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空の雲〜天界の天使の物語シリーズ〜
空の雲 18.描きたい空を描くのはもっと先
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ビハールは、理想やバランスを先に考えるのをやめて、とにかく描いた。
連番初めの雲は、少し濃くなりすぎて規定を少し上回ってしまったものの、時間内には終わることができ、次の空は息を切らせながらも仕上げると、規定より五分は早く、パーセンテージも誤差なしに仕上げることができた。
昼休憩を取りに食堂へ向かうために吹き抜けを降りていくと、ちょうどやってきたエドウィンと会い、やはり今日のおかしい采配の話題となる。
「なんだか今日は慌ただしいな、お前も気をつけろよ? 何かあったらちゃんとヘルプ呼ぶんだぞ?」
別の天使と同じことをエドウィンにも言われ、苦笑しながらビハールは答えた。
「うん、そうするよ。エドウィンも頑張りすぎないようにね!」
おう、と言って元気よく上階へと向かうエドウィンを見送り、ビハールは食堂へと向かう。
食堂は通達所のすぐ横にあり、珍しく決定部署の天使たちが一度に食事をとっていないようで、慌ただしく入れ替わり立ち替わりしているようだった。
「やっぱり今日の采配は…………」
何かミスだったのかな、と呟こうとしてビハールは言葉を飲み込んだ。
自分が昨日した失敗を考えれば、何も言えない。と。
自分は次から同じような失敗をしないよう気をつけるだけだし、それは彼らも同じだろうから。
◇◆
午後は連番ではなかったので、体力的にも気持ち的にも楽だった。
とりあえず、朝一で気づいた事も実践してみて、仕上がるタイムも一定して少しづつ早くなっていった。
「ただなぁ……どうしても単調だと感じちゃうんだよなー…………」
本日最後の、自分の描いた空を前にビハールはつぶやいた。
扉を開き外に出てすぐに目に入る時計を確認すると、十分前に終われたことがわかる。
「僕がしなきゃいけないのは、とにかく時間までにパーセンテージを正確に仕上げる事。
描きたい空を描くのはもっと先!」
言い聞かせるようにそう言いながら描いた空をもう一度見つめてから、パタンと扉を閉じる。
しかし今日は確かにパーセンテージ高めの空ばかりで少しキツかったなぁ、朝一は割り振られるはずのないはずの夜の空だったし……と思いながら飛んで時計の下にある出入り口に向かうと、下の方から誰かの叫ぶ声が聞こえてきた。
「俺たちのことをなんだと思ってるんだ!」
「そんなこと今更言われたって無理に決まってるだろう⁉︎」
連番初めの雲は、少し濃くなりすぎて規定を少し上回ってしまったものの、時間内には終わることができ、次の空は息を切らせながらも仕上げると、規定より五分は早く、パーセンテージも誤差なしに仕上げることができた。
昼休憩を取りに食堂へ向かうために吹き抜けを降りていくと、ちょうどやってきたエドウィンと会い、やはり今日のおかしい采配の話題となる。
「なんだか今日は慌ただしいな、お前も気をつけろよ? 何かあったらちゃんとヘルプ呼ぶんだぞ?」
別の天使と同じことをエドウィンにも言われ、苦笑しながらビハールは答えた。
「うん、そうするよ。エドウィンも頑張りすぎないようにね!」
おう、と言って元気よく上階へと向かうエドウィンを見送り、ビハールは食堂へと向かう。
食堂は通達所のすぐ横にあり、珍しく決定部署の天使たちが一度に食事をとっていないようで、慌ただしく入れ替わり立ち替わりしているようだった。
「やっぱり今日の采配は…………」
何かミスだったのかな、と呟こうとしてビハールは言葉を飲み込んだ。
自分が昨日した失敗を考えれば、何も言えない。と。
自分は次から同じような失敗をしないよう気をつけるだけだし、それは彼らも同じだろうから。
◇◆
午後は連番ではなかったので、体力的にも気持ち的にも楽だった。
とりあえず、朝一で気づいた事も実践してみて、仕上がるタイムも一定して少しづつ早くなっていった。
「ただなぁ……どうしても単調だと感じちゃうんだよなー…………」
本日最後の、自分の描いた空を前にビハールはつぶやいた。
扉を開き外に出てすぐに目に入る時計を確認すると、十分前に終われたことがわかる。
「僕がしなきゃいけないのは、とにかく時間までにパーセンテージを正確に仕上げる事。
描きたい空を描くのはもっと先!」
言い聞かせるようにそう言いながら描いた空をもう一度見つめてから、パタンと扉を閉じる。
しかし今日は確かにパーセンテージ高めの空ばかりで少しキツかったなぁ、朝一は割り振られるはずのないはずの夜の空だったし……と思いながら飛んで時計の下にある出入り口に向かうと、下の方から誰かの叫ぶ声が聞こえてきた。
「俺たちのことをなんだと思ってるんだ!」
「そんなこと今更言われたって無理に決まってるだろう⁉︎」
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