアーノだからね。ちなみに、僕は二人を、ジェニルおじいちゃんとクリス叔父さんってよんでた」
「クリスティアーノ……ププッ! ジョシュア・クリスティアーノ……」
「違う違う、この子、ジョシュアっていうのは通称だから、本名がジョセフィーン・クリスティアーノとかジェラルディーン・クリスティアーノだったはずだよ」
「ジョセフィーンなら、ジョゼとかが愛称になるんじゃないの?」
「確か、マルムスティーン家ではほぼ男児が生まれないので、長子は性別逆につけられるんだよ。願掛けだって。で、長子だったので女性名。で、小さい頃は確かジョゼって呼ばれてたよ?」
ヴァーロがうんうんと考え込みながら答え、ジョシュは嫌そうに……、
「そんなの思い出さないで下さいよ。ちなみにジョシュっていうのは、ヴァーロ様が言い間違えたからでしょうが、お爺さまの助手って言う言葉を、俺の名前だと勘違いですよね?」
「仕方ないじゃない。僕はその頃赤ちゃんだもん。当時はちゃんとおしゃべりできなかったもん」
「あんたの赤ん坊期ってどんだけ長いんですか!」
「僕お喋りできるようになったのはここ250年だよ! 一応、これでもドラゴン族ですから!」
ぽんっと姿が切り替わり、なぜか純白の毛玉が現れる。
大きさは5歳児並みの私と同じくらいの背丈のモコモコふわふわ。
《それにこの姿だと飛べないし、術も使えないし、全然面白くない! 体も重いし、足がツルツル滑るからほんと困る。ねえ、バーバラ。この床に絨毯敷かない?》
「……ヴァーロ! しばらくこの姿でいて~! モフモフふわふわ~! 一緒に寝ましょ~」
小さい頃から親と過ごすこともない私にとって、ヴァーロは一番近い存在。
それに……
《寂しいじゃないじゃん! バーバラって僕の毛をモフモフしたいだけじゃん! 小さい頃だって、僕の尻尾掴んで引っ張ってたじゃん! 絶対嫌!》
「そこをなんとか! モフモフさま! ヴァーロさま!」
《嫌! って言いたいけど、いいよ! 一応今国王……バーバラの姪っ子の一人が僕をペットとして飼いたいとか、嫁ぎ先に鎖で繋いで連れて行くって言って困るんだよね。僕はこんなでもドラゴンだっていうの! あのバカ王女、我儘だし僕嫌いだよ! まだバーバラなんか可愛くて妹みたいだもん。僕はここに住む~! モフモフさせてあげるから、誰か来てもいないって言ってね! 国王も前王もだよ!》
「やったぁ! じゃぁ、モフモフさせてくれたらブラッシングするね! そしてね? 一緒にご飯食べようね! お昼寝しようね! 絵本よんでね!」
家族もあまり来なくなったここに来てくれる、数少ない二人と少しでも一緒にいたいと思うのはダメだろうか……。
「よし、錯覚を利用して、ヴァーロがいないように見せるのもいいな……それに、兄弟の孫にも釘を刺すか……」
キャッキャと楽しげな子供に長毛大型犬風のチビドラゴンを見守りつつ、ジョシュはため息をついた。
外見十歳くらいの少年姿のヴァーロ。
肩までのサラサラなストレートの髪は、不思議な淡いブルーから深いブルーまで見る方角によって変化する。
そして丸い瞳は高く澄み切った青。
一応、ご先祖さまであるアレクサンダー王に育てられたドラゴンで、見た目はその養父母である私のご先祖さまやその子供で、ヴァーロの弟として育ったアーサー王に似た印象に変化しているそうだ。
つまり、こちらも年齢不詳で実年齢詐称疑惑もある。
「失礼だね! 僕は、精神年齢に沿った外見ですよ? ちなみに、一応、多分、父さん……マガタ公爵だったドルフ父さんがいうには、僕はまだ子供だからね!」
「何年生きてますか~?」
ジョシュのツッコミに、可愛らしく首を傾げ、
