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日本のベッドは異世界人に厳しい
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家族で近所の焼肉屋で、特上のお肉で乾杯する。
オルはたくさん食べるから最初は遠慮してたんだけど、お父さんが威厳を見せるべく大盤振る舞いをしたおかげで、全員お腹いっぱい食べれた。きゃっほい。
オルがこっそりお母さんに金貨を渡していた。金は異世界のでも価値が変わらないらしく、お母さんはニコニコ受け取って「結婚式を豪華にしましょう」って言ってた。さすがお母さん。
今日は泊まるってなって、オルはお父さんと一緒に晩酌してる。私は部屋でオルの布団を敷いていた。私のベッドはセミダブルだけど、オルが寝たら足が飛び出しちゃうんだよねぇ。
そういえば、クラウス君のことを気にしてなかったけど大丈夫かしら?
魔法で連絡取るって……あ、ケータイ。オル持ってるのかな?
「クラウスも実家で泊まれるらしいぞ」
「おかえりオル、お父さんの相手ありがとう。クラウス君は無事に再会出来たみたいだね」
「アイツ隠してたけど、ずっと苦しんでいたからな。あ、エンリ、たまにはこっちに戻るだろう?クラウスとかも一緒にいいか?」
「もちろんだよ!また来て、みんなで旅行とかしようよ!こっちの人が異世界に行くのは体が変わっちゃうからダメだけど、ミラさんとかも紹介したいし。オルの家族でしょ?」
「ああ、そうだ。ありがとうエンリ」
お礼言わなくても、当たり前なのにさ。
私はオルの嬉しい顔をたくさん見れるなら、どんな事でもしたいんだよ。
「ほう、なら早速俺に嬉しい事をして貰おうか?」
「ちょ、なんでまた心を読むのよ!」
口の端を片方上げて、ニヤリと妖しく笑むオル。
ネクタイをグイッと緩めて、シャツのボタンを上を二個ほど外す。ぐっと盛り上がる胸の筋肉は強烈な色気を放ち、私はすっかり当てられて頭がボーッとしてしまう。
……はっ!!
「危ない危ない!オル、お風呂入ってきな!日本の風呂文化に屈伏するがいい!」
「……チッ、もう少しだったな」
「ほら、背中流してあげるから!」
「……(風呂もアリか)……分かった、頼む」
なんか一瞬寒気がしたような気がしたけど、今ここにある危機を回避した事にホッとする私なのであった。
…………もちろん、今日がこれで終わる訳がなかった。
チュンチュン…
チチチ…
ああ、知ってる天井だ…
久しぶりの日本。久しぶりの家。
そして鍛え抜かれた筋肉に包まれる私。
「……!!!!」
またしても上半身裸で寝ているオルに、一晩すっぽり包まれていたらしい。
朝日にきらめく大胸筋様にスリスリしてやる。匂いもくんかくんか嗅いでやる。頑張った私へのご褒美だ。
「……おい」
「む、起きたのかねオル君」
「何がご褒美だ?」
「ふむ、分からないのかね?朝日にきらめく鍛え抜かれた筋肉を愛で、頬でスリスリして感触を確かめ、匂いを嗅いでうっとりとする、この私の気持ちが!!」
「そうか、分かった」
「え?分かったの?」
マジか、オルも変態の要素があったのかな?私は自覚してるけど、無自覚だと危険じゃね?
「よぉく分かった。成人男性の朝に可愛い顔で体に擦り寄ってくる女は、俺を煽ってるという事がな!」
「はあぁ!?」
え、ちょ、ちが、そうじゃな…………おかあさーーーーーん!!
ノックが鳴る。
「オルさん、エンリ、起きてる?朝ご飯できたわよ」
お母さんがドアの向こうから声をかけてくれた。
ああ!さすが母!ハレルヤ!
「お前、なんか今日本の神を差し置いてなかったか?」
「な、何故それを!?……てゆか、オルはなんで時々私の考えてる事が分かるの?」
「分からねぇけど、もしかしたら俺のステータスが変わったせいかもしれねぇな」
「どこか変わったの?」
「加護に『エンリ・モリノ』って追加された」
……。
…………。
………………………にゃああああっ!?
