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魔法は考えるな感じろ的な

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オル様の謎の怒りが治まり、げっそりしてるクラウス君。
私も落ち着いてきた。見られたもんはしょうがない。さっさと魔法を教えてもらって、これからの事を考えなきゃ。

「クラウス君、私に魔法を教えてくれない?召喚魔法は少し出来たんだけど…」

「うーん…たぶんエンリさんの魔法って、俺らとは根本的に違うんだよね」

「どういう事?」

「エンリさんは異世界の人間だ。どっかの適当な神がHP(体力)とMP(魔力)をつけたみたいだけど、体に馴染んでない感じだ。だからこの世界のやり方では魔法が発動しない」

「ふむふむ?つまり?」

「まぁ、自分でやるしかないってやつだな」

「そんな殺生な!!」

クラウス君だけが頼みの綱だったのに…なんてこった…。
落ち込む私の頭をオル様が撫でてくれる。えへへ気持ちいいな。スリスリしちゃえ。

「…あー。俺帰ってもいいかな」

「だめ。んじゃとりあえず魔法でどれくらいMP減るのか教えてくれる?ここで召喚魔法する?」

「ここでするなよ!今から出すからちょっと待て!」

出すって何を?と首を傾げていたら、クラウス君が私の方に両の手の平を向けた。

「【彼の者の理を詳らかにせよ】…はい、どうぞ」

何処から取り出したのか、クラウス君から一枚の紙を渡された。
紙には先日見たステータスに色々注釈がついている。おお、これはすごい。便利。


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名前:エンリ
年齢:23
レベル:5 冒険者ランクG
HP:10,000
MP:10,000

魔法:
空間魔法…収納作成時間制限なしー1,000、結界作成1時間ー60、移動距離制限なしー300
錬成魔法…1回ー50
召喚魔法…1回ー100

加護:
渡りの神…移動時に体力+50%
ガイアの神…即死の攻撃を回避する

称号:
渡りの神子姫…渡りの神と会話できる(1日1回)
神々の愛し子…神の召喚成功率100%

適正職業:結界師、錬金術士、オルフェウス・ガードナーの生涯のパートナー


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「あれ?レベルが上がってる?」

「ここに来て魔法とか使った?」

「召喚魔法使ったよ。日本の神様出てきた」

「は!?日本の神!?なんだそのチート…マジか…」

ぐったりするクラウス君。オル様はなるほどと頷いている。

「あれは異界の神か。召喚を成功させるだけでレベルは上がるな。HPとMPはさすがに上がらないか…」

「オルは冷静だな…俺もう帰りたい。疲れた」

なんかごめんよクラウス君。でも会えて嬉しかったよ。
オル様は真面目な顔で私のステータスを見ている。あの、下の方は恥ずかしいから見ないでほしいっす。知られてるけど恥ずかしいから見ないでほしいっす。

「おう、また連絡する」

「ありがとうクラウス君、また会えるよね」

「何かあったらオル経由で連絡してよ。直接だとオルが怖いから」

「へ?何で?」

「だってエンリさんって、めちゃくちゃオルの好…「帰れ!!!!」はいはい帰りますよ」

オル様が耳まで赤くして叫んだ。途中聞き取れなかったんですけどー?
クラウス君は爽やかイケメンスマイルで手を振ると、キイィィンと音を立てて…消えた!

「今のって魔法!?」

「そうだな。俺の知ってる唯一の、空間魔法の使い手がクラウスだ。…どうやら知り合いだったみてぇだな」

本当に驚いた。
高校一年の時クラスメイトで、変にイケメンで「王子」とか呼ばれてて…まさか本当に王子になるとは…。
『銀髪の勇者シリーズ』では、やけに秘密の多い魔法使いだったけど、最終話でエルトーデ王国の第三王子だと明かされるのよね。確か。もう下手に口には出さないけどね。

さてと。
とりあえず次の目標は魔法を使いまくってレベル上げて、冒険者か何かで生活費を稼がなきゃ。
そんで独り立ちだ!!

「独り立ち?どういう事だエンリ」

え!?聞こえてた!?…イヤイヤ声に出してないはず…?
怖い!なんか怖いですよオル様!オーラ(?)が怖い!
落ち着いて!話せば…話せば分かる!ひぇぇぇぇ誰かぁぁぁ!



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