女勇者がクズ過ぎて皆逃げ出したい

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逃げれない旅の始まり

PTの仲が悪い場合どうしたらいいのか

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夕方になると雨も少し弱まったみたいだ。この分なら明日は上がるだろう…。シグルさんの体調も少し良くなり何か手伝うかきいたが、ウィル様が病み上がりだからまだ安静にしていろと言う。

「そうよぉ、回復役のシグルちゃんが倒れたら話にならないでしょう?それに…リリイちゃんと仲良くしててももう私たちは大丈夫よ?」

「うむ、そうだな俺は実は国に婚約者がいるんだ…乗り気ではなかったが魔王を倒したら考えてみるかな」
と悩んだ。

「皆さん…」
と私とシグルさんは目を合わせて微笑んだ。
するとそこにメイカが降りてきて

「あーあ、やっぱりそうなった?看病と聞こえは良くしてイチャイチャしてたんだな?うっとおしい、PT内でできるとか、それとも子供でもできるようなことしたの?」
相変わらず下品でクズなメイカ。

「そんなことリリイさんがするはずないでしょう?一晩中寝ないでお世話してくれたから回復できたようなものです!僕は熱で寝込んでいましたから」

「ふーん、どうだかねぇ?ま、イチャイチャするなら私の見えない所でしろよ?間違っても私の前で甘い空気とか出しやがったら許さないからね?」

「あーら、それってメイカは男に飢えてるの?優しくされたいってわけ?あんたなんかに優しくする男なんていないわよぉ?ざーんねん!」

「アリア!ほっとけって!」
とウィル様が言うがメイカはギッとオネェ様を睨みつけた。

「その口縫い付けてやりたいよ」
オネェ様もメイカを睨みつけた。

「人が採ってきた豚もあんたとルークだけで食べるような奴あたしだって優しくないわよ!これからは私たちの食料は私たちで食べるわ!だから人の物を盗るのはやめてよね!」
オネェ様はガツンと言った。

「あんた…勇者のあたしを怒らせてどうなるか判ってんの?」

「何よ?また私の急所を叩く気?それしか趣味ないならルークのでも叩いてれば?」

「アリア…」

「私もう限界なのよ!旅には同行してあげるわよ!仕方なくね!魔王を倒すって言う大義名分もあるし!でもメイカの言う通りにすることないと思うの!こんなのPTじゃないじゃない!仲間は思い合ってこそよ?乱してるのはメイカ達よ!」

「ま、そりゃそうだよねー?私も最初からあんた達のこと嫌いだったし!嫌々魔王なんか倒さなきゃいけないし?聖剣も私に懐かないし」

「メイカ姉さんをいじめるな!オカマのくせに!」
とルークがメイカの前に立った。

「…ううっルークだけだわ、この世界であたしに優しいの!」

「メイカ姉さん大丈夫だよ?僕なら裏切らないから!」

「全く馬鹿らしいわ!私達はもう魔王を倒すって目的以外で必要以上に近寄らない話さないでいいんじゃないかしら?ご飯はあんた達と別で人の物に手を出さない!魔物だって私たちは自分たちに向かってきたのは倒すけどあんた達に向かってきたのは知らないから!まぁ魔王と対峙した時は一応は共闘になるだろうけど、シグルも支援はしないこと!これでどうかしら?ああ、もちろん資金はここできっちり分けておきましょう?」
オネェ様はもう完全にメイカと孤立する気だった。魔王討伐は行く。命がかかっている腕輪もあるし、一応の行動は共にしないといけないが生活圏には手出しをさせないらしい。だが、私たちもオネェ様と意見は同じだった。PTの仲は最悪であった。

「んじゃ好きにしたら?行き先はあんた達が前を歩きなよ?あたしは魔王の居場所なんて知らないし地図はウィルが持ってんでしょ?」
ついにウィル様に様をつけるのをやめたメイカは完全に私たちを見限った。元々仲は悪いからどうしようもないけど。

「メイカさん…あなたが私たちに謝罪するならこの旅は良くなると思います…仲間つて信じあえないと壊れていくのは当然です」
私は声を出してメイカに言ったがやはり声は届かなかった。

「女魔法使い…あたしに謝罪しろって?謝罪するのはあんた達の方だよ!正義のヒーロー気取るのもいい加減にしたら?」
との言葉にシグルさんは

「勇者さん… こんな争い不毛でしかありません…たった一言で神も貴方を許すかもしれません…」
神官であるシグルさんはPTの仲を心配したが無駄で

「絶対に謝るもんか!悪いのはそっちだ!ルーク行こう!」
とまた部屋に閉じこもった。

「はぁ…疲れる…頑固にも程があるだろう…」
ウィル様はまた眉間にシワを寄せた。

「…あの…メイカさんは私たちが悪いって言ってますね…。確かに私たちは彼女がクズだからと言い続けたことにも責任はあるのかもしれません…」

「でもクズなのは事実じゃない?あたしが採ってきた豚だって分けてくれないのよ?」

「アリアさん気持ちはよくわかります…あの人は人から愛されたことがないんでしょう…。僕は教会にいた頃はいろんな悩める人の声を聞きました。その中にはあの人のようにひねくれた嫌味な方もいました。でもその人は二度と教会に来ませんでした。神の声が届かず悪に手を染め堕ちていきました。今ならまだあのクズを更生できないでしょうか?」
シグルさんの更生という言葉に全員無理だとは思ったが、反面その通りだとも思っていた。
シグルさんが熱にうなされた時に私の手を握って憎むなと目を向けたのは…。

「皆さん…シグルさんの言う通り…私たちがメイカさんに憎しみを持ったままだと私たち自身も汚れた心を持ったままになります…あの人を許すことは確かに難しいと思います。もし…少しずつ変わることができるならやってみましょう」
私はシグルさんと目を合わせまたうなづいた。

「…すぐには許せないわ…当分は宣言通りPTの仲は戻らないわ…でもシグルちゃんとリリイちゃんの言うことも判る…。私だって気持ち悪いまま魔王討伐に行けないわ…」

「そうだな、俺もアリアと同じ意見だと思う。だが…努力はする。あのクズを更生させるなど骨が折れるだろうがな」
と笑った。

「まっ…そうよねぇ…ふふっ!あのメイカが記憶を無くした時みたいに素直になってくれたらね」

「あの時の勇者さんだったら魔王対峙だって希望も持てましたからね」
と皆で笑いあった…道のりは大変だろう…でも私たちは少しずつ歩み寄ろうと決めた。
問題は…

「ルークくんのことですが…お頭さんから別れ際に聞いたのです。注意しろと…お仲間を5人殺されたとか」

「何ですって?5人も?」

「あのガキ…何かあるとは思ったが…」

「攫われたことで憎しみが溢れたのでしょうか?いずれにしよ勇者さんの近くに置くにはまずいかもしれませんね…あの子は何を企んでいるのか判りませんが良くない気配はするんですよねぇ…」
とシグルさんは顔を曇らせた。

「でも現状引き離すのは無理ね、あの二人は何か共通して信じあえるものがあるのかもね…」
私たちは再び悩んだがとりあえず頭の助言通り注意はしておこうという結果になった。
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