オルはたくさん食べるから最初は遠慮してたんだけど、お父さんが威厳を見せるべく大盤振る舞いをしたおかげで、全員お腹いっぱい食べれた。きゃっほい。
オルがこっそりお母さんに金貨を渡していた。金は異世界のでも価値が変わらないらしく、お母さんはニコニコ受け取って「結婚式を豪華にしましょう」って言ってた。さすがお母さん。
今日は泊まるってなって、オルはお父さんと一緒に晩酌してる。私は部屋でオルの布団を敷いていた。私のベッドはセミダブルだけど、オルが寝たら足が飛び出しちゃうんだよねぇ。
そういえば、クラウス君のことを気にしてなかったけど大丈夫かしら?
魔法で連絡取るって……あ、ケータイ。オル持ってるのかな?
「クラウスも実家で泊まれるらしいぞ」
「おかえりオル、お父さんの相手ありがとう。クラウス君は無事に再会出来たみたいだね」
「アイツ隠してたけど、ずっと苦しんでいたからな。あ、エンリ、たまにはこっちに戻るだろう?クラウスとかも一緒にいいか?」
「もちろんだよ!また来て、みんなで旅行とかしようよ!こっちの人が異世界に行くのは体が変わっちゃうからダメだけど、ミラさんとかも紹介したいし。オルの家族でしょ?」
「ああ、そうだ。ありがとうエンリ」
お礼言わなくても、当たり前なのにさ。
私はオルの嬉しい顔をたくさん見れるなら、どんな事でもしたいんだよ。
「ほう、なら早速俺に嬉しい事をして貰おうか?」
「ちょ、なんでまた心を読むのよ!」
口の端を片方上げて、ニヤリと妖しく笑むオル。
ネクタイをグイッと緩めて、シャツのボタンを上を二個ほど外す。ぐっと盛り上がる胸の筋肉は強烈な色気を放ち、私はすっかり当てられて頭がボーッとしてしまう。
……はっ!!
「危ない危ない!オル、お風呂入ってきな!日本の風呂文化に屈伏するがいい!」
「……チッ、もう少しだったな」
「ほら、背中流してあげるから!」
「……(風呂もアリか)……分かった、頼む」
なんか一瞬寒気がしたような気がしたけど、今ここにある危機を回避した事にホッとする私なのであった。
…………もちろん、今日がこれで終わる訳がなかった。
チュンチュン…
チチチ…
ああ、知ってる天井だ…
久しぶりの日本。久しぶりの家。
そして鍛え抜かれた筋肉に包まれる私。
「……!!!!」
またしても上半身裸で寝ているオルに、一晩すっぽり包まれていたらしい。
朝日にきらめく大胸筋様にスリスリしてやる。匂いもくんかくんか嗅いでやる。頑張った私へのご褒美だ。
「……おい」
「む、起きたのかねオル君」
「何がご褒美だ?」
「ふむ、分からないのかね?朝日にきらめく鍛え抜かれた筋肉を愛で、頬でスリスリして感触を確かめ、匂いを嗅いでうっとりとする、この私の気持ちが!!」
「そうか、分かった」
「え?分かったの?」
マジか、オルも変態の要素があったのかな?私は自覚してるけど、無自覚だと危険じゃね?
「よぉく分かった。成人男性の朝に可愛い顔で体に擦り寄ってくる女は、俺を煽ってるという事がな!」
「はあぁ!?」
え、ちょ、ちが、そうじゃな…………おかあさーーーーーん!!
ノックが鳴る。
「オルさん、エンリ、起きてる?朝ご飯できたわよ」
お母さんがドアの向こうから声をかけてくれた。
ああ!さすが母!ハレルヤ!
「お前、なんか今日本の神を差し置いてなかったか?」
「な、何故それを!?……てゆか、オルはなんで時々私の考えてる事が分かるの?」
「分からねぇけど、もしかしたら俺のステータスが変わったせいかもしれねぇな」
「どこか変わったの?」
「加護に『エンリ・モリノ』って追加された」
……。
…………。
………………………にゃああああっ!?
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