9 / 13
第3章:恋の定義は、塗り替えられる
1節「幼なじみ、黙ってはいられない」
しおりを挟む
いつからだろう。
私が“見ているだけ”になっていたのは。
毎朝一緒に登校して、同じクラスで、帰り道も隣で笑って。
ユウトは、私の“当たり前”だった。
でも――いつの間にか、その“当たり前”が誰かに奪われそうになっている。
私の知らない顔を、あの子には見せてる。
私の知らない距離で、あの子と触れてる。
(……もう、黙っていられない)
次の日の朝。
昇降口で待っていたユウトのもとに、私はいつもより早足で向かった。
「おはよ、ユウト!」
「あ、アカリ……おはよ」
「ね、今日さ。放課後、付き合ってほしいところがあるの」
「ん? どこ?」
「秘密。でも……デート、っぽい場所」
「……え?」
顔を真っ赤にするユウトに、私はにっこり笑った。
(今までの私じゃないって、気づいて)
放課後。
私が連れていったのは、昔ふたりでよく遊んだ、公園の奥にある小さなベンチ。
桜の木の下。
誰もいない、懐かしい空気。
「覚えてる? ここ。小学校のとき、ユウトが木登り失敗して落ちた場所」
「……あー……思い出した。アカリが泣きながら怒ってきたやつ」
「“死んだら許さない”って言ったの、まだ覚えてる?」
「うわ、めっちゃ懐かしいな……」
ふたりで笑った。昔みたいに。
でも――今日の私は、ここで終わらせない。
「ねえ、ユウト」
「ん?」
「……私、ちゃんと言いたいことがあるの」
彼が驚いたようにこちらを見る。
「“幼なじみ”じゃ、もう足りないって思ってる」
「……え……?」
「メイちゃんといるときのユウト、見たよ。……すごく、いい顔してた」
「……それは……」
「羨ましかった。悔しかった。……だから、はっきり伝える」
私は一歩踏み出して、彼の目をまっすぐ見た。
「私、ユウトのことが好き。恋愛とかアプリとか関係なく、ずっと前から。本気で、恋人になりたいって思ってる」
言葉が震える。でも、視線は逸らさない。
その瞬間――
《攻略対象:アカリ 好感度 72% → 85%(本命告白フラグ発生)》
《イベント進行:幼なじみの覚醒》
ユウトはしばらく黙っていた。
でも、その顔は確かに、驚きと――少しの“戸惑い”を含んでいた。
私が“見ているだけ”になっていたのは。
毎朝一緒に登校して、同じクラスで、帰り道も隣で笑って。
ユウトは、私の“当たり前”だった。
でも――いつの間にか、その“当たり前”が誰かに奪われそうになっている。
私の知らない顔を、あの子には見せてる。
私の知らない距離で、あの子と触れてる。
(……もう、黙っていられない)
次の日の朝。
昇降口で待っていたユウトのもとに、私はいつもより早足で向かった。
「おはよ、ユウト!」
「あ、アカリ……おはよ」
「ね、今日さ。放課後、付き合ってほしいところがあるの」
「ん? どこ?」
「秘密。でも……デート、っぽい場所」
「……え?」
顔を真っ赤にするユウトに、私はにっこり笑った。
(今までの私じゃないって、気づいて)
放課後。
私が連れていったのは、昔ふたりでよく遊んだ、公園の奥にある小さなベンチ。
桜の木の下。
誰もいない、懐かしい空気。
「覚えてる? ここ。小学校のとき、ユウトが木登り失敗して落ちた場所」
「……あー……思い出した。アカリが泣きながら怒ってきたやつ」
「“死んだら許さない”って言ったの、まだ覚えてる?」
「うわ、めっちゃ懐かしいな……」
ふたりで笑った。昔みたいに。
でも――今日の私は、ここで終わらせない。
「ねえ、ユウト」
「ん?」
「……私、ちゃんと言いたいことがあるの」
彼が驚いたようにこちらを見る。
「“幼なじみ”じゃ、もう足りないって思ってる」
「……え……?」
「メイちゃんといるときのユウト、見たよ。……すごく、いい顔してた」
「……それは……」
「羨ましかった。悔しかった。……だから、はっきり伝える」
私は一歩踏み出して、彼の目をまっすぐ見た。
「私、ユウトのことが好き。恋愛とかアプリとか関係なく、ずっと前から。本気で、恋人になりたいって思ってる」
言葉が震える。でも、視線は逸らさない。
その瞬間――
《攻略対象:アカリ 好感度 72% → 85%(本命告白フラグ発生)》
《イベント進行:幼なじみの覚醒》
ユウトはしばらく黙っていた。
でも、その顔は確かに、驚きと――少しの“戸惑い”を含んでいた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる