言葉を探そう

刹那玻璃

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短編集

最近のライトノベルについて?

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 昨日、第21回俳句甲子園地方大会の兼題が発表されました。

 これから夏に向けて文芸部、俳句部など全国の高校生俳人の皆さんは空を見たり、景色を見たり、言葉を思い浮かべたり、心の中まで探していくのだと思うとワクワクします。

 小説も同じです。
 言葉を探し、自分のイメージする光景を文章にしていくのだと思います。

 自分なりの作品に、俳句は容赦なく言葉を削り研ぎ澄ますものです。
 でないと、17文字まで徹底的にそれでいて季語を入れて詠むなんてできませんから。

 小説はではどうかというと、逆に文字は多くなりますが、でも、会話文だけでは誰が呼んだかもわかりません。
 それに、人はクセや仕草もあるので、



「おい、お前何してるんだよ」
「関係ないでしょ」



では何をしていたのかも解りません。
 しかし、



 ドンッとノックもなく扉が大きく開かれた。
 ロックが息を切らせながら飛び込んでくる。

「おい、お前何してるんだよ」

 ロックの目の前のナオミは手にハンカチと、刺繍用の針を持って懸命に針を刺していた。

「おい! ナオミ!」
「何よ、関係ないでしょ。向こう行ってちょうだい」

 隠すように背を向けるナオミに、ロックは問い詰める。

「今、シェードが村を出ていくって言ってた。お前知ってたのか?」

 ビクッと背中が揺れる。
 ロックは両腕を腰に当てた。

「知ってたんだな? 何で話してくれなかったんだよ!」



となるとある程度光景が見えてくるかと思います。
 俳句は削る、小説は肉付けをする。そんな感じですね。

 小説をレクチャーしている、そんなおこがましいことをしているつもりはなく、ただ、光景の見えない小説は逆に難しく意味が理解できないことが多いと思います。
 だらだらと話を続けるのではなく、途中で髪をかきあげたとか、苛立たしげに舌打ちをした、拳を握りしめた、だけでもそのキャラの性格は見えてきますし、インプットすることであぁ、彼だったら戦いの時に一番に突入しようとする、あっちのキャラは少しナルシストっぽい、こっちは怒りっぽいけれど正義感が強くて……と肉付けしていくごとにキャラは動き話し始めます。



 自分のキャラを動かして見ませんか?

 他の人の話の似たような設定、キャラを作るのは最近のライトノベルの魅力の低下につながっていると思います。
 このままいくと、ライトノベルという言い方も気軽に読めるという意味じゃなく、ただ似たような話が続く軽い本という意味になります。

 ライトは光……光の本にしたいと思いませんか?
 自分なりに、短い文章を会話を書いて見て、それを肉付けして見ませんか?
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