「うーん? 卵状態の時も含めて? 誕生後のみ?」
とのたまう。
「俺だって、赤ん坊の時含めた年齢ですよ!」
「ジョシュは確か398才だよね~? ジョシュ、クリス叔父さんの孫だもん。長命だ」
「クリス……って誰?」
いや……ここで私がいうのも何ですが、クリスっていうのは多い名前で、クリスティン、クリスティーナ、クリストファー、クリストなどと使われるのです。
「えっと、アンディ・クリス卿って言ったら分かる? マルムスティーン中興の祖。そのお父さんがジェニル・クリス卿。つまりマルムスティーン一族のことだよ。ジョシュだって、セカンドネームはクリスティアーノだからね。ちなみに、僕は二人を、ジェニルおじいちゃんとクリス叔父さんってよんでた」
「クリスティアーノ……ププッ! ジョシュア・クリスティアーノ……」
「違う違う、この子、ジョシュアっていうのは通称だから、本名がジョセフィーン・クリスティアーノとかジェラルディーン・クリスティアーノだったはずだよ」
「ジョセフィーンなら、ジョゼとかが愛称になるんじゃないの?」
「確か、マルムスティーン家ではほぼ男児が生まれないので、長子は性別逆につけられるんだよ。願掛けだって。で、長子だったので女性名。で、小さい頃は確かジョゼって呼ばれてたよ?」
ヴァーロがうんうんと考え込みながら答え、ジョシュは嫌そうに……、
「そんなの思い出さないで下さいよ。ちなみにジョシュっていうのは、ヴァーロ様が言い間違えたからでしょうが、お爺さまの助手って言う言葉を、俺の名前だと勘違いですよね?」
「仕方ないじゃない。僕はその頃赤ちゃんだもん。当時はちゃんとおしゃべりできなかったもん」
「あんたの赤ん坊期ってどんだけ長いんですか!」
「僕お喋りできるようになったのはここ250年だよ! 一応、これでもドラゴン族ですから!」
ぽんっと姿が切り替わり、なぜか純白の毛玉が現れる。
大きさは5歳児並みの私と同じくらいの背丈のモコモコふわふわ。
《それにこの姿だと飛べないし、術も使えないし、全然面白くない! 体も重いし、足がツルツル滑るからほんと困る。ねえ、バーバラ。この床に絨毯敷かない?》
「……ヴァーロ! しばらくこの姿でいて~! モフモフふわふわ~! 一緒に寝ましょ~」
小さい頃から親と過ごすこともない私にとって、ヴァーロは一番近い存在。
それに……
《寂しいじゃないじゃん! バーバラって僕の毛をモフモフしたいだけじゃん! 小さい頃だって、僕の尻尾掴んで引っ張ってたじゃん! 絶対嫌!》
「そこをなんとか! モフモフさま! ヴァーロさま!」
《嫌! って言いたいけど、いいよ! 一応今国王……バーバラの姪っ子の一人が僕をペットとして飼いたいとか、嫁ぎ先に鎖で繋いで連れて行くって言って困るんだよね。僕はこんなでもドラゴンだっていうの! あのバカ王女、我儘だし僕嫌いだよ! まだバーバラなんか可愛くて妹みたいだもん。僕はここに住む~! モフモフさせてあげるから、誰か来てもいないって言ってね! 国王も前王もだよ!》
「やったぁ! じゃぁ、モフモフさせてくれたらブラッシングするね! そしてね? 一緒にご飯食べようね! お昼寝しようね! 絵本よんでね!」
家族もあまり来なくなったここに来てくれる、数少ない二人と少しでも一緒にいたいと思うのはダメだろうか……。
「よし、錯覚を利用して、ヴァーロがいないように見せるのもいいな……それに、兄弟の孫にも釘を刺すか……」
キャッキャと楽しげな子供に長毛大型犬風のチビドラゴンを見守りつつ、ジョシュはため息をついた。